ちょこっと中学理科19/20回 〜「対照実験とは何 ?」光合成でCO₂を吸収する実験
みなさん、こんにちは!「ちょこっと中学理科」の第19回目をお届けします。全20回を予定しているこのシリーズも、いよいよ大詰めとなりました。
今回は「植物の光合成」のおさらいと、理科の考え方でとっても大切な「対照実験(たいしょうじっけん)」についてお話ししていきます。
1. まずは前提知識のおさらいから!
実験に入る前に、基礎知識を3点確認しておきましょう。
光合成とは? 植物が光を受けて栄養(デンプンなど)を作り出すはたらきです。このとき、気体の出入りは「二酸化炭素を吸収して、酸素を出す」ということを行っています。
二酸化炭素の性質 二酸化炭素は水に溶かすと「炭酸」になり、酸性を示します。水の中に二酸化炭素が多く溶け込むほど、酸性が強くなっていきます。
BTB溶液の色の変化 水溶液の性質を調べる指示薬です。
酸性 → 黄色
中性 → 緑色
アルカリ性 → 青色
2. 「3本の試験管」を用意して実験スタート!
まずは、アルカリ性の水にBTB溶液を数滴落とし(青になる)、吐いた息(呼気)に多く含まれる二酸化炭素を少しずつ吹き込んで「緑色(中性)」に調整した水を作ります。
この緑色の水を、A・B・Cの3本の試験管に入れてしっかりと栓をします。(添付の画像も合わせてご覧ください)

試験管A:オオカナダモ(水中の植物)を入れる【光〇 / 植物〇】
試験管B:オオカナダモを入れ、アルミ箔で周りを覆って光を遮断する【光× / 植物〇】
試験管C:オオカナダモは入れず、水だけにする【光〇 / 植物×】
この3本に十分な光を当てて、しばらく時間を置いて観察してみましょう。
3. 実験の結果はどうなった?
もともと緑色(中性)だった水が、それぞれの試験管で全く違う色に変化しました!
試験管A:緑色から「青色」に変わった!
試験管B:緑色から「黄色」に変わった!
試験管C:「緑色のまま」変化しなかった!
4. なぜこの色に変化したのかな?
それぞれの試験管の中で何が起きていたのか、理由を考えていきましょう。
試験管Aが「青色」になった理由 → オオカナダモに光が当たったため、盛んに光合成が行われました。吹き込んでおいた 二酸化炭素が光合成によって、オオカナダモに吸収されたため、水の中の二酸化炭素がなくなり、二酸化炭素を入れる前(呼気「二酸化炭素」を吹き込む前)の「元の青色(アルカリ性)」に戻ったのです。※試験管Aでも呼吸はしていますが、それ以上に光合成で二酸化炭素を吸収する量の方が多い。
試験管Bが「黄色」になった理由 → アルミ箔で光が遮られているため、光合成ができません。しかし、植物は生きているので24時間絶え間なく「呼吸」(酸素を吸って二酸化炭素を出す)をしています。光合成ができずに、呼吸で二酸化炭素がどんどん増えていったため、「酸性の黄色」に変化しました。
試験管Cが「緑色のまま」だった理由 → 光は当たっていますが、そもそも植物が入っていません。光合成も呼吸も起こらないため、二酸化炭素の量は変わらず「中性の緑色」のままでした。
5. 「対照実験」ってなんだろう?
ここからが今日一番伝えたいポイントです!
理科の実験で「この結果になった原因(理由)は何か?」を確かめたいとき、私たちはあえて「1つの条件だけを変えて、あとの条件はすべて同じにした実験」を同時に行います。これを「対照実験」と呼びます。
今回の3本の試験管を比べてみましょう。
AとBを比べる →「光」の必要性 → AとBの違いは「光が当たるか当たらないか」だけです。植物はどちらにも入っています。光を遮ったBでは光合成が起きなかったことから、「光合成には光が必要である」と証明できます。
AとCを比べる →「植物」の活動 → 「もしかして、時間が経って二酸化炭素が勝手になくなっただけでは?」という疑問を打ち消すために、Cがあります。AとCの違いは「植物があるかないか」だけ。植物のない C では変化が起きなかったことから、「二酸化炭素を減らしたのは、間違いなくオオカナダモだ」と証明できる のです。
おわりに
実験をするときに「調べたい条件の 〇〇 以外を全く同じにした、〇〇 がない実験」もしてみるという一手間をかけることで、「 〇〇 のせいでこの変化が起きたんだ!」と納得できるようになります。
「調べたい条件の 〇〇 以外の条件を全く同じにして、(〇〇がない実験)をする = 対照実験 」です。
さて、「ちょこっと中学理科」も、次回でいよいよ最終回(の予定)の第20回です。
最後まで、読んでいただきありがとうございます。良き日が訪れますように。
