暗号資産ド素人がJPYC口座開設してみた話💦 Claudeと一緒に格闘した記録
はじめに
前回のnoteで「TEAMZ SUMMIT 2026に参加してきた、帰ったらJPYCの口座開設をする」と書いた。
宣言した手前、やるしかない。
でも正直なところ、JPYC・ウォレット・チェーン、こういった言葉を聞いたのは、TEAMZ SUMMIT 2026が初めてだった。知識はゼロからのスタートだ。
結果から言えば、何とかなった。でも「何とかなった」は「楽勝だった」ではない。Claudeというアシスタントに何度も助けを求めながら、何度か挫けそうになりながら、延べ2時間ほどかけて格闘した記録を残しておく。同じように「やってみたいけど不安」という方の参考になれば嬉しい。
まず、JPYCとは何か(改めて)
前回の記事でも触れたが、JPYCは1JPYC=1円で固定された日本初のステーブルコインだ。2025年10月に正式にリリースされ、金融庁の監督下で運営されている。発行残高の100%以上が銀行預金・日本国債で保全されているので、ビットコインのように価格が乱高下することはない。
簡単に言えば「デジタルの1円玉」だ。
銀行振込で10,000円を入金すれば、10,000JPYCが自分のウォレットに届く。手数料は無料(銀行の振込手数料とガス代と呼ばれるネットワーク使用料は別)。
これだけ聞けば簡単そうに見える。実際に始めてみると、落とし穴がいくつかあった。
口座開設に必要なもの
まず準備するものを確認した。
ひとつ目は、ウォレットだ。
「ウォレットって何?」というところから始まった。
ウォレットとは、JPYCを受け取って保管するための「デジタルの財布」だ。スマートフォンのアプリとして動く。今回私が選んだのはHashPort Walletだ。JPYC公式が推奨しているから、という理由だけで選んだ。
ふたつ目は、マイナンバーカードだ。本人確認に使うので、手元に準備しておく必要がある。
ウォレットを作る
App StoreでHashPort Walletをダウンロードして、新規作成を始めた。
ウォレットの作成自体はそれほど難しくなかった。スマートフォンに「0x」から始まる長い文字列が表示された。これがウォレットアドレス、つまり「デジタルの口座番号」だ。
JPYC EXでアカウント登録・本人確認
次にJPYC公式プラットフォーム「JPYC EX」でアカウントを作る。
スマートフォンのブラウザで https://jpyc.co.jp/ にアクセスして、メールアドレスを登録し、届いた認証メールのリンクをタップする。
本人確認は、LIQUIDというアプリをインストールして進めた。詳しい仕組みはよく分からなかったが、指示に従って操作したら数分で審査が完了した。
ウォレット登録でハマる
ここから本格的に苦戦した。
JPYC EXに自分のウォレットを登録しようとすると、「WalletConnect」という仕組みを使う。スマートフォンのJPYC EX(ブラウザ)とHashPort Wallet(アプリ)を接続する手順だ。
具体的にはこういう流れになる。JPYC EXでウォレット登録の画面を開く。「接続する」をタップするとHashPort Walletのアプリが自動的に開く。HashPort Wallet側で「接続しますか」という画面が出てくる。接続をタップする。するとJPYC EXに戻る。
ここで戻るはずの画面が、「登録完了」ではなく、また同じ「ウォレット登録」の画面なのだ。
「接続できたはずなのに、なぜまた同じ画面?」
JPYC EXのサイトにはYouTubeの解説動画もあった。見てみたものの、チェーンの意味すら分かっていない状態では、動画を見ても操作の意味が理解できない。HashPort Walletのアプリ側では「接続済み」と表示されているのに、JPYC EXでは登録が完了しているように見えない。どちらの状態が正しいのか、判断できなかった。
原因はチェーン(ネットワーク)の選択にあった。Claudeから「Polygonは手数料が安くておすすめ」と言われていたため、Polygonにこだわって試し続けていた。ところがプルダウンの選択肢にPolygonが出てこない。どうすればいいか分からないまま、JPYC EXのサイトとHashPort Walletのアプリを何度も行ったり来たりした。
最終的にプルダウンに表示されているAvalancheを選択したら、あっさり先に進めた。
最初からAvalancheを選んでいれば早かった。Claudeに勧められたPolygonにこだわり続けたせいで余計に時間がかかった、という何とも言えない経験だった。
チェーンとネットワークという概念
「チェーンって何?」
Claudeに聞いたところ、「JPYCが走る道路のようなもの」と教えてもらった。選択肢はEthereum、Polygon、Avalancheの3つで、それぞれ特性が違う。EthereumはClaudeに手数料が高いと言われた。PolygonとAvalancheは手数料が安く速いらしい。
結果としてAvalancheで進めることになったが、「これで合っているのか」という不安は最後まで残っていた。今でもチェーンについては何となく道路の種類が違うんだな、という程度の理解だ。
発行予約と銀行振込
ウォレットと出金先口座の登録が終わると、いよいよ発行予約だ。
JPYC EXのマイページから「発行を予約する」を選択する。ネットワーク(Avalanche)と受取アドレス(登録済みのウォレット)、注文額を入力する。今回は10,000円分にした。
メールでワンタイムコードが届き、入力して予約確定。すると振込先の口座情報が表示された。
ここで重要なルールがある。振込金額は1円も違えてはならない。また振込名義が登録口座の名義と完全に一致していなければならない。
銀行から振り込んだ。振込手数料は別途かかった。
入金の確認後、数分でHashPort WalletにJPYCが届いた。
10,000円振り込んだのに9,970JPYCしか届かなかった
10,000円分を発行予約し、銀行振込で10,000円を送金した。振込手数料は別途払っている。
ところがHashPort Walletに表示されたのは9,970JPYCだった。
10,000円振り込んで → 10,000JPYCが届くはずが → 9,970JPYCになっていた。
振込手数料とは別に30円引かれている。
Claudeに確認したが「Avalancheネットワークのガス代(ネットワーク使用料)が30円程度である可能性が高い」ということだった。ただし正確な理由は未確認だ。
「発行・償還手数料は無料」と書いてあるのに30円引かれている、というのは初心者には分かりにくいところだと思う。手数料は無料だが、ネットワークを使うためのガス代は別途かかる、という構造だ。
Claudeと一緒にやってみて思ったこと
今回、知識ゼロからJPYC口座開設を進めるにあたって、Claudeというアシスタントに何度も助けを求めた。
「ウォレットって何?」 「HashPort WalletとJPYC EXをどうやって繋げるの?」 「チェーンって何社あるの?」 「10,000円振り込んだのに9,970JPYCしか届かないのはなぜ?」
正直に言うと、「何が分からないか分からない」という状態が続いていた。知識がないから、何を聞けばいいかも分からない。Claudeに聞いて答えをもらっても、次の壁にぶつかる。その繰り返しだった。Claudeも私の質問が抽象的すぎて大変だったと思う。
それでも最終的には、HashPort WalletにJPYCが届いた。
ウォレットは財布。アドレスは口座番号。チェーンは道路。ガス代は通行料。そのくらいの感覚で、今は捉えている。
おわりに
2026年4月10日、TEAMZ SUMMIT参加から3日後、JPYC口座開設が完了して9,970JPYCを受け取った。
サミットで印象的な話があった。訪日外国人がUSDC(米ドル連動のステーブルコイン)を使って羽田空港第3ターミナルの店舗で決済をしているという話だ。実際に2026年1月からネットスターズと日本空港ビルデングが実証実験を行っていた。
それを聞いてピンときたことがある。昨年の夏、高校生の長女がイギリスへ2週間の短期留学に行った際、専用のカードを作って送金して、という手続きがけっこう大変だった。それに比べると、スマートフォンのウォレットをそのままキャッシュカード代わりに使えるという世界は、確かに新しい決済手段として面白いと思う。
売り手側にとっても意味がある。VISAやMastercardの加盟店手数料が2〜3%なのに対して、ステーブルコインは約1%。これは事業者にとって無視できないコスト差だ。
完璧に理解してから始めようとすると、永遠に始められない。やりながら学ぶ、それでいい。
50代に突入したが、こんなに楽しいことがたくさんあるとは思わなかった。学びは続く。
吉川修二 特別養護老人ホーム 施設長
#JPYC #ステーブルコイン #Web3初心者 #介護経営 #学びの記録
【訂正・追記 2026.4.11】30円の謎、解けました
口座開設当日(4/1)、「10,000円振り込んだのに9,970JPYCしか届かなかった、差の30円はガス代らしい(未確認)」と書いた。
翌朝、HashPort WalletのJPYC詳細画面を見て気づいた。

保有枚数は10,000JPYCのまま変わっていない。
ではなぜ円換算額が減っているのか。答えはJPYCの市場価格が0.9957円だったから。
10,000JPYC × 0.9957円 = 9,957円
ガス代で引かれたのではなく、市場価格の乖離による円換算の目減りだった。
▼仕組みのまとめ
JPYC EX(公式)では常に1JPYC=1円で発行・償還できる。これは変わらない。一方、HashPort Walletが表示する価格はCoinGeckoというデータ会社がDEX(分散型取引所)での実際の売買価格を集計した数値だ。DEXでは需給によって価格が変動する。この現象を「ペッグ割れ」と呼ぶそうです。
過去の価格レンジは0.96円〜1.01円程度で推移している。
ただし、いつでもJPYC EXで1JPYC=1円に償還できるため、実害はない。「DEXで割安になったところを誰かが買い戻す」という裁定取引が働き、大きく乖離したままにはなりにくい構造のようです。
なぜ乖離が起きるかというと、JPYCはまだ流通規模が小さい(2026年2月時点で累計発行額約13億円)。流動性が薄いため、大量売却が起きると一時的に価格が下がりやすい。市場が成熟すれば徐々に安定すると考えられているみたいです。
ステーブルコインは「変動しない」ではなく「変動しにくい、かつ公式で1円保証」という設計だった。初心者がハマりやすいポイントなので書き残しておきます。
