面接試験の様々な種類の違いと共通して問われていること【大学受験・面接対策】
更新日:2026/06/23
(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)
面接試験は多種類あるが「面接試験の実際」を考えればどれも評価対象は共通である
この記事で言いたいことは、大学受験の面接試験にはいろいろな種類のものがありますが、どれも本質的に問われていること(評価対象)は同じであるということです。たしかに、かたちの上ではいろいろな試験があるように見えますし形式上の違いもなくはありません。しかし、本質的に問われていることはどれも同じなのです。
今回の記事では、前半ではそれぞれの面接試験の種類やそれぞれの違いについて先に解説し、後半では、結局どの種類の面接試験であっても問われていることは本質的に同じであるという話をします。それによって、単なる面接試験のかたちの上だけの「ハウツー」の話を越えた、「面接試験で、共通して本質的に求められていることとは何か」ということについて、お話しできるのではないかと考えています。とかく、面接試験の対策についてのお話は「面接試験ではこういうときはこうするべき」・「こう聞かれたらこう返すべき」という「一対一対応的な『ハウツー』形式の方法論」で終わりがちですが、「どの面接試験でも究極的に求められている、共通するものは何か」を理解してもらうのが、この記事を書いた目的です。
主な面接試験の種類とそれぞれの「形式」上の違いと注意点(概説)
まず、面接試験の種類には、以下のものがあります。
1.個人面接
2.集団面接
3.グループ討論
4.プレゼンテーション試験
では、1から順に説明していきましょう。
1の「個人面接」は、「受験生1名」に対して「面接官1~複数名」で行われる、最もオーソドックスな形式の面接です。面接試験というと、まずはこの形式を想像するのではないでしょうか。最も基本的な形式の面接試験です。ただし、この面接試験と同じような形態のもので内容が異なるものがあります。それは「口頭試問」です。これは「通常紙上で行う教科試験を口頭で行うもの」であるため、決められた一つの答えが明確にあります。
2の「集団面接」は、「受験生複数名」に対して「面接官1~複数名」で行われるものです。違いは他の受験生と並んでまとめて行われるという点で、聞かれることは「個人面接」とほぼ同じと言ってよいです。ただし、「○○さんが今お話しされたことについて、△△さんはどう思いますか」のように、他の受験生の答えを踏まえて話を振られることが多いため、「今は自分に対して聞かれていない」と休んでいてはいけません。面接官の話はもちろんのこと、他の受験生とのやりとりもしっかり聞いておく必要があります。また、「面接官が一つの質問を投げかけ、それに対して順々に受験生が答えていった場合、後の人ほど他の受験生と答えがかぶりがち」という問題があります。この場合、かぶること自体に大きな問題はないのですが、「みなさんと同じです」だけでは、他の受験生と差別化するかたちで自分を面接官に十分に理解させることができません。そのため、「他の受験生と何が同じでどういうところが違うのか」と考え、その違いの部分を話せるようにするとよいでしょう。なお、「集団面接」は「個人面接」に比べ他の受験生と比較して評価をしやすいというのが、「面接官側のメリット」としてあります。
3の「グループ討論(グループディスカッション)」は、面接官からある議題(テーマ)が投げかけられ、その議題に対して複数の受験生同士が討論(ディスカッション)を行うものです。ただし、「討論」と言うと勘違いしやすいのですが、これは「勝ち負けを決めるディベート」ではないので、「相手(他の受験生)を論破して勝つ」ことが目的ではありません。これは一番やってはいけない「悪手」です。というのは、ここでは「協働性」も評価の対象となっているからです。ですから、「一つの問題に対して、他の受験生と協働してその解決に臨む」ということがここでは求められていると言えます。他の受験生の意見を聞いたり、複数の受験生の意見をまとめたりしながら、そのテーマについてみんなで論じていきます。なお、「集団面接」と同様に、他の受験生と比較して評価をしやすいというのが、「面接官側のメリット」としてあります。
4の「プレゼンテーション試験」は総合型選抜で行われることが多いです。採点官からある課題やテーマが出され、それについて、自分の意見や考えを採点官に向けてプレゼンテーションします。他の「個人面接」や「集団面接」のように「質問されて答えるの繰り返し」ではなく、「自分の意見や考えを相手に説得力をもって発表する試験」であるため、他の面接試験よりも「主体性」や「表現力」が求められます。また、自分の意見や考えを筋道立てて説明し理解させることが目的であるため、「論理性」も求められます。もちろん、人前で自分の考えていることを話すため、他の面接試験以上に「緊張するもの」であり、事前に練習して「場慣れ」しておくことも重要になります。
どの種類の面接試験であっても本質的に問われていること~評価対象は何か~
以上のように大学受験には様々な面接試験がありますが、その違いはかたちの上でのことであって、一方で「面接試験の実際」を考えると、どれも「本質的に問われていること(評価対象)は同じ」だと考えられます。
プレゼン能力が問われているのは、何も「プレゼンテーション試験」に限ったことではありません。たとえば、「個人面接」や「集団面接」でも、「自分の強みについて説明してください」などプレゼンテーションを求められる場面があります。また、直接、志望動機について問われないからと言って、「グループ討論」や「プレゼンテーション試験」にそれが全く関係していないのかというそんなことはありません。そこでの他の受験生とのやりとりや発表の内容を通じて、その受験生が日頃将来の学びや進路に対してどのように考えているのかをうかがい知ることができるからです。
では、そうした面接試験で評価の対象となっているものはどのようなものでしょうか、それは、以下の三つのものに集約されると言えます。
・志望や進学の動機
・公共性
・コミュニケーション能力
まず、面接試験で評価の対象となっているもの、それは一にも二にも、「なぜその大学を志望したのか?」、「なぜその学部・学科を志望したのか」といった「志望や進学の動機」です。もちろん、これは事前に提出している「志望理由書など」に書かれていることです。しかし、それが「本当に受験生が本心から望んでいることかどうか」、あるいは「より具体的にどういう考えから本学(本学部・学科)志望しているのか」を確認したいという意図が、面接試験にはあります。書類だけではわからない「受験生の本心や本気度」を実際に会って話を交わすなどして知りたい、そしてその上でそれに対して評価をしていきたいという大学側の考えが、ここにはあります。
次に「公共性」です。「公共性」には「社会性」と「協働性」があります。別の言い方をすると、その受験生が他者や社会と適切な関係を構築できるかどうか、そうした力があるのかどうかを見たいという意図があります。社会的自己は孤立してあるのではなく、周りの他者や社会との関係性の下にあります。そして、こうした関係性(公共性)は子どもの頃は「家庭内の親との関係」だけですが成長していき人生のステージ段階が上がることで広がっていくものです。つまり公共性がその人にどの程度あるかは、「その人の大人の成熟度がどの程度あるか」を表していると言えます。
たとえば、ある大人は自宅で子どもといるときは「父」や「母」ですが、実家に帰れば自分の親といるときは「息子」や「娘」であり、仕事で会社に出勤して同僚といるときは「その会社の社員」であり、帰宅時にスーパーで買い物をしているときは「そのスーパーの客の一人」です。つまり、その人自身は「その人という自己」という唯一のものとしてずっとその世界に存在していたというよりも、ライフステージに応じて社会の中の異なる他者とかかわり「自己のありかた」は変え続けてきたと言えます。そして、それらが何重にも重なるようにして「その人の自己」というものが形成されていっていると言えます。したがって、「その人自身がどういう人間なのか」を見て評価するためには、「その人だけを見る」より「その人以外の人間がいる場に、その人を置いて観察する」方が「日常のその人が見やすく評価しやすい」と言えます。「集団面接」や「グループ討論」を行う意図にはこうしたことも含まれており、「集団の中でのその人のありよう」、つまり他者とのかかわりの中で見えるその人の「人間性」を通じて、「その人にどの程度『公共性(社会性と協働性)』が備わっているのか」、「その人がどの程度人間として成熟しているのか」ということを見ようとしているのだと言えます。
最後に「コミュニケーション能力」です。「面接試験でコミュニケーション能力が問われている」と聞いて違和感を覚える人は少ないでしょう。「コミュニケーション能力」とは「他者と意志の疎通や伝達がしっかり図れる力」のことです。これは、言葉や話を交わすことでわかります。これを簡潔に言い表せば、「相手の話をしっかり聞き取れるか」、そして「相手の話をしっかり理解した上で、それに対して適切に答えられるか」ということになりますが、これはなかなか「言うは易し」で大人でも難しいことです。SNSでは、大人でも子どもでも問わず、相手の言ったことを理解できていなかったために「ボタンのかけ違い」が生じトラブルになっている例をしばしば見ることができます。このように「聞くこと」と「話すこと」をしっかり行うことは、思っている以上に難しいことです。しかしいずれにしても、そうした「聞く力」と「話す力」がここでは求められています。
さらに、実際に会って人と「話す」ことは、文章を「書く」ことにはない。別の難しさがあります。それは「話す」コミュニケーションには「言語的要素」だけでなく「非言語的要素」もあり、「話す」こととは「それらがあいまって行われる意志の疎通や伝達の行為全体」を指すのです。文章を「書く」ときは「文字面の情報」にだけ注意すればよいですが、「話す」ときは「言っている情報」だけでなく「しぐさ」や「表情」、「視線」、「声の大小やトーン」といった「非言語的要素」にも注意する必要があります。よく、「面接の練習のときは、それを動画で撮影し、後で見返すとよい」と言われることが多いですが、それは主に自身のこの「非言語的要素」が適切に働いているかの確認に最適だからです。せっかくいいことを言っていても、「表情がさえない」、「話すときに相手の目を見ていない」、「緊張からか不必要な手遊びをしている」では、話の説得力も半減します。コミュニケーションとは、先に言った「聞く力」、「話す力」といった「言語的要素」だけでなく、このような「非言語的要素」もかかわってくるものであるということを、十分に自覚しておく必要があります。
まとめ ~面接試験は各々の種類によって「形式」の違いはあるが本質的に問われていることは同じである~
このように、面接試験は多種類ありますが、「面接試験の実際」を考えると、基本問われていることやその評価の対象は同じと言えます。もちろん、その試験が行われる大学や学校、学部・学科によって評価項目や対象には若干の差異があるということは考えられますが、「基本的に問われていること」は以上のものであり、それがかたちを変えていろいろな面接試験によって問われているということが言えるでしょう。
なお、面接試験の評価の実際としては、「得点化され他の試験の得点と合わせて合否判断に用いられる」場合と「得点化されない」場合とがあります。また、「得点化されない」ときは、選抜においてそこでの評価が「参考程度」に扱われる(主要な選抜評価に組み入れず、他の試験の得点の合算した際、合格のボーダーライン上に並ぶ受験生が多くいて、それだけではその中の誰を合格にするかが判断しがたいといった場合にのみ、合否判断の参考資料として見る)こともあります。この扱いは、大学や学部・学科によって異なります。詳細は、各自、志望先の大学・学校の入試要項などを確認してください。
(面接の実践練習の前にまずは基となる志望理由書がしっかり作成できていないと、十分な面接試験対策に入れません。こちらは志望理由書作成の重要ポイントをまとめた拙記事のサイトマップとなっています。)
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