心の鏡とアルジャーノン
少し前に早川書房からダニエル・キイスの「心の鏡」が復刊された。復刊自体は嬉しいのだけれど…
中学生の時、親父に「好きな短編SFは?」と聞いた。答えてくれた中に「アルジャーノンに花束を」があった。収められていたのは、アシモフ編「ヒューゴー賞傑作選vol.2」。ハヤカワ・SF・シリーズ、俗に言う「銀背」だ。当時既に絶版状態だったが、親父の本棚にはvol.1と並んでいた。もう、めちゃくちゃ感動した。最後の一行なんて、涙で文字が滲んで読めなかったぐらいだ。高校生になってSF好きの仲間ができた時、誰も知らなかったので、読ませてやろうと思って、「アルジャーノン…」を学校の図書館でこっそりコピーを撮って小冊子にして回し読みした。みんな泣いた。
長編が単行本で出たのは大学一年生の時。すぐに買って読んだが短編の、あの素晴らしい感動はなかった。僕には冗長に思えた。短編は何故出ないんだ。そう思っていたところに「心の鏡」が単行本ででた。すぐに買った。下宿先で何度も読んで泣いた。まだ「24人のビリー・ミリガン」が話題になる前でダニエル・キイス文庫なんてまだまだ先の話である。僕にとって「アルジャーノン…」は誰が何と言おうと短編(最近は中編と言われてる)なのである(あくまで個人的な感想です。すいません。)。もともと、短編が1959年に発表され、翌年にヒューゴー賞短編部門を受賞して、長編はその数年後の発表。長編はネビュラ賞を受賞してはいるが、本家は絶対に短編なのだ。なのに最近は皆が知っているのは長編ばかり。短編の素晴らしさを知ってほしいと、話が出るたびに薦めている。心の鏡もしばらく絶版だったので、お薦め貸し出し用に五冊持っている(帰ってこないのもあるけれど)。だから復刊は嬉しいのだが、短編の「アルジャーノン」が入っていることがわかりにくい。帯にちょっと書いてあるけど、こっちが本家なんだ〜。ぜひ「ダニエル・キイス短編集 アルジャーノンに花束を」という題で出して欲しい。長編には著名人の推薦がいっぱいついてるんだけど、ぜひ短編にも。帯には大傑作ってつけてください。
そして、もう一つ「是非!」。「ヒューゴー賞傑作選vol.1,vol.2」を復刊してほしい!傑作揃いだし、各作品の頭に添えられているアシモフの一文がとっても面白いのだ。
読了本
「藩邸差配役日日控」文春文庫
しみじみ。時代劇は良い。
「増補 復興の書店」岩波現代文庫
やっぱり泣けます。紙の本って、凄いと思う。
この本を読んで思ったのだが
「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている ―再生・日本製紙石巻工場―」早川書房の文庫も是非復刊してほしい。
読了後、オラが街の新刊本書店も応援しないと…と思い本屋へ。
「宇宙にヒトは住めるのか」林公代著 ちくまプリマー新書
「瞬きすら許さない」ジョー・キャラハン著 創元推理文庫
「呪いのウサギ」チョン・ボラ著 竹書房文庫
を購入。意気込みはともかく、3冊で財布がダウンしました。
イランでの戦争で原油価格高騰。きっと本代にも影響が出るんだろうな。石油だもんな。

