ショートショート「隕石の伯父さん」 ※毎週ショートショートnote9/21お題
私には伯父がいる。
ちょび髭を生やした、日に焼けた学者さん。
私の母は、10代で私を産んだから、伯父はまだそれほど年をとっていない。
「あの恐竜を滅ぼしたのは、チクシュルーブ隕石と呼ばれてメキシコに落ちたと言われている。巨大なクレーターがあって、壮観なんだ」
そんなことをまだ10代の私に訥々と語る。
この隕石オタクの学者は、こんな感じで隕石以外に興味がない。
「隕石って、他の惑星の重力に軌道を曲げられたり、引き寄せられたりして生まれる。大抵は大気圏で燃え尽きちゃうんだけど、中には大きすぎて燃え尽きずに地球に落ちるんだ」
キラキラと、少年のように目を輝かせて語る。
「隕石って、まるで人の想いみたいだよね。大抵は意に介さないけど、その人にとって大きな何かだと、燃え尽きずに心に届いてしまう」
全く意味は分からない。
分からないのだが、私の心に届き続けている。
空に眩く輝く、熱い火球が。
空ばかり見上げているこの朴念仁は、私の紅潮する頬に気付かない。
私は、もう私を産んだ母と同じ歳になったのに。
私の隕石を、どうぶつけたものか。
↓こちらの企画に参加させて頂きました。
毎週毎週、よくこんな言葉思いつくなと驚きます。
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