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フリーランスの事業計画書の書き方|融資を受けた実例と3年後の答え合わせ

こんにちは、シオです。

会社員の皆さま。

「私が売り上げたお金、会社に吸われすぎじゃない?」
「今やっている仕事、本当にこの会社で続ける必要ある?」

こんなことを考え始めたら、あなたにも独立のチャンスが訪れているのかもしれません。


ただし、勢いだけで会社を辞めるのはおすすめしません。

「とりあえず会社を辞めました」
「でも、その先は何も考えていません」

これでは、目の前に広がっているのは自由な大海原ではなく、断崖絶壁です。


まず整理してほしいのは、今の職場における自分の役割です。

あなたが普段している仕事は、会社の売上にどうつながっているのか。その売上のうち、どこまでを自分の行動で生み出しているのか。

ここを、具体的に説明できるでしょうか。


壮大な理想を語れる人は、たくさんいます。
難しいビジネス用語を並べ、立派なビジョンを語る人もいます。

しかし、事業を始めるなら、もっと現実的なことを考えなければなりません。

始めるのに、いくら必要なのか。
毎月、いくら残したいのか。
いつ売上になり、いつ入金されるのか。
どこまで自分でやるのか。
外注した方がいいことは何か。
本当に買う必要があるのか。
借りた方がいいものはないのか。

そして、そのお金を誰から頂くのか。

これらの問いに対する“答えそのもの”が、事業計画書です。


フリーランスにも事業計画書は必要なのか

フリーランスになるだけなら、ぶっちゃけ事業計画書は不要です。

開業届を出すために、事業計画書の提出を求められるわけではありません。

しかし、いざ、

「あなたの事業は、どうやって売上を作るのですか」
「毎月、いくらあれば続けられるのですか」
「なぜ、お客様は他の人ではなく、あなたに依頼するのですか」

と聞かれたとき、まったく答えられない状態では、たかがフリーランスといえど、長く続けていくのは難しいと思います。

もちろん、事業計画書を書いたからといって、事業がうまくいく保証はありません。

それでも、役に立つ場面はたくさんあります。

例えば、開業資金の融資を受けるとき。
売上が想定を下回ったとき。
仕事はあるのに、なぜか現金が足りなくなったとき。
外注すべきか、自分で続けるべきか迷ったとき。

そんなとき、事業計画書があれば、当初の想定と現実の違いを確認できます。

事業計画書は、未来を当てるための予言書ではありません。

迷ったときに立ち返るための、事業の設計図です。


フリーランスの事業計画書に書く8つの項目

一般的な創業計画書には、さまざまな項目があります。

ですが、私は次の8つを整理して考えるだけでも、十分に事業計画の土台になると思っています。

① 創業の動機

「会社を辞めたいから」ではなく、「これまでの経験を、どうやって売上につなげるのか」を書きます。

私の場合は、会社員時代から営業、構想、設計、納品までを一人で担当し、会社の売上を生み出していました。

つまり、「今まで会社の中でやっていたことを、そのまま会社の外で提供する」という形が、事業の出発点でした。


② 経歴・実績

ここでは、どんな仕事をしてきたのかではなく、「お客様がお金を払う理由」を書きます。

資格や肩書きも大切ですが、それ以上に、

どんな業界で仕事をしてきたのか
どんな成果を出してきたのか
どこまで一人で対応できるのか

これらを具体的に示す方が、事業の信用につながります。


③ 商品・サービス

「私は何を売るのか」を明確にします。

商品そのものではなく、誰の、どんな困りごとを、どのように解決するのか。

ここまで書けると、お客様にも、自分自身にも伝わりやすくなります。


④ 顧客と販売方法

商品があっても、お客様がいなければ売上にはなりません。

企業向け(BtoB)なのか。
一般消費者向け(BtoC)なのか。

既存のお客様へ販売するのか。
新規のお客様を集客するのか。

ここによって、営業方法も、単価も、大きく変わります。


⑤ 必要な開業資金

「何を買うか」ではなく、なぜ、それが必要なのか。

ここを説明できることが重要です。

私の場合は、「今まで会社の中でやっていたことを、そのまま会社の外で提供する」のが前提なので、元職場と同じ環境か、それ以上の環境を整えることは必須事項です。

だから会社員の時と同じことを、家でやれるよう、3DCADとパソコンの購入費用として日本政策金融公庫から270万円を借りて準備しました。


⑥ 売上・利益の見込み

「月100万円売りたい」

ではなく、

その金額は、

何件受注すれば達成できるのか
単価はいくらなのか
毎月どれくらい働くのか

ここまで数字に落とし込めることが大切です。

私は、時間単価と工数から逆算して、毎月の売上目標を考えていました。


⑦ 資金の調達方法

事業は、利益が出ても、手元に現金がなければ続けられません。

自己資金だけで始めるのか。
融資を利用するのか。

借りるのであれば、返済額まで含めて事業計画へ組み込みます。

資金調達も、立派な事業計画の一部です。


⑧ 取引先と入金条件

意外と見落としやすいのが、ここです。

売上はあっても、

・いつ請求するのか
・いつ入金されるのか
・着手金はあるのか

これらによって、事業の回り方は大きく変わります。

売上額だけを見るのではなく、「いつ現金になるのか」まで考えることが、事業を続ける上では欠かせません。

ここまで読むと、「考えることが多すぎる」と、
身構えてしまうかもしれません。

大丈夫です。

最初から、全ての回答を用意しようと意気込まずに
上記の8項目を更に絞って、シンプルに考えてみましょう。

①毎月、いくらお金が必要なのか
②そのお金を、誰から頂くのか
③売上は、いつ入金されるのか
④自分一人で、どこまでやるのか

最低限、この4つをきちんと考えれば
事業計画の土台はしっかりと形成されます。

ここから先は、この4つを実際に私がどのように考え、創業計画書へ落とし込んだのかを、実体験を交えながらお話ししていきます。


会社員時代、私が考えていたこと

ここで、私の話をひとつ。

私は、機械設計業を営んでいます。

マネタイズの方法は、いわゆる「時間売り」です。

会社員時代から、私はいつも、自分の仕事がいくらの売上になっているのかを考えていました。


例えば、商談が案件になるまでに1か月。

案件を受注し、20日間、1日8時間の工数をかける。
時間単価が3,500円なら、その案件の売上は56万円です。

同時に、10日間の別案件を担当すれば、こちらは28万円。
合計30日分の時間を売ると、売上は84万円になります。

実際には、毎回ここまできれいに案件がはまるわけではありません。

それでも私は、リピートのお客様を数件抱えていたため、毎月20万円前後の売上も確保していました。

一方、私の仕事で発生する主な経費は、商談にかかる工数、出張費、設計ツール代、電気代、通信費などです。

設計そのものは、基本的に私一人で行っていました。

たまに新人教育を兼ねて作図を任せることもありましたが、営業、構想、設計、組み立て、納品まで、ほとんどの工程を自分で進められます。

つまり、会社という仕組みの中にいながら、売上の大部分を自分の仕事によって生み出していました。

自分への利益を増やすには、商談にかかる時間を減らす。

できれば、商談工数の少ないリピート案件を増やし、毎月のベースとなる売上を作る。

その上で、単価の大きな単発案件をこなす。

新人には、工数のかからない基本作業だけを任せる。

そうすれば経費を抑えながら、月100万円近くまで狙えるのではないか。

大雑把ではありますが、私はいつもそんなことを考えながら仕事をしていました。

そうやって月100万円近い売上を作っても、給料になると25万円少々。

なんという事態!

そう思って、今に至る感じです。


日本政策金融公庫から270万円を借りた話

私は開業する際、日本政策金融公庫から融資を受けました。

理由は、機械設計の仕事に必要な3DCADと、それを動かすパソコンを用意するためです。

元職場でしていた仕事を、ほぼそのまま会社の外へ持ち出す形で開業するため、会社で使っていたものと同等の設計環境が必要でした。

その費用は、当初の見積もりで約230万円。

しかし、当時の私には貯金がほとんどありません。

すぐに用意するには、借りるしかありませんでした。

とはいっても、金利の高いところから借り、利息で苦しむことは避けたい。


調べた末にたどり着いたのが、日本政策金融公庫です。


結果的に私は、270万円を年利1.85%で借りることができました。

日本政策金融公庫では、創業計画書のフォーマットを無料で入手できます。

さらに、創業計画書の書き方や融資面談についても無料で相談することもできます。

私は事業計画書の添削と面談のレクチャーを、Webで2回受けました。
もちろん、無料で。

当たり前ですが、事業の中身を考えるのは自分自身です。

ですが、融資をする側が、どのような観点で計画書を見るのか。面談では何を説明すればいいのか。そうした部分を具体的に教えてもらえたことは、大きな助けになりました。


会社の中に、既に事業の原型がある

ここまで読んでお気づきかもしれませんが、これは、

「世の中にないサービスを生み出し、大成功させました」

という鮮やかな話ではありません。


私が独立して始めたのは、それまで会社で毎日していた仕事です。

既にお客様がいる。
既に売上が発生している。
必要な道具も、仕事の進め方も分かっている。

つまり、私の目の前には、既に持続可能性のある事業の原型がありました。

チャンスは、どこか遠い場所に転がっていたわけではありません。

毎日、会社でしていた仕事の中にあったのです。

「社会を変えたい」
「世界に貢献したい」

そんな冒険は、ひとまず探検家にお譲りして、最初は安全なツアー旅行から始めてもいいのではないでしょうか。

旅に必要なものは、先ほど申し上げた次の4つです。

①毎月、いくらお金が必要なのか
②そのお金を、誰から頂くのか
③売上は、いつ入金されるのか
④自分一人で、どこまでやるのか

この先では、この4つの問いに加え、私の実体験と数字を交えながら掘り下げていきます。(余談で、⑤独立前に準備しておくこともお伝えします)

最後には、私が日本政策金融公庫へ実際に提出し、融資を受けた創業計画書も掲載します。

ただの成功事例として載せるつもりはありません。

独立前に何を考え、3年間で何が計画どおりに進み、何が予想外だったのか。

私の創業計画書と、その3年後の答え合わせです。

これから独立を考えている方は、ご自身の事業計画と照らし合わせながら読んでみてください。


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