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FIREしたければ資産を売るな。借りろ。

朝、散歩してて思うんだけど、FIRE民ってどこにいるんだろう?

杖ついてる年配の人。犬連れてる人。ただ黙々と走ってる人たち。区役所の前で叫んで動画を取っている人。たまにカウボーイハットのおじさんとすれ違う。もしかしてあの人が?

どうも、散歩のたびにFIRE民を探してる信長読書です。はぐれメタルみたいに、全然見つかりません。

平日の昼間にランニングしてる人。犬の散歩してる人。たぶんあの辺りに紛れてるんだろうな、とは思う。

でも実は、見た目でわかるFIRE民なんてほとんどいない。

なぜか。本当に賢い戦略ってのは、外から見えないところでやってるから。カウボーイハットかぶって目立つようなことは、本物はやらない。

今日話すのは、その「見えない戦略」の話だ。



■ はじめに:税というルールと、正面から戦うな

孫子の兵法に、こんな言葉がある。

「戦わずして勝つ、これ善の善なる者なり」

最も優れた戦い方とは、戦わずに勝つことだ。城を攻め落とすために兵を消耗させるのは下策。最善の策は、敵が抵抗する前に勝負を決めることだと孫子は説いた。

これは現代の資産形成にも、そのまま当てはまる。

多くの人は「資産を売って生活費を作る」という方法を選ぶ。もちろん間違いではない。俺も昔はそうだった。FIREとは「資産を取り崩しながら生きること」だと、疑いもしなかった。しかし、資産を売れば利益が確定し、税金が発生する。譲渡益に約20%の税金がかかるたびに、複利で育つはずだった資産の一部が外へ流れていく。

税金は敵ではない。社会を維持するためのルールだ。ただ、ゲームを攻略するならルールを理解したほうが有利なのも事実である。将棋で桂馬の動きを知らずに戦う人がいないように、資産形成でもルールを知っている人のほうが有利になる。

今日は、資産を売らずに持ち続ける、必要な資金は借りる、新しい資産は非課税で育てる、という3つの武器を紹介したい。これは脱税でも裏技でもない。制度と仕組みを理解したうえで、合理的に行動するための考え方だ。


■ 1. 武器その1:Buy & Hold——城を壊さずに守る

最初の武器はシンプルだ。買ったら売らない。Buy & Holdである。

投資の世界では「いつ買うか」に注目が集まりやすい。しかし、本当に大事なのは「いつまで持つか」だ。

資産を売却すると、その瞬間に利益が確定する。利益が確定すれば税金も発生する。100万円の利益が出れば、およそ20万円が税金として差し引かれる。一度失われた20万円は、その後の複利運用には参加できない。つまり税金は、お金だけでなく未来の成長機会も同時に持っていく。

信長が城を簡単に壊さなかったように、投資家も簡単に資産を手放さないほうがいい。優れた資産は時間とともに育つ。売らなければ税金は発生しない。これが最初の武器だ。


■ 2. 武器その2:証券担保ローン——城を担保にして兵糧を得る

しかし、ここで疑問が出る。「売らなければ生活費はどうするのか?」

そこで登場するのが証券担保ローンだ。持っている株式や投資信託を担保にして現金を借りる仕組みである。城の石垣を売るのではなく、城を担保にして兵糧を調達するイメージだ。

借りたお金には税金がかからない。なぜなら収入ではなく借入金だからだ。資産を売れば税金が発生する。借りれば発生しない。この違いは非常に大きい。資産はそのまま保有し続けられるため、値上がり益、配当、株主優待なども引き続き受け取ることができる。

ただし、この武器は万能ではない。金利は変動する。市場が大きく下落すれば担保価値も下がる。場合によっては追加担保を求められることもある。また、生活費のすべてを借金で賄うための魔法の杖でもない。十分な資産規模があり、借入比率を低く抑えられる人ほど活用しやすい戦略だ。刀と同じで、使い方を間違えれば自分を傷つける。だからこそ慎重さが必要になる。


■ 3. 武器その3:新NISA——そもそも税が発生しない場所で戦う

3つ目の武器が新NISAだ。これまでの2つは「今ある資産を守る方法」だった。新NISAは「これから増やす資産を守る方法」である。

新NISA口座で得た利益や配当は非課税になる。通常なら約20%取られる税金が発生しない。これは税金と戦う方法ではない。そもそも税金が発生しない場所で資産を育てる方法だ。孫子の兵法で言えば、戦場そのものを選ぶ戦略である。

Buy & Holdで既存資産を守る。証券担保ローンで生活資金を調達する。新NISAで新しい資産を非課税で育てる。この3つを組み合わせることで、複利の力を最大限に活用しやすくなる。


■ まとめ:戦わずして勝つという合理性

ここまで読んで、タイトルの意味が少し見えてきたと思う。

FIREしたければ資産を売るな。借りろ。

もちろん極端な表現だ。現実には資産を売る場面もある。証券担保ローンが向かない人もいる。だが、多くの人が当たり前だと思っている「資産を売って生活する」という選択肢だけが正解ではない。

資産は持ち続ける。必要なお金は調達する。新しい資産は非課税で育てる。そんな発想も存在する。

これは単なる投資テクニックではない。人生設計の話だ。そして、この考え方を体系的に学ぶなら橘玲の本は非常に参考になる。感情論ではなく、制度やデータをもとに「どうすれば合理的に生きられるか」を教えてくれるからだ。

本当の資産は、株でも不動産でもない。あなたの時間だ。
戦わずして勝つ。
その発想を知るだけで、人生の景色は少し変わるかもしれない。


■ おすすめの4冊。人生城郭を強くする武器庫

新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方
人生設計の入門書。「黄金の羽根」とは、多くの人が気づいていない制度上のメリットのことだ。ルールを理解した人だけが拾える果実がある。まず最初に読むなら、この一冊をおすすめしたい。


幸福の「資本」論
お金だけでは幸せになれない。金融資本、人間関係資本、人的資本。人生を支える3つの資本について学べる。FIRE後の人生設計にも役立つ一冊だ。


シンプルで合理的な人生設計
世の中には複雑な問題が多い。しかし解決策は意外とシンプルだったりする。合理的な意思決定を学びたい人向け。


人生100年時代のローン活用術 有価証券ポートフォリオを活用した戦略的借入れの実践
今回のテーマの核心。証券担保ローンを実践レベルで理解したい人におすすめだ。



次回は、この記事の実践編を書く。証券担保ローンを実際に使うなら何を確認すべきか、金利や担保の掛け目まで踏み込む予定だ。見逃したくない人は、フォローしておいてほしい。

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※本記事は特定の金融商品や借入れを勧めるものではありません。投資にもローンにもリスクがあります。制度や金利の条件は変わることがあるため、最新の情報を確認のうえ、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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