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開業届を出したその日から、私は「知らないことだらけ」だと気づいた

はじめに
「開業届を出せば、個人事業主になれる」
これだけ聞くと、なんだか拍子抜けするくらい簡単そうに聞こえます。実際、書類自体はA4一枚。税務署に出すだけで、その日から「事業主」という肩書きがつきます。
でも、私はその一枚を出した"後"のほうが、何倍もややこしいということを知りませんでした。
青色申告って結局何が得なの。インボイスは登録した方がいいの、しない方がいいの。経費ってどこまで見ていいの。社会保険はこのままでいいの。そもそも、こういうことを「誰に」「いつ」聞けばよかったのか。
会社員のときは、こういう制度まわりのことは総務や経理が全部やってくれていました。個人事業主になった瞬間、それを全部自分でやることになる。しかも、誰も「まずこれとこれを見ておいて」と教えてくれません。
この連載は、副業から個人事業主になったばかりの私が、実際にぶつかった「知らなくて困ったこと」を、時系列で棚卸ししていくものです。
税理士さんが教科書的に解説する内容ではなく、開業したての人が最初の数ヶ月で実際につまずくポイントを、体験ベースで書いていきます。だから、これから開業しようとしている人にも、開業したばかりで同じように困っている人にも、役に立つはずです。
開業して最初の1ヶ月で、私が「知らなかった」と気づいたこと
具体的に何を知らなかったのか。まずは第1章として、最初にぶつかった3つの壁を紹介します。
① 「開業届を出す」と「青色申告」は別の話だった
開業届を出せば自動的に節税できる、と思い込んでいました。実際は違います。開業届はあくまで「事業を始めました」という届出。税金の計算方法を有利にするには、別の申請書を、しかも期限内に出す必要があります。
このタイミングを逃すと、初年度から得られたはずの控除を丸ごと逃すことになります。私は最初、この「別の書類が必要」という事実そのものを知りませんでした。
② 「経費にできる/できない」の境界線が、想像よりずっと曖昧だった
自宅の一部を仕事场所として使っている場合の家賃、通信費、打ち合わせがてらのカフェ代。ネットで調べると「按分すればOK」という情報は出てきますが、では実際にどう按分するのか、何パーセントなら妥当なのか、という具体的な基準はなかなか出てきません。
結局、「なんとなく大丈夫そう」で処理してしまいがちで、後から不安になる、というのを何度も経験しました。
③ 制度は「知っている人だけが得をする」設計になっている
これが一番の気づきでした。役所や制度の側から「あなたはこの制度を使えますよ」と教えてくれることは、基本的にありません。自分で調べて、自分で申請して、初めて恩恵を受けられる。逆に言えば、知らないだけで損をし続ける仕組みになっています。
これは会社員のときには実感しづらかった感覚です。
この連載でやろうと思っていること
副業や小さな個人事業を始めたばかりの人が、同じところでつまずかないように。私が実際に確認した制度や、申請の流れ、期限、判断に迷ったポイントを、この後の章で一つずつ具体的に掘り下げていきます。
次回、第2章では「①の青色申告まわり」で実際に何をどう調べて、どう申請したのかを、期限と手順込みで詳しく書いていきます。
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