脱力ビーム
仕事から帰ってきたらすぐに夕食の準備をしなくちゃいけない。何せ子供たちがお腹を空かせているんだから。
学校から帰ってきた後、私が家に帰ってくるまでの間にもちろん子供たちはおやつは食べているんだけど。
お味噌汁を先に用意すると、野菜サラダも用意しなくては。
天ぷら鍋に油を入れる。
リビングの方から子供たちの大騒ぎしている声が聞こえる。
「くらえ脱力ビームだ!ビビビビビ!」
「そんなのバリアだ!きかないぞ!」
男の子の兄弟となるとなかなかのやんちゃぶりだ。
私はその音をBGMに急いで支度をしてゆく。
下味をつけていた唐揚げをあげたらいよいよ完成だ。
キッチン周りを片付けてお皿を並べ、子供たちを呼びに行く。
「2人ともご飯できたよ!」
子供達はソファーの上で寝っ転がってゴロゴロしていた。
「もう2人とも早く手を洗って食べに来て」
すると子供たちはこっちを見上げる。
「えー、脱力ビームが当たったから動けないー!」
「俺も! 脱力ビームを跳ね返されて動けないー!」
全く、毎日 これだ。
「それじゃあ今日は唐揚げだけどママが2人の分も食べちゃっていいのかな?」
「唐揚げ!」
「やった ー」
その単語に子供たち2人は反応した。
急いで手を洗いに走ってゆく。
その様子を見て私はやれやれと思った。
少し肩の力が抜ける。
もしかして私も、脱力ビームに当たってしまったのかもしれない。
賑やかな夕食の時間が訪れた。

