〜自由研究〜コウタ編〜

🌞 夏休みの自由研究・コウタ編──
「なんで “水かお茶” がいいのか?」
訓練場の片隅シンが腕を組んで言う。
シン
「コウタは自由研究⋯何にするんだ?」
コウタ
「それなんすよね〜⋯」
コウタはふと将太を見る。
将太はシンの背中に隠れながら、
むぅ〜っと頬を膨らませている。
コウタ
「前に訓練中に将太がコッソリ、
    ジュース飲んでシン先生に叱られてたじゃん⋯
     水かお茶にしろ!ってさ」
シン
「あぁ、あったな⋯何度言っても聞かないんでな⋯」
ニック
「そう、そう⋯イジケちゃってね、家に戻って、
     シンがアイスカフェモカ作ってあげたのに、
『ダメなんだろ!』って不貞腐れてたよね〜」
将太
「もぉぉぉーーーー!イイだろぉぉぉぉーーーー!
     それぇぇぇぇーーーーー!」
コウタ
「いや、そうじゃなくてさ⋯
     体に与える影響っていうか⋯暑い時とか⋯熱中症とか⋯
     体の中で何が起こってるのか⋯
     なんで水かお茶がイイのか⋯
     それを自由研究にしようかな⋯俺⋯」
シン
「なるほどな⋯夏にピッタリだな⋯よし⋯大事な事だからな⋯         お前らにも教えておくか⋯」
将太はシンの服をぎゅっと掴んでいる。
シン先生の「体の中で何が起こってるか講座」
シンは地面に棒で図を描き始める。
「まずな⋯暑い時や運動して汗を大量にかいた時、
     体の中では “水分” と “塩分(ミネラル)” が
     どんどん失われるんだ」
ミネラル不足⋯血液がドロッとして流れにくくなる、
                            体温調整がうまくできなくなる
                            めまい・だるさ・頭痛が出る最悪、熱中症になるシン
「汗ってただの水じゃない。
    “体を動かすための成分” が一緒に出ていくんだ。
      だから水分だけじゃなく、
      ミネラルも補給しないといけない」
将太
「みねらるってなにぃ〜?」
ニックが将太の頭をぽんぽん。
「体の中の “電気の流れ” を整えるやつ 
     これがないとねぇ〜、筋肉も動かないし、
     頭も働かない」
ニック先生の「甘い飲み物がダメな理由講座」
ニックがホワイトボードを取り出して、
なぜかテンション高めに説明を始める。
「甘いジュースを飲むとねぇ〜、
     体は “糖” を処理するために水分を使うんだ
     だからねぇ〜、余計に喉が乾く」
 甘い飲み物の影響⋯糖を分解するために体内の水分が使われる                                          血糖値が急に上がって、
                                      逆に疲れやすくなる
                                       胃に負担がかかって、
                                        気持ち悪くなることも
                                        水分補給にならず、
                                        熱中症リスクが上がる
ニック
「つまりねぇ〜♪
     “飲んだ気になるだけ” で、体は全然助かってないんだ」
シン
「しかも甘い飲み物は吸収が遅い。
     体が欲しがってる “水分とミネラル” がすぐ補給できないんだ」将太
「じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     ジュースのんだらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
      もっとのどかわくのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?」
ニック
「そうだよぉ〜♡
     だからねぇ〜、暑い時は水かお茶が一番なんだ♪」
 コウタの自由研究テーマ、決定
「なるほど⋯
     体の中で何が起きてるか、ちゃんと理由があるんだな⋯
      これ、自由研究にするわ。
       “甘い飲み物と熱中症の関係” ってやつ」
シン
「いいテーマだ。
     夏に大事な知識だし、みんなの役にも立つ」
ニック
「コウタはねぇ〜、こういうの向いてるかもね♪
      まとめるの手伝ってやるよ♪」
将太
「おれもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
     みずのむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「お前はまず “ジュース隠れて飲むのやめろ” 」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」

「……夏の自由研究、騒がしいな」
ジン
「でも、いいテーマだな」
🌞 「体の中で何が起きているのか」をさらに深く──
訓練場・夕方シンが地面に描いた図をさらに広げ、
コウタ・ニック・将太・ジン・翼が円になって座る。
シン
「じゃあ続きだ。
     暑い時、体の中で何が起きてるか⋯もっと深く話すぞ」
将太はシンの膝に座りながら、真剣な顔で聞いている。
① シン先生:体温が上がると“脳”がどうなるか
「まずな⋯体温が上がると、脳は “ヤバいぞ” って信号を出す。
     その時に使われるのが “自律神経” だ」
自律神経の働き⋯体温を下げるために汗を出す
                                 血管を広げて熱を逃がす
                                 心拍数を上げて血流を早くする
シン
「でもな、汗を出しすぎると水分もミネラルも減る。
    そうすると自律神経が “空回り” するんだ」

「空回りって、どうなるんだ?」
シン
「体温を下げようとして汗を出すけど、
     体はもう水分が足りないから汗が出ない。
     でも脳は “出せ!” って命令する。
      そのズレが熱中症の始まりだ」
将太
「ずれるのぉ〜?」
ニック
「そう! 体の司令塔が混乱しちゃうんだ〜」
 ② ニック先生:汗の  “質” が変わる話
「汗ってねぇ〜、最初は “サラサラ” なんだ
     でもねぇ〜、水分が足りなくなると “ベタベタ” になる」
 汗の変化
サラサラ汗:体温調整が正常
ベタベタ汗:ミネラル不足で汗の成分が変化
ベタベタになると熱が逃げにくくなる
ニック
「つまりねぇ〜
     汗がベタベタになったら “危険信号” なんだよ〜」
コウタ
「なるほど⋯自由研究に書けるな⋯」
③ シン先生:血液がどう変わるか
シンは地面に “血管” の図を描く。
シン
「汗で水分が減ると、血液は “濃くなる”。
    濃くなると流れが悪くなる。
    すると心臓は “もっと送れ!”って頑張る」
血液が濃くなる影響⋯心臓に負担がかかる
                                         めまい・頭痛が起きる
                                         体温がさらに上がる最悪、
                                         意識が遠のく
シン
「だからな⋯水分補給は “血液を薄める” ためでもあるんだ」
ジン
「血液が濃くなるって、怖いな」
シン
「怖いぞ。
     だから “喉が渇いてから飲む” じゃ遅いんだ」
 ④ 甘い飲み物を飲むと何が起きるか
ニック
「甘い飲み物はねぇ〜
     体が “糖を処理するモード” に入っちゃうんだ
     そうするとねぇ〜、水分がそっちに使われちゃう」
 糖の処理で起きること⋯水分が消費される
                                             血糖値が急上昇
                                             体が “ 疲れモード” になる
                                             さらに喉が乾く
シン
「つまり甘い飲み物は “水分補給の邪魔” をするんだ」
将太
「じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
    ジュースのんだらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     つかれちゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?」
ニック
「そうだぞ〜
     だからねぇ〜、暑い時は水かお茶なんだ」
 ⑤ シン先生:熱中症を防ぐ “3つの鉄則”
シンは指を3本立てる。
1️⃣ こまめな水分補給!
      喉が渇く前に飲む。汗をかいたらすぐ飲む。
2️⃣ ミネラル補給スポーツ時は塩分タブレットや経口補水液。
3️⃣ 体を冷やす首・脇・太ももの付け根を冷やすと効率的。
シン
「この3つを守れば、熱中症はかなり防げる」
コウタ
「めっちゃ分かりやすい⋯
      これ、自由研究にまとめるわ。
        図も描いて、実験もしてみる」
ニック
「コウタはねぇ〜こういうの得意だろ〜♪」
将太
「しょーたもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
     みずのむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「お前はまず “隠れてジュース飲むのやめろ” 」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」

「……夏の講座、騒がしいな」
ジン
「でも、いい勉強になったな」
❄️ ニック先生の「体を冷やす講座」──
ガーディアン・ヘックスの夏の特別授業・開幕──
訓練場・夜夕方の熱気がまだ残る訓練場。
ニックがなぜかクーラーボックスを抱えて登場する。
「はぁ〜い♡ みんなぁ〜♡
     今日はねぇ〜、“体を冷やす方法” を教えるぞ〜
      夏はねぇ〜、冷やし方を間違えると
       逆に疲れちゃう」
シン
「……お前、なんでそんなに張り切ってるんだ」
ニック
「だってぇ〜
     将太がまたジュース飲んで熱中症になったら
      困るでしょぉ〜」
将太
「のんでないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」

「声がデカい」
① 冷やすべき場所
ニックはホワイトボードに体の絵を描く。
「まず、体を効率よく冷やすには “冷やす場所” が
      大事〜」
冷やすべき3点
首の後ろ(太い血管が通ってる)
脇の下(体温を下げるスイッチ)
太ももの付け根(大動脈が近い)
ニック
「ここを冷やすとねぇ〜、体の“中心の温度”が下がるんだ
     表面だけ冷やしても意味ない」
シン
「氷を握るだけじゃ足りないぞ。
     “血流が多い場所” を冷やすのがコツだ」
コウタ
「なるほど……自由研究に書けるな」
② 冷やし方の種類
ニックがクーラーボックスを開ける。
「今日はねぇ〜
    いろんな冷やし方を持ってきた」
冷やし方一覧
冷たいタオル
保冷剤
氷水に浸した布
冷たい飲み物(ただし水かお茶)
扇風機+濡れタオルニック
「扇風機だけだとねぇ〜、汗が蒸発して涼しいだけ〜
    濡れタオルを合わせると “気化熱” で体温が下がるんだ」
将太
「きかねつってなにぃ〜?」
シン
「水が蒸発する時に熱を奪う現象だ。
    お前のプリンが溶けるのと同じだ」
将太
「ぷりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん♡」

「例えが雑だろ」
③ やってはいけない冷やし方
ニックは真剣な顔になる。
「これはねぇ〜、絶対覚えてほしい事」
NG行動急に氷水を浴びる → 心臓に負担
冷たい飲み物を一気飲み → 胃がびっくりして逆に疲れる
冷房を強くしすぎる → 自律神経が乱れる
甘い冷たい飲み物を飲む → 体が “糖処理モード” になって
余計に暑くなる
シン
「体を冷やすのは “ゆっくり” だ。
    急激な変化は体がついていかない」
コウタ
「なるほど……これも研究に入れよう」
④ 実演:ニック先生の “正しい冷やし方”
「じゃあねぇ〜♡
     将太で実験するのぉ〜♡」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
シン
「お前はちょうどいい例だ。座れ」
将太はシンの前に座らされる。
実演内容
首の後ろに冷たいタオル
脇の下に保冷剤
太ももの付け根に冷えた布
その間に “常温の水” を少しずつ飲む
ニック
「ほらぁ〜
    これが一番効率いいんだ 」
将太
「きもちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」

「……すぐ効果出るんだな」
シン
「体の中心を冷やすと早いんだ」
⑤ コウタ
「これ、めちゃくちゃ自由研究に使える……
     図も描けるし、実験もできるし……
     ニック先生、写真撮っていいっすか?」
ニック
「もちろんぉ〜♡
    コウタはねぇ〜、こういうのまとめるの上手だよね〜」

「将太の写真はやめとけ」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡
     とるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
 シン先生の「熱中症の初期症状」講座──
“気づけるかどうか” が命を守る──
訓練場・夜夜風が少しだけ涼しくなった頃。
シンが真剣な顔で、みんなを呼び集める。
「今日は “熱中症の初期症状” について話す。
     気づくのが早ければ、重症化を防げる。
     お前ら、ちゃんと覚えておけ」
将太はシンの腕にしがみつきながら、
「こわいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」
と震えている。
ニック
「大丈夫〜♪
     怖い話じゃなくて、“守るための知識” 」
 ① 初期症状:脳のサイン
シンは地面に脳の図を描く。
「まず最初に出るのは “脳の異変” だ。
     体温が上がると、脳は “危険だ” と信号を出す」
初期の脳のサイン
ぼーっとする
集中できない
いつもより反応が遅い
軽い頭痛
コウタ
「授業中に眠くなるのとは違うんすか?」
シン
「違う。
     “急に” ぼーっとしたり、
      “急に” 頭が重くなるのが特徴だ」
将太
「しょーた、いつもぼーっとしてるぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「それはただの性格だろ」
 ② 初期症状:汗の変化
ニックが将太の頭をぽんぽんしながら説明する。
「汗はねぇ、
     体の状態を教えてくれるんだ」
汗の初期サイン
汗が急に止まる
ベタベタしてくる
いつもより汗の量が多い
ニック
「汗が止まるのはねぇ〜、
    体がもう “水分が足りないよぉ〜” って言ってるって事」
ジン
「汗が出ないって、逆に涼しいんじゃないのか?」
シン
「違う。
    汗が出ないのは “体温調整が壊れた” 状態だ。
     危険だぞ」
③ 初期症状:心臓のサイン
シンは胸のあたりを指差す。
「水分が足りなくなると、血液が濃くなる。
    すると心臓は “もっと送れ!” と頑張る」
心臓の初期サイン
ドキドキが速くなる
息がしづらい
胸が重い感じがする
コウタ
「運動してる時のドキドキとは違うんすか?」
シン
「違う。
    “休んでるのにドキドキする” のが危険だ」
将太
「しょーた、どきどきするぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「それはシンに怒られる時だろ」
④ 初期症状:体のサイン
ニックが体の絵を描く。
体の初期サイン
めまい
立ちくらみ
手足がだるい
顔が赤いのに汗が出ない
吐き気
ニック
「これが出たらねぇ〜
     すぐに休まないとね
     “まだいける” って思うのが一番危ない」
シン
「無理をするな。
    熱中症は “気合い” ではどうにもならん」
 ⑤ 初期症状が出たらどうするか
シンが指を3本立てる。
1️⃣ 涼しい場所へ移動
日陰・風通しの良い場所へ。
2️⃣ 水分補給
常温の水か経口補水液を少しずつ。
3️⃣ 体を冷やす
首・脇・太ももの付け根。
シン
「初期症状のうちに対処すれば、重症化は防げる。
     気づくことが一番大事だ」
コウタ
「これ……自由研究の “まとめ” に使える……
     初期症状の表も作れるし……
      シン先生、めっちゃ助かります」
ニック
「コウタはねぇ〜
    ほんとに研究者向きかもね」
将太
「しょーたもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
    きづけるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「お前は俺が見てるから大丈夫だ⋯
     シッカリ叱ってやるからな!」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
ニック先生の「熱中症が重症化する仕組み」講座──
“どこで危険が加速するのか” を分かりやすく──
訓練場・夜⋯月が出て、少し涼しくなった頃。
ニックがホワイトボードを抱えて登場する。
「はぁ〜い♡みんなぁ〜♡
     今日はねぇ〜、“熱中症が重症化する仕組み” を
      教えるからねぇ〜♪
      初期症状を知ってても、
      “どこから危険になるか” を知らないと守れないだろ?」
シン
「……お前が説明するのは珍しいな」
ニック
「だってぇ〜♡
     将太がまたジュース飲んで倒れたら困るでしょぉ〜」
将太
「のんでないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」

「声がデカい」
① 血液の異常が始まる
ニックは血管の絵を描く。
「まずねぇ〜♡
    水分が足りなくなると、血液は“ドロドロ”になる。
     これがねぇ〜、重症化のスタートなんだ」
血液がドロドロになると
心臓が無理して血液を送ろうとする
血流が遅くなり、
体温がさらに上がる
脳に十分な血が届かなくなる
シン
「血液が濃くなると、体の “冷却システム” が壊れる。
     ここから一気に危険度が上がるぞ」
ジン
「血液ってそんなに影響するんだな……」
 ② 脳がオーバーヒートする
ニックが脳の絵を描く。
「脳はねぇ〜
    体温が上がると “冷やせ!” って命令するんだけど、
    でもねぇ〜、水分が足りないと汗が出ない
     そうするとねぇ〜、脳がパニックになる」
脳の重症化サイン
意識がぼやける
言葉が出にくくなる
ふらふら歩く
返事が遅い
シン
「脳が正常に働かなくなると、
     “自分で危険を判断できなくなる”。
     これが重症化の最大のポイントだ」
コウタ
「なるほど……自由研究に書ける……」
③ 内臓がダメージを受け始める
ニックはお腹の絵を描く。
「体温が上がりすぎると
    内臓が “熱で弱る” んだよ。
    特にねぇ〜、肝臓と腎臓がダメージを受ける」
内臓が弱ると体の毒素を処理できなくなる
水分の調整ができなくなる
吐き気・嘔吐が出る
体温がさらに上がる悪循環に入る
シン
「ここまで来ると、もう “休めば治る” 段階じゃない。
     医療が必要だ」

「……怖いな」
④ 体温が40℃近くまで上がる
ニックが体温計の絵を描く。
「重症化すると
    体温が “40℃近く” まで上がるんだ。
    これはねぇ〜、体のタンパク質が壊れ始める温度!」
体温が危険域に入ると筋肉が動かなくなる
意識がなくなる
けいれんが起きることもある
命の危険が出る
シン
「体温が40℃に近づくと、
     体はもう “自力で回復できない”。
     ここが重症化の最終段階だ」
ジン
「……そこまで行く前に気づかないとダメだな」
⑤ 重症化の流れまとめ
ニックがホワイトボードにまとめを書く。
重症化の流れ
水分不足 → 血液が濃くなる
脳がパニック → 意識がぼやける
内臓が弱る → 吐き気・だるさ
体温が急上昇 → 40℃近くに
意識障害・けいれん → 命の危険ニック
「だからね⋯初期症状のうちに対処するのが大事!!」
シン
「 “気づくこと” が命を守る。
     お前ら、絶対に覚えておけ」
コウタ
「これ……自由研究の “重症化の章” に使える……
      図も描けるし、流れも分かりやすい……
      ニック先生、最高っす」
ニック
「コウタはねぇ〜
    ほんとに研究者向きだな」
将太
「しょーたもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
     じゅうしょうかしないぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」
シン
「俺の言う事聞かないと⋯病院だぞ⋯」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
🛡️ シン先生の「熱中症の応急処置」講座──
“その場でできる命を守る行動” を教える──
訓練場・夜夜風が少しだけ涼しくなった頃。
シンが真剣な顔で、みんなを呼び集める。
「今日は “熱中症の応急処置” について話す。
     重症化の仕組みはニックが説明したが、
     “どう対処するか” を知らなければ意味がない。
     覚えておけ」
将太
「こわいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」
ニック
「大丈夫〜
    怖い話じゃなくて、“守るための知識” だからな」
 ① まず最初に確認すること
シンは指を一本立てる。
「熱中症かもしれないと思ったら、
    まず “意識” を確認するんだ」
意識チェック
呼びかけに反応するか
返事ができるか
ふらついていないか
シン
「意識がはっきりしていれば、応急処置ができる。
     反応が鈍い場合は、すぐに医療が必要だ」
コウタ
「なるほど……最初に見るのはそこなんすね」
② 涼しい場所へ移動
ニックが扇風機を持ってくる。
「まずは〜
     “暑さから離れる” 事だね
      これだけで体温の上昇が止まるでしょう」
移動する場所
日陰
風通しの良い場所
冷房のある室内
シン
「直射日光の下にいるだけで体温は上がる。
     まずはそこから離れろ」
将太
「しょーた、ひかげすきぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」

「お前はただの怠け者だろ」
③ 水分補給:飲ませ方が大事
ニックが水筒を振る。
「水分はねぇ〜
    “ちょっとずつ”飲む
     一気飲みはダメな」
正しい水分補給常温の水経口補水液少しずつ、
ゆっくり飲む甘い飲み物は絶対に避ける
シン
「胃に負担をかけないように、少量ずつだ。
     一気に飲むと吐き気が出る」
将太
「じゅーすはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
シン
「飲むな!!」
 ④ 体を冷やす:冷やす場所が重要
ニックが保冷剤を取り出す。
「冷やす場所はねぇ〜
     “血流が多いところ” 」
冷やすべき場所
首の後ろ
脇の下
太ももの付け根
シン
「ここを冷やすと、体の中心温度が下がる。
     表面だけ冷やしても意味がないぞ」
コウタ
「これ、自由研究に図で描ける……」
⑤ 衣服をゆるめる
ニックが将太の服を引っ張る。
「体を締め付けてるとねぇ〜
     熱が逃げない」
やること
首元をゆるめる
ベルトを少し緩める
服を風通しよくする
シン
「呼吸がしやすくなるし、熱も逃げやすくなる」
将太
「しょーた、ゆるゆるすきぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」

「お前はただのだらしないやつだろ」
⑥ 意識がない場合:すぐに救急要請
シンの声が少し低くなる。
「もし呼びかけに反応しない、
     返事ができない、
     けいれんがある……
     その場合は “迷わず救急車だ” 。」
救急要請の目安
意識がない
返事ができない
体温が高いまま下がらない
吐き気が強い
けいれん
ニック
「これはねぇ〜
    “応急処置ではどうにもならない段階” なの
      勝手な処置をしないように!!」
ジン
「……判断が大事だな」
⑦ 応急処置の流れまとめ
シンがホワイトボードにまとめを書く。
応急処置の流れ
意識を確認する
涼しい場所へ移動
水分を少しずつ補給
首・脇・太ももを冷やす
衣服をゆるめる
改善しなければ救急要請
シン
「この流れを覚えておけば、
     熱中症から命を守れる。
     お前ら、絶対に覚えておけ」
コウタ
「これ……自由研究の “応急処置の章” に使える……
     図も描けるし、流れも分かりやすい……
      シン先生、ありがとうございます」
ニック
「うん、うん♪
     くれぐれも勝手な判断しないようにね!」
将太
「しょーたもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
     おうきゅうしょちできるぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「お前には無理だ⋯」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
🍉 将太「ジュースじゃないもん!」事件──
スイカバーが “水分補給扱い” になると思っている少年と、
絶望するシン──
訓練場・昼⋯熱中症講座が終わった直後。
みんなが水筒を持って水を飲んでいる中──
将太だけ、なぜか背中に何か隠している。
シン
「……将太。何を隠してる」
将太
「なんにもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♡」
コウタ
「いや、絶対なんか持ってるだろ」

「その “バレてないと思ってる顔”、いつもやるよな」
ジン
「出せ」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
しかし次の瞬間──将太は勢いよく掲げた。
 堂々とスイカバーを掲げる将太
「ジュースじゃないもん!!
     スイカバーだもん!!
     コレはスイカなのぉぉぉぉーーーーーー!!
      水分補給にイイって言ったぁぁぁぁぁーーーーーー!!」
シン
「……は?」
ニック
「あ〜……確かに言ったけどねぇ〜……
     “スイカは水分補給にいい” って……
      でもそれ、アイスじゃないよ……?」
将太
「アイスじゃないもん!!
    スイカだもん!!
     スイカはフルーツ!!
     フルーツは水!!
      だから水分補給ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
コウタ
「いや……それ……どう見ても……」

「アイスだろ」
ジン
「棒ついてるしな」
 シン、ついに爆発
「お前は⋯話聞いてなかったのかぁぁぁぁぁぁーーーーー!!
     水かお茶!!
      アイスじゃねぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!!」
将太
「ちがうもん!!
    アイスじゃないもん!!
    スイカバーだもん!!
    スイカは水分!!
    だからセーフぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「セーフじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
    それはアイスだろ!!
     っつーか⋯どっから持ってきた!?」
将太は指をさす。
売店のオバチャン
「にこっ」
シン
「……おい」
 シン、売店へ走る
シンはため息をつきながら、
頭を押さえて売店へ走っていく。
ニックは苦笑いしながら言う。
「お金⋯払ってないよねぇ〜」
コウタ
「やっぱりか!」

「将太……お前……」
ジン
「またシンが謝りに行くのか……」
将太
「しょーたはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     スイカたべたいだけなのぉぉぉぉぉぉぉぉ♡」
コウタ・翼・ジン
「「「いや食うな!!」」」
みんな爆笑。
 シン、売店へ謝罪に走る──スイカバー事件の後始末編──🏃訓練場から売店へ
将太がスイカバーを掲げて叫んだ瞬間、
シンの眉がピクッと跳ね上がった。
「……どっから持ってきた!?」
将太
「オバチャンがくれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡」
売店のオバチャン
「にこっ」
シン
「……おい」
ため息をつきながら、
シンは売店へ向かって走り出した。
ニック
「お金⋯払ってないよねぇ〜」
コウタ・翼・ジン
「「「絶対払ってない!!」」」
将太
「しょーたはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     スイカたべたいだけなのぉぉぉぉぉぉぉぉ♡」
売店のオバチャン、満面の笑み
売店に到着したシンは、息を整えながら頭を下げた。
シン
「すみません……うちのが……また勝手に……」
オバチャン
「あら〜〜いいのよ〜〜!
    将太ちゃん、かわいいからサービスしちゃったの〜〜!」
シン
「サービス……ですか……」
オバチャン
「だってねぇ〜
     “スイカは水分補給にイイんだよね!?
      じゃあコレは水分!!”って言うんだもの〜〜!」
シン
「いや……それは……アイスで……」
オバチャン
「でもスイカ味よ〜〜?」
シン
「味の問題じゃないんです……」
オバチャン
「将太ちゃん、喜んでたわよ〜〜♡
     “しょーたはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     すいかみずぶんほきゅうぅぅぅぅぅぅ♡”って」
シン
「……言ってましたね……」
 シンは静かに財布を取り出した。
シン
「とりあえず……代金を……」
オバチャン
「いらないわよ〜〜!
     将太ちゃん、今日も頑張ってたし〜〜!」
シン
「いや……それでは……教育にならないので……」
オバチャン
「じゃあ半額でいいわ〜〜♡」
シン
「……ありがとうございます……」
シン、帰還
訓練場に戻ると、みんながニヤニヤしながら待っていた。
コウタ
「先生、どうでした?」
シン
「半額になった……」

「優しいな、オバチャン……」
ジン
「将太、得してるな……」
ニック
「将太はねぇ〜♡
      愛されキャラなのぉ〜♡」
将太
「しょーたはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     すいかみずぶんほきゅうぅぅぅぅぅぅ♡
      だからセーフぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「セーフじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
     水かお茶!!
      スイカバーはアイス!!
       覚えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
コウタ・翼・ジン
「「「あははははははは!!!」」」
ニック
「まぁまぁ〜♡
     今日も平和なのぉ〜♡」
 将太
「スイカは飲み物だもん!!」事件──
理論武装した将太 vs 理性で戦うシン──
シーン:訓練場・午後熱中症講座が終わり、みんなが水を飲んでいる中──
将太だけ、スイカバーを大事そうに抱えている。
シン
「……まだ食ってんのか」
将太
「しょーたはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     スイカは飲み物だと思ってるぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「いや思ってるじゃなくて、思い込んでるだろ」
ジン
「また始まったな……」
コウタ
「先生、今日の講座の意味……」
シン
「もう分かってる……無駄だった……」
将太、堂々と “スイカ飲料理論” を展開
将太はスイカバーを掲げて、
まるで学会発表のように胸を張る。
将太
「スイカはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     90パーセントが水なのぉぉぉぉぉぉぉぉ♡
      だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
       スイカ=水なのぉぉぉぉぉぉぉぉ♡
       つまりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
       スイカバー=水分補給なのぉぉぉぉぉぉぉぉ♡」
ニック
「まぁ……確かにスイカは水分多いけどねぇ〜♡
     でもそれ、アイスなのぉ〜♡」
将太
「アイスじゃないもん!!
     スイカだもん!!
     スイカは飲み物!!
     だから水分補給ぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「いや飲み物じゃないだろ」
ジン
「噛んでる時点で飲み物じゃない」
コウタ
「棒ついてるし」
将太
「棒はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     持ちやすいだけなのぉぉぉぉぉぉぉぉ♡
      飲み物の形が変わっただけなのぉぉぉぉぉぉ♡」
 シン、ついに怒鳴るシン
「お前はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
      話聞いてなかったのかぁぁぁぁぁぁーーーーー!!
      水かお茶!!
      スイカバーはアイス!!
      飲み物じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
将太
「ちがうもん!!
     スイカは飲み物だもん!!
      スイカバーはスイカだもん!!
      だから飲み物ぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「飲み物じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ニック
「まぁまぁ〜♡
     将太はねぇ〜、自分の世界が強いのぉ〜♡」

「強すぎるだろ」
ジン
「もはや哲学だな」
コウタ
「“スイカは飲み物” 理論……自由研究に使えないかな……」
シン
「使うな!!」
将太、さらに理論を深める将太
「しょーたねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
     スイカはねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
      かむとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
      じゅわぁぁぁぁぁぁぁぁ♡ってなるのぉぉぉぉぉぉ♡
      じゅわぁぁぁぁぁ♡は水なのぉぉぉぉ♡
      だから飲み物ぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「いやそれは果汁だろ」
ジン
「飲み物とは言わない」
コウタ
「先生、これ止められます?」
シン
「無理だ……」
ニック
「将太はねぇ〜♡
     “自分が正しい世界” で生きてるのぉ〜♡」
将太
「しょーたのせかいはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     すいか=のみものなのぉぉぉぉぉぉ♡」
みんな爆笑コウタ
「もういいや……飲み物でいいよ……」

「いやよくないだろ」
ジン
「でも面白いからいいか」
ニック
「今日も平和なのぉ〜♡」
シン
「平和じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
    水を飲めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡
      すいかがいいぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」
 ニック先生の「フルーツと水分補給の違い」講座──
“スイカ=飲み物”理論を完全に論破するための授業──
訓練場・夕方
将太がスイカバーを掲げて
「飲み物だもん!!」
と叫んだ翌日。
シンは疲れ切った顔で座り込み、
ニックがホワイトボードを持って登場する。
「はぁ〜い♡今日はねぇ〜、
     “フルーツと水分補給の違い” を説明するねぇ〜♡
      将太のためにねぇ〜♡」
将太
「しょーたはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
     すいか=のみものだと思ってるぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「……だからそれを直すための授業だ」

「先生、頑張れー!」
ジン
「もうこれ、自由研究より難しいだろ」
コウタ
「将太の脳に届く説明……できるかな……」
① フルーツは “食べ物” であって飲み物ではない
ニックはスイカの絵を描く。
「まずねぇ〜♡
     フルーツは “食べ物” なのぉ〜♡
     水分は多いけどねぇ〜、
      “噛まないと食べられない” でしょう?」
フルーツの特徴噛む必要がある
食物繊維が多い
消化に時間がかかる
水分はあるけど “吸収がゆっくり”
ニック
「飲み物はねぇ〜
    噛まないのぉ〜
     そのまま胃に入って、すぐ吸収される」
将太
「でもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
     すいかはぁぁぁぁぁぁぁぁ
      じゅわぁぁぁぁぁ♡ってなるぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「それは果汁だ!!飲み物じゃない!!」
② 水分補給は “吸収速度” が命
ニックは胃の絵を描く。
「水分補給はねぇ〜
    “どれだけ早く体に吸収されるか” が大事なんだ」
水分補給のポイント
胃に負担をかけない
すぐ血液に吸収される
体温を下げるのに使われる
体の水分バランスを整える
ニック
「フルーツはねぇ〜♡
     消化してからじゃないと吸収されないんだ
      だから “水分補給としては遅い” 」
将太
「すいかはぁぁぁぁぁぁぁぁ
     すぐしゅうちゅうされるぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「されねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
    シュウチュウじゃなくて吸収な!」
③ スイカバーは “アイス” であってスイカではない
ニックはスイカバーの絵を描く。
「スイカバーはねぇ〜
    “スイカ味のアイス” 
     スイカじゃないよぉ〜!」
スイカバーの特徴
冷たいだけ
糖分が多い
水分補給にならない
食べると体が “糖処理モード” になる
余計に喉が乾く
ニック
「つまりねぇ〜♡
    スイカバー=水分補給じゃない
     ただのアイスなんだよ〜」
将太
「アイスじゃないもん!!
    すいかだもん!!
    すいかはのみもの!!
     だからすいかばー=のみものぉぉぉぉぉ♡」
シン
「違うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
 ④ フルーツは “補助”、水は “本体”
ニックは水とスイカを並べて描く。
「フルーツはねぇ〜
     “水分補給の補助” なんだ
      メインじゃないんだよ」
役割の違い
水・お茶 → 体がすぐ使える水分
フルーツ → 栄養や糖分、少しの水分
アイス → ただの嗜好品
ニック
「だからねぇ〜♡
    “水分補給=水かお茶” なのぉ〜
      フルーツはおまけなのぉ〜」
将太
「すいかはぁぁぁぁぁぁぁぁ
    おまけじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ♡
     しょーたのメインなのぉぉぉぉぉぉ♡」
シン
「知らん!!水を飲め!!」
 みんな爆笑コウタ
「先生……もう無理じゃないですか……」

「将太の世界、強すぎる」
ジン
「スイカ=飲み物理論、崩れないな……」
ニック
「まぁまぁ〜♡
    将太はねぇ〜、かわいいから許されるのぉ〜♡」
将太
「すいかはのみものぉぉぉぉぉぉ♡
     すいかばーものみものぉぉぉぉぉぉ♡」
シン
「違うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
     水を飲めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
 シン、ついにブチ切れる──
“スイカは飲み物” 理論を粉砕するための、
愛の雷──訓練場の端で、シンが将太の腕をつかんだ。
その顔はもう限界を超えていた。
シン
「来い」
将太
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ♡」
みんなが見守る中、
シンは将太を連れて少し離れた場所へ。
そして──
遠くからでも聞こえるほどの怒号が響いた。
シン
「お前はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
      話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
      水分補給は水かお茶!!
      スイカバーはアイス!!
      飲み物じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
将太
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡」

「……あれは本気だな」
ジン
「将太、完全に終わったな」
コウタ
「先生、ついにキレた……」
ニック
「まぁ〜♡
    仕方ないのぉ〜♡
    将太は強情なのぉ〜♡」
数分後──シンが戻ってきた。
その腕の中には──目を真っ赤にして泣いている将太。
将太
「ひっく……ひっく……
     しょーた……もう……すいか……のまないぃぃぃぃ……」
シンは疲れ切った顔でため息をつく。

「シン……ご苦労さま……」
シン
「理屈が通用しねぇ〜からな……
     苦労したが……何とか納得させた……」
ニック
「お疲れなのぉ〜♡」
 シン、将太に “特製の水” を飲ませる
シンは水筒を開けて、
将太の口元にそっと当てる。
シン
「ほら……コレなら飲めるだろ……」
将太は涙を拭きながら、ゴクゴクと飲み始めた。
将太
「……いい香り〜♪」
シン
「レモンを入れてある。
     香りがついてるからな……コレなら飲めるな?」
将太
「のめるぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シンはようやく少し笑った。
みんなも飲んでみるニック
「先生〜♡
     それ、みんなも飲んでいいのぉ〜?」
シン
「……あぁ。作りすぎた」
コウタ
「やった!」

「いただく」
ジン
「どれどれ……」
みんなが一口飲んだ瞬間──
目を見開いた。
コウタ
「うまっ……!」

「香りがすごい……」
ジン
「飲みやすい……体にスッと入る……」
ニック
「流石〜♡
    シン先生〜♡」
シン
「……まぁ、将太が飲むならそれでいい」
将太
「しょーた……これすきぃぃぃぃぃぃぃぃ♡
     みず……のめるぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
シン
「最初から飲め」
みんな
「「「あはははははは!!!」」」
 将太、また “自分に都合のいい解釈” を発動──
レモン水から始まり、
桃水→ジュース水→地獄の振り出しへ──
訓練場・午後昨日、シンが泣くほど叱って
ようやく “水を飲む” と納得した将太。
しかし──その理解は、やっぱりズレていた。
将太
「レモン入れると美味しい〜♪
     じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……
     もも入れたらもっと美味しいぃぃぃぃぃぃ♡」

「……嫌な予感しかしない」
ジン
「また始まったな」
コウタ
「先生、昨日の努力……」
シン
「……嫌な予感しかしない」
将太、桃を入れる
将太は水筒に桃をゴロッと入れた。
将太
「ももみずぅぅぅぅぅぅぅぅ♡
     これも水ぅぅぅぅぅぅぅぅ♡
      だってももはフルーツ!!
      フルーツは水!!
       だから水ぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「いや違うだろ」
ジン
「昨日の講座どこ行った」
コウタ
「先生……これ止められます?」
シン
「無理だ……」
そして──ジュースを入れ始める将太
「もっとおいしくしたいぃぃぃぃぃぃ♡
     じゃあジュース入れるぅぅぅぅぅぅ♡
      ジュース+水=みずぅぅぅぅぅぅ♡
       だから水ぅぅぅぅぅぅ♡」

「いやいやいやいや!!」
ジン
「屁理屈すぎるだろ!!」
健太
「そりゃ、そうだよな……屁理屈じゃん……」
ニックは口元を押さえて笑いをこらえている。
「クスクス……
     前にもねぇ〜♡
     ジュースと水混ぜて飲んでて、
      シンにメッチャ怒られてたのにねぇ〜♡」
コウタ
「シン先生……マジで大変だな……」
クロン
「まぁね……大変だよな……」
シン、再びブチ切れる
シンはゆっくり将太の前に歩いていき──
静かに、しかし確実に怒りを溜めていく。
シン
「おい……お前……前にも同じ事したの
      忘れたかぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!」
将太
「えへへへへへへへへへ♡
     みずだもん♡」
シン
「ジュース入れたら水じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
     桃入れても水じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
     お前の都合で水にするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡
      おいしいみずぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」

「完全に振り出しに戻ったな」
ジン
「昨日の努力が……」
コウタ
「先生……本当にお疲れ様です……」
クロン
「シン……頑張れ……」
ニック
「まぁまぁ〜♡
     将太はねぇ〜、自分の都合のいい世界で生きてるのぉ〜♡
       かわいいのぉ〜♡」
シン
「かわいくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
     水を飲めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
将太
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ♡
     ももみずのむぅぅぅぅぅぅ♡」
みんな
「「「あははははははは!!!」」」
シンの苦労は。。。まだまだ続く⋯。

いいなと思ったら応援しよう!