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五山送り火で想うこと

お盆をこれほど待ち遠しく思ったことが、これまであっただろうか。
この期間はどうしても家で静かに過ごしたくて、十三日のお盆入りから休みを取っていた。実家にはほんの短い時間だけ立ち寄り、ほとんどの時間を娘と二人で過ごした。

昨年の初盆はまだ現実感が伴っておらず、どのように過ごしたのかもほとんど記憶に残っていない。今年は本棚からあの子が読んでいた本を取り出し、さらに最近手に入れた、あの子が「読んでみたい」と話していた本もお供えと共に並べてみた。すると、一緒に読んだときの感覚や交わした言葉が、自然に脳裏に蘇ってきた。

ここに書く理由を、改めて考えてみた。
あの子とのつながりを言葉に残すこと。あの子の生きざまを記録すること。そして、心の中の対話を文字にして今を生きる誰かの心に届けること。大切な存在との対話を積み重ね、心の痛みを癒すプロセスを残すこと。

今年のお盆は、いつもよりあの子との心の中での会話が多くなった。今日はテレビで大文字の送り火を見ながら、ベランダの掃き出し窓を開けてお線香を焚き、燃え尽きるまでずっと眺めていた。
そのとき、テレビを見ながら下の子が「大文字って左もあったん?」と話しかけてきた。

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