娘の夏休みの課題。「自由作文」に光るものを感じたぜ!※親バカ上等
いらっしゃいませ。
ようこそ喫茶ブルーモカへ。
ようやく長い長い夏休みが明け、底なし体力のチビ怪獣たちが学校、幼稚園に通いはじめてくれましたね。
いや~よかったよかった。
連日のおうちプール監視員のバイトも、これでおさらばです。
でも、まぁこの暑さで通学ってしんどいよな。
しばらくはお散歩がてら、一緒に登校しようかな。
さて、本日はちょっとした自慢でございます。
私の自慢じゃないですよ?
いつも自慢に捉えられてもおかしくない記事ばかりですが、今回は長女のちゃっかりお嬢様のお話です。
それでは、ごゆっくりどうぞ。
その才能パパにちょーだいよ!

夏休み最終日。
我が家では子供の泣き叫ぶ声と、妻の怒号が近所にこれでもかと響き渡っていた。
そう。
「宿題、最終日まで終わらない問題」である。
かくいう私も、この問題には長年悩まされてきた。
終わったはずなのに、最終日に新学期の準備をしていると、なぜか全く新しい課題が発掘される。
不思議だ。
計画的にやればいい。
毎日少しずつやればいい。
親も管理してあげればいい。
まだ一年生だ。自分で全部管理できるはずがない。
分かっていますとも。
妻も私も娘も、あの子もその子も、昔仲良かったあいつだって分かっていますよ。
それができりゃ苦労しねぇんだ。
とはいえ、我が家も久しぶりの小学校の夏休みということで、初日に宿題をすべて確認し、毎日少しずつ取り組んでいた。
文句を言いながらも、朝起きて一番に宿題をする娘を私は何度も見ている。
じゃあ、何が残っていたのか。
「自由課題」である。
私が小さい頃は自由研究と言っていたか。記憶はおぼろげだが、とにかくテーマは何でもOK。
バーリ・トゥードゥのガチンコファイトだ。
物凄く手を抜いた年もあれば、コンクールに出るほどの力作を作ったこともあったっけか。
今は少しルールが変わったようで、学校から出された課題や賞に応募するための作品など、20個近いテーマの中から好きなものを一つ選んで制作し、提出するらしい。
私も妻の怒号と娘の悲鳴をノイキャンしながら確認してみたが――
う~ん。
これ、一日でやるようなもんじゃないぞ。
しかし、タイムリミットは刻一刻と迫っている。
怒り狂う妻を宥め、娘のフォローに向かうことにした。
まずは二人を物理的に離し、妻からだ。
「怒っても仕方ないよ。俺が協力するから」
優しいパパであり、よき理解者の旦那。
我ながら、この対応はスマートじゃないか?
なんて内心ほくそ笑んでいると、
「いや、あなた言ったよね! 自由課題は一緒にやるからいいよって、夏休みの最初に!」
やばい。
俺まで怒られた。
そんなこと言ったっけかな。
記憶にないな……。
こういう時は、さっさと謝って退散するが吉だ。
「ごめん! そうだった! 長女ちゃんが落ち着いたら一緒にやります! どうぞ、ごゆるりとお寛ぎください!」
そそくさと退散する。
スマートな旦那、わずか数十秒で陥落。
二階で泣き続ける長女の元へ向かった。
「大丈夫か?」
「ママ嫌い! パパ助けて」
そんな言い方しちゃ駄目だよ。
とはいえ、今は癇癪を起こしているだけだ。軽めに注意して、まずはご機嫌取りに全力を注がなければならない。
「とりあえずアイスでも買いに行こう! アイス食べて落ち着いたら、一緒に宿題やろっか」
「うん……」
長女は涙を拭いながらコンビニへ向かう。
なぜか次女も付いてきた。
まぁ、アイスだからな。
そして、なぜだろう。
妻も付いてきた。
三人仲良く、
「何にしよっかな~」
なんて言いながら、手を繋いで歩いている。
……あれ?
さっきまで大喧嘩してなかった?
この世界には、まだ科学では解明できない謎が多く残されているという。
こんなに身近なところにも不思議はあるんだな。

アイスを食べて落ち着いたところで、長女と二人、宿題に取りかかる。
ふむふむ。
この中から好きなお題を選ぶってわけか。
にしても多いな。
この中で半日で終わらせられそうなのは……この三つくらいか。
・読書感想文
課題図書と自由図書から選べるらしい。
・家族について
家族をテーマに好きなことを書いていいらしい。
・環境問題について
身近な環境問題を、子供の目線で考えてみようというもの。
長女に確認してみた。
「この中で、どれを書いてみたい?」
これはこういうやつで、こっちはこんな感じ。
ざっくりとした説明を終えると、長女は一つを指差した。
「これがいい!」
ほうほう。
環境問題について、か。
一年生には少し難しそうにも思えるが、難しく考えすぎる必要はない。
身近にあるもので考えてみればいい。
「例えばこの間、魚取りに行った時にさ。魚よりもゴミがたくさんあったじゃん? ああいう話とかでもいいんじゃない?」
そう言うと娘は少し考え、ノートに下書きを始めた。

ここから先は、あまり口を出さないことにした。
「これはこうした方がいいよ」
なんて厚かましいマネはしたくない。
子供は子供らしい文章を書けばいいのだ。
文章の書き方なんて、そのうち嫌でも学校で習う。
今は自分が見たもの、感じたものを、自分の言葉で書けばいい。
私は隣に座り、自分の作業をしながら待つことにした。
一時間ほど経った頃だった。
「できた!」
元気な声が聞こえてきた。
「どれ、見せてごらん」
ノートを受け取る。
ほうほう。
うんうん。
…………。
え?
ちょっと待て。
もう一度、最初から読む。
「長女よ」
「なに?」
「お前……天才じゃないか! すごくいい作文だ!」
長女はご満悦だ。
この時ばかりは、たぶん本人より俺の方がテンションが上がっていたと思う。
ということで。
自慢になって申し訳ないが、長女の書いた作文を読んでみてほしい。
少しだけ文章を整えはしたが、98%は原文そのままだ。
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『きれいなうみが、スキ』
「かわがよごれると、うみもよごれるんだよ」
パパがおしえてくれた。
さかなとりをしようと、パパとちかくのかわにいった。さかなはぜんぜんいなかったけど、ゴミがたくさんおちていた。
パパはあみでゴミをつかまえて、バケツにいれる。わたしもマネをして、ゴミをつかまえた。
「なんでゴミをつかまえるの?」
ときいてみると、
「むすめちゃんのすきなうみがよごれるからね」
とパパがいった。
かわにあるゴミは、ながれていって、さいごはうみにいくみたい。
わたしはうみがすき。
きれいなうみで、にんぎょみたいにおよいでみたい。
だから、ゴミをひろったら、すこしだけうみがきれいになったようなきがして、うれしかった。
あしたもパパとゴミをつかまえたい。
ずっとキレイなうみでおよげるといいな。
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どうですか!?
なかなかの出来だと思いませんか!?
……親バカ?
うるさい。
今だけは言わせてくれ。
文章はもちろん一年生らしく拙い。
でも、ちゃんと最初に「川が汚れると海も汚れる」という話があって、魚を捕りに行った実体験があって、そこから自分の大好きな海へと話が繋がっている。
そして最後には、
「ずっとキレイなうみでおよげるといいな。」
自分の願いで終わっている。
え?
お前、本当に一年生?
その構成力、パパにちょーだいよ!
毎週のように文章を書いている父親が、七歳の娘の作文を読んで唸っている。
なんだ、この敗北感は。
我が娘ながら、末恐ろしい才能だよ。
あの時、たしかに眠れる竜の片鱗を見たね!
もちろん、この先も文章を書き続けるかなんて分からない。
別に作家になってほしいわけでもないし、作文で賞を取ってほしいわけでもない。
ただ、そのまま自分の感性を大切にして、表現することを楽しんでくれたらいい。
自分が見たもの。
感じたこと。
楽しかったこと。
悲しかったこと。
それを自分なりの言葉や形にするのって、結構楽しいからね。
その楽しさを知っているだけでも、人生は少しだけ豊かになるんじゃないかな。
だって――
芸術にも、文章にも、正解なんてないんだから。

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