見出し画像

農業会議から始まった第二章


今年度のお米づくりに向けて、
私は田んぼがある地区の農業会議に参加してきました。

開催を知ったのは、わずか2日前でした。
農会長から届いたのは、

「去年の結果を報告してほしい」

というメッセージでした。

正直、どうしようか迷いました。
予定もあったので、
資料だけ渡すという方法もあったと思います。

でも、去年の挑戦を誰かに説明してもらうのは違う気がしたんです。


一年前、私はこの村で
「耕さない人が、耕す挑戦」を始めました。

農業経験も知識もなく、
農機も持たず、
スマート農業という手法を頼りに、
耕作放棄地を含む田んぼでお米づくりに挑戦する――

今振り返ってみても、なかなか挑戦しようと思う人はいなかっただろうなと思います。

でも、声を上げたことで、
協力してくれる人がいました。
助言をくれる人がいました。
一人では無力でも、支えがあれば前に進める。
それを身をもって知った一年でした。


この会議では、
昨年、株式会社エアーアシストジャパンさんの実演会で行った
トークセッションの資料をもとに、
「実際にやってみてどうだったのか」を中心に話しました。

結果として、初年度でも収穫はでき、赤字にはなりませんでした。
ただし、それは何の問題もなかったという意味ではありません。

知識・経験・農機なしで挑戦したからこそ、
見えてきた課題も、改善点も、たくさんありました。


そして、今回いちばん印象的だったのは、
ここからでした。

「品種は何?」
「なぜ、その品種にしたの?」
「ドローン播種した田んぼを、うちのコンバインで刈れるのか?」

そんな様々な声が、
参加していた農家さんたちから自然と出てきたのです。

個人の挑戦だったはずのものが、
村単位の“検証”や“共有”に変わろうとしている。
その空気を、はっきりと感じました。

私は農家ではありません。
機械もなければ、経験もありません。

だから去年は、
とにかく人に教えてもらい、
人に助けてもらいながら進んできました。

そんな私だからこそ、気づけたことがあります。

村の農家さんには、すでに機械も経験も知恵もある。
だから全部を変える必要はなくて、
本当に大変な部分だけスマート農業を取り入れるという選択肢もある。

それを「やってみた人」として伝えられたことが、
今回の大きな一歩だったように思います。


私が目指しているのは、お米をたくさん作ることだけではありません。

この挑戦が、「やってみたい」と思う人の選択肢の一つになること。

そして、
田んぼを守りたい人や、
新しく関わってみたい人が、
一歩を踏み出しやすくなること。

そんな未来につながればいいなと思っています。


耕さない人が耕す挑戦、再び。


私自身、知識も経験もないところから始めました。

だからこそ、「やってみたいけど無理かもしれない」と思っている人に、

「こういうやり方もあるんだ」

と伝えられる挑戦でありたいと思っています。

やってきたからこそ見えたことを、
必要な人へ、必要な形で。

あの日の会議では、まだ気づいていませんでした。

去年の挑戦が、思っていた以上に遠くまで届いていたことを。

それを知るのは、もう少し先の話です。

第二章が、静かに始まりました。


いいなと思ったら応援しよう!

Sky Studio Torako この記録や挑戦に、そっと気持ちを添えていただけたら嬉しいです。