孫子 - 九変篇(七)
1.原文
七 故將有五危。必死可殺也、必生可虜也、忿速可侮也、廉潔可辱也、愛民可煩也。凡此五者、將之過也、用兵之災也。覆軍殺將、必以五危、不可不察也。
2.訓読文
七 故$${\scriptsize^{ニ}}$$將$${\scriptsize^{ニ}}$$有$${\scriptsize^{リ}\scriptsize_{二}}$$五危$${\scriptsize_{一}}$$。必死$${\scriptsize^{ハ}}$$可$${\scriptsize^{キ}\scriptsize_{レ}}$$殺$${\scriptsize^{サル}}$$也、必生$${\scriptsize^{ハ}}$$可$${\scriptsize^{キ}\scriptsize_{レ}}$$虜$${\scriptsize^{ニセラル}}$$也、忿速$${\scriptsize^{ハ}}$$可$${\scriptsize^{キ}\scriptsize_{レ}}$$侮$${\scriptsize^{ラル}}$$也、廉潔$${\scriptsize^{ハ}}$$可$${\scriptsize^{キ}\scriptsize_{レ}}$$辱$${\scriptsize^{メラル}}$$也、愛民$${\scriptsize^{ハ}}$$可$${\scriptsize^{キ}\scriptsize_{レ}}$$煩$${\scriptsize^{ワサル}}$$也。凡$${\scriptsize^{ソ}}$$此$${\scriptsize^{ノ}}$$五者$${\scriptsize^{ハ}}$$、將之過也、用兵之災也。覆$${\scriptsize^{シ}\scriptsize_{レ}}$$軍$${\scriptsize^{ヲ}}$$殺$${\scriptsize^{スハ}\scriptsize_{レ}}$$將$${\scriptsize^{ヲ}}$$、必$${\scriptsize^{ズ}}$$以$${\scriptsize^{テス}\scriptsize_{二}}$$五危$${\scriptsize^{ヲ}\scriptsize_{一}}$$、不$${\scriptsize^{ル}\scriptsize_{レ}}$$可$${\scriptsize^{カラ}\scriptsize_{レ}}$$不$${\scriptsize^{ル}\scriptsize_{レ}}$$察$${\scriptsize^{セ}}$$也。
3.書き下し文
七 故に将に五危有り。必死は殺さる可きなり、必生は虜にせらる可きなり、忿速は侮らる可きなり、廉潔は辱しめらる可きなり、愛民は煩わさる可きなり。凡そ此の五者は将の過ちなり、用兵の災いなり。軍を覆し将を殺すは、必ず五危を以てす。察せざる可からざるなり。
4.現代語訳
将軍には、陥りやすい危険な過ちが五つある。
一 必死となって客観的な判断が出来なくなった者は殺される
二 生き残ることに執着して勇気に欠ける者は捕虜にされる
三 短気で怒りを抑えられない者は、敵に侮辱されると容易に計略に引っかかる
四 清廉潔白な者は、辱められると平静を失い、容易に罠にはまる。
五 兵士をいたわる情の深すぎる者は、軍隊内のことに関する気苦労が絶えない。
およそこれら五つは、将軍が陥りやすい過失であり、用兵の上で災いとなるものである。軍を全滅させ、将軍が敗死に至る要因は、必ずこれらの五つのどれかである。充分に明察せよ。
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