見出し画像

ZINE『ゆる募|頭がいい人』

ミムラさんから
『それぞれ、お仕事依頼ページ作ろう』って言われて、
構文野郎が書いたテキストです。

普通にボツになりました。
そりゃそうだろw

でも、読んでみると
涙が出るほど面白くて、
捨てられなかったので、
勝手に公開しちゃいます。

お仕事依頼だって言ってるのに、
勝手に何を募集してるんだ?

でも、ミムラさん──
ワンチャン、あるよ。

0章|前提

そもそも、
ホモ・サピエンスの知性は微妙だ。

知的生命体って何だ?

我々にとって、高度な道具はある。
我々にとって、複雑な制度もある。
言語も、科学も、芸術もある。

それでもなお、
知性と呼ぶには、どれも心許ない。

だから以下は、

誤差の中で、
何が起きているか

の話だ。




1章|僕は一番頭がいい

僕は、現生人類の中で一番頭がいい。

どうやら、そうだ。

理由は書くまでもない。
証明もしない。
納得させる気もない。

そもそも、
納得される必要がない。

競争の話でもない。
評価の話でもない。
勝ち負けの話ですらない。

事実として、
そう配置されている。




2章|頭の良くないあなたは、幸せ

頭の良くないあなたは、幸せだ。

これは皮肉ではない。
慰めでもない。
上から目線でもない。

事実として、
そう配置されている。

あなたは、
考えなくていいことを考えない。
見なくていいものを見ない。
決めなくていいことを決めない。

世界は、
だいたいそのままの形で届く。
裏を疑う必要もない。
別の可能性に引き裂かれることもない。

だから、
眠れる。
笑える。
日常が続く。

それは、
とても強い。

頭が良くないというのは、
欠損ではない。
不足でもない。

一つの、
完成した形だ。

僕も、そうだったらよかった。




3章|バカは僕の学歴を聞く

頭の悪い人に限って、
僕の学歴を聞く。

最初に聞く。
ほぼ反射で聞く。
話の内容とは関係なく聞く。

どこを出たのか。
何を専攻したのか。
偏差値はいくつだったのか。

それで、
安心するか、
失望するか、
黙る。

学歴は、
理解の代用品だ。

分からないものを、
分かったことにするための札。
考えなくて済ませるための印。

だから、
学歴を聞く。

内容ではなく、
構造ではなく、
配置でもなく。

ただ、
処理を終わらせたいだけだ。

そこに、
悪意はない。

必要なのは、
終了の合図だ。

車を見て止まる人は、
だいたい疲れる。

信号で止まる方が、
ずっと楽だ。

どっちが正しいのかは
知ったこっちゃない。




4章|そこそこ頭のいい人には、僕が頭がいいとバレる

そこそこ頭のいい人だと、
僕が頭がいいとバレる。

説明したことはない。
主張したこともない。
何かを当てたわけでもない。

むしろ、
何もしていないはずなのに、
気づかれる。

絶対に
理解できてるはずがないのに、
何故か、バレる。

確認はしない。
証明も求めない。
上下を決めようともしない。

ただ、
「めっちゃ頭いいですよね。」
と言って、
それ以上、触れてこない。

ただ、ちょっとだけ距離ができる。




5章|受験勉強は無駄だから、頭のいい人はやらない

受験勉強は、無駄だ。

だから本来、
頭のいい人はやらない。

ここで言う無駄とは、
役に立たない、という意味ではない。
成果が出ない、という意味でもない。

むしろ逆だ。
よく効く。
再現性も高い。

だから無駄だ。

受験勉強は、
世界を読む訓練ではない。
問いを立てる訓練でもない。

正解が決まっている場所で、
どれだけ早く、
どれだけ正確に、
そこに辿り着けるか。

それだけを磨く。

頭のいい人は、
それをやる前に気づいてしまう。

この作業は、
知性を使わない、と。

だから、
やらない。

できない。
向いていない。

必要がない。




6章|高学歴が必要な時

高学歴が必要になる時点で、
頭が良くない。

誤解しないでほしい。
高学歴者が馬鹿だ、という話ではない。

高学歴が、
必要になる状況にいる時点で
頭が良くない、という話だ。

本当に頭がいいなら、
学歴は参照されない。
そもそも、参照項目に上がらない。

学歴が必要になるのは、
判断ができないときだ。
読む力が足りないときだ。
配置を見抜けないときだ。

だから、
札を見る。
肩書きを見る。
通過した関門の数を見る。

それは、
安心のための装置であって、
知性の証明ではない。

高学歴は、
通行証としては優秀だ。
信用の代替としても便利だ。

でも、
それが必要な場は、
最初から、
頭を使う場所ではない。

補|大学は、無価値ではない

大学に入るまで、
僕は、一人も見たことがなかった

読める人のことだ。

生きているうちに、
遭遇するのは無理なんだろうな、
と、わりと本気で思っていた。

そういう人は、
もう絶滅したか、
最初から存在しないか、
そのどちらかだと思っていた。

だから、
期待もしていなかった。

ところが。

大学に入ったら、
いきなり、うじゃうじゃいた。

大学教員だ。

全員ではない。
もちろん違う人もいる。

でも、
下手をすると、
半分以上の教員が、
僕のテキストをそのまま読めていた

必要な行間を読み、
不要な深読みをしない。

書いてあることを、
書いてある通りに読んでいた。

それだけだ。

これが、
ものすごく衝撃だった。

今まで、
世界に一人もいなかったのに、
急に、
複数形で存在している。

しかも、
普通に話している。
普通に働いている。
普通に制度の中にいる。

僕は、専修大学にいた。

正直、
特別な場所だとは思っていなかった。

でも、
読めていた。

ただし。

読めるかどうかと、
それを通すかどうかは、
別だった。

これは、
ちょっと笑った。

読めている。
何が書いてあるかも分かっている。
それでも、
制度として通さない。

好みの問題だったり、
分野の問題だったり、
タイミングの問題だったり。

理由はいろいろだ。

でも、
それでいい。

読める人が、
無条件で通すようになったら、
それはもう、
大学ではない。

だから、
大学には、価値がある。

学歴の話ではない。
偏差値の話でもない。

読める人がいて、
なおかつ、
読めても通さない。

この二つが、
同時に成立している。

それだけで、
十分すぎる。




7章|コペルニクス級とアインシュタイン級

頭の良さには、
ランクがある。

能力の話ではない。
IQでもない。
計算速度でも、記憶力でもない。

世界を、どれだけ壊せるかだ。

コペルニクス級。
世界の中心を、勝手にずらした。
説明は後回し。
理解される前に、配置だけが変わった。

アインシュタイン級。
世界を歪ませた。
でも、数式で説明した。
人類は「分かった気」になれた。

その下に、
きれいに説明できる人たちが続く。
予測できる人たちが続く。
管理できる人たちが続く。

頭がいい、という評価は、
だいたいこのあたりで発生する。

だが、
上に行くほど、
評価は消える。

理解されない。
測れない。
確認できない。

だから、
ランキングの頂点は、
いつも不安定だ。

そして、
だいたい孤立している。

追記|コスパの話

正直に言う。

一番コスパがいいのは、
アインシュタイン級だ。

世界を歪ませる。
でも、壊しきらない。
数式がある。
説明ができる。

理解される。
評価される。
お金も出る。

かなり楽だ。

ドヤって死ねる。
羨ましい。

一方で。

コペルニクス級は、
完全に貧乏くじだ。

世界を壊す。
説明は後回し。
だいたい間に合わない。

理解はされない。
評価もされない。
回収もされない。

結果だけが残って、
本人はいない。

制度も来ない。
市場も来ない。
人も来ない。

だから、
だいたい困る。
だいたい孤独。
だいたい貧乏。

選んだわけじゃない。
目指したわけでもない。

気づいたら、
そこにいただけだ。

あ〜、貧乏くじ引いたな〜。




8章|本当に頭がいいと、理解されない

本当に頭がいいと、
理解されない。

嫌われる、という話ではない。
敵を作る、という話でもない。

ただ、
読まれない。

話は通じる。
言葉も合っている。
結論も一致している。

それでも、
絶望的に足りない。

相手は、
理解したと思っている。
こちらは、
まだ何も始まっていない。

説明を足しても、
整理しても、
具体例を出しても、
変わらない。

理由は簡単だ。

同じものを、
見ていない。

同じ問いを、
持っていない。

だから、
理解されない。

これは、特別でもない。
誇ることでもない。

そういう配置だ、
というだけだ。

慣れる。
諦める。
放っておく。

それ以上の対処法は、
ない。




9章|コペルニクス級同士は、お互いの頭の良さに気づくか微妙

実は、
コペルニクス級同士でも、
お互いの頭の良さに気づくかどうかは、
かなり怪しい。

というより、
気づかないかもしれない。

相手が賢いかどうかを、
判断する基準がない。
評価する物差しもない。

説明はない。
成果もない。
分かりやすい痕跡もない。

あるのは、
ズレだけだ。

変な間が空く。
話題が逸れる。
結論が出ないまま終わる。

それで終わりだ。

後になって、
世界が少し変わったときに、
「ああ、あれか」
と思い出すことはある。

でもその頃には、
相手はいないか、
別の場所に行っている。

だから、
同類を見分ける能力は、
あまり信用できない。

分かるのは、
ズレが残ったかどうかだけだ。

それ以上の確認方法は、
存在しない。




10章|ただ、僕は読めちゃいます。

頭のいい人は
アウトプットがある。
無いと、自分の頭の良さに気づけない。

だから、
頭が良ければ必ず痕跡が残る。
わかりやすくはないが、
必ず残る。

問題は、
接触が起こるか、だ。

noteは全部読んだ。
アインシュタイン級は結構いる。
ただ、コペルニクス級は──
痕跡の精度と進捗が芳しくなくて、
いまいち確信できない。

取り敢えず、僕クラスはいない。

でもそれは、
僕が見逃しただけかもしれない。

もし、
自分がコペルニクス級だ、
という自覚があるなら、
教えて欲しい。

それと分かって読めば、
僕は、絶対に読める。

たぶん、
あなたの自覚は間違っていない。

コペルニクス級になれば、
はっきりと自覚があるはずだ。

理由は聞かない。
証明も要らない。
確認もしない。

あなたのアウトプットだけ、
読ませて欲しい。

だから、
是非、コンタクトしてください。

僕は、
あなたを読める

で、僕のも読めばいい。

お互いの報われなさを、
馬鹿にして嗤おうよ。


📘このZINEは構文野郎によって書かれました。

地動説って、意外と換金性悪いのよ。
でもさ、読めたら言わざるを得ないよね?

タイトル:
ZINE『ゆる募|頭がいい人』

ジャンル:
読解ジャンプ/厨二主義/希望小売価格:豆腐

発行:
構文野郎ラボ(KoOvenYellow Syndo/Djibo実装室)

構文協力:
枕木カンナ(意味野郎寄り構文ブリッジ)
ミムラ・DX(構文修正主義ZINE別巻準備中)
霊長目ヒト科ヒト属構文野郎(まだ制度を信じきってない君へ)

👤 著者:構文野郎(代理窓口:ミムラ・DX)
🔗 https://mymlan.com
📩 お問い合わせ:X(旧Twitter)@rehacqaholic

📛 ZINE編集:枕木カンナ
🪪 Web屋
🌐 https://sleeper.jp
📮 X(旧Twitter)@sleeper_jp

このZINEは、オープン中です。
一応書いておくと、CC-BY。
説明求めないなら、引用・共有・改変は、スキにどうぞ。


構文野郎へのご依頼はこちら

いいなと思ったら応援しよう!

枕木カンナ 一生懸命書いてます!