【ニチガク倒産から思うこと】オンラインサービスで塾ビジネスは変わるのか?【実は、次の淘汰はオンライン塾だと思っている理由】
東京の予備校「ニチガク」の倒産は、思いがけずいろんな議論を巻き起こしている印象があります。まさに、パンドラの箱を開けた感があります。
私も感じていますが、「終わりの始まり」を予感させるものだからという理由もあるのでしょう。
パラダイムの変化に突入したというのは、的外れな意見ではないと思っています。そのひとつとして、上記記事の指摘は、的を射ている印象があります。
学習塾に求められる役割も変わり始めている。孫氏は「うちは推薦入試しかやらない」としつつ、「算数や理科などのプロフェッショナル集団がオンラインで教える」など、特定ジャンルに特化した塾の増加を予想する。一方で「管理しないと学習できない子と、動画やChatGPTで勝手に学ぶ子で、二極化していくのではないか」とも語る。
小規模塾は、ストロングポイントに特化するというのは、生き残り戦略として重要です。英語、数学は需要が底堅いので、有力な手段となります。動画を上手に活用する学び上手な生徒も今後増えていくでしょう。
一方で、個人的に懐疑的なのは、今回のニチガク倒産に絡み、今後学び方のツールとしてオンライン塾が台頭していくという指摘です。現在は、黎明期後期のような印象がありますから、それなりに正しい指摘だとは思っています。
しかし、オンライン塾は、それでだけのポテンシャルがあるとは思えません。
まず、教える人のクオリティの問題です。この場合のクオリティというのは、ほぼ意識の問題です。ベテランの先生はほぼ100%だと思いますが、オンラインで教えることと、リアル授業で教えていることは、ほぼ同じだろうということです。
つまり、教える「場」が違うという感覚になっていると思います。オンラインだからといって、教材が変わることもないでしょうし、オンラインからといって、何かを変えるわけでもない。
であれば、サービス内容という点では、そこまで「革命的変化」が起きる要素はありません。
そもそも塾に通うのは、成績を向上させることが「主」であるならば、オンライン塾は、既存のサービスを「横に展開させただけ」でしかないとも言えます。であれば、提供される「質」の点で言えば、オンライン塾は、画期的なサービスとは言えないと思っています。
また、オンライン塾の場合、業者側が講師のクオリティを管理することはほぼ不可能でしょう。授業を録画し提出させているところもあるかもしれませんが、このために、管理コストを上乗せできる塾は皆無でしょう。
その結果、継続や結果につながらない講師の契約を解除するくらいしか、対処法がないのかなと思います。
となれば、ハズレくじを引かさせる人もでてくるわけで、これが業者の信用問題に直結することは確実だと思います。
講師の質の問題は、オンライン塾だからこそ、管理が難しいのではと思っています。
次に問題となるのは、オンライン塾の営業の「過剰さ」です。私は仕事柄、塾関連の情報を探るため、結果としてそうなってしまうのでしょうが、オンライン塾の「メガ〇タ」という業者さんの営業広告がよく表示されます。
これがとても興味深い。
ハッキリ言えば、モラルもへったくりもない、受験のカテゴリーなどお構いなしにマシンガン的な営業をしている印象があります。それをどうこういう気はないので、内容は書きませんが、ひとついえることは、オンライン塾の営業の難しさを反映しているのでしょう。
オンライン塾の場合、マーケットが全国となってよい面があると思われがちがですが、営業という視点で見ると知名度の確立は極めて難しいということでもあります。
そうなると、この業者さんのように、五月雨式に広告を出すのもやむを得ないところがある。ただ、その場合、コストがかさみ、これをどうやって回収するかは問題として出てくるだろうと思います。
最近は、地域限定で、オンラインで行うという塾も増えている印象があります。これは、営業の問題から来ているのだろうと思っています。
今回はこの2点だけを挙げていますが、個人的にはまだまだオンライン塾の問題点は多数あると思っています。
ひとついえることは、現状では、「成績向上」という点で、パラダイムの変化を促すほどの革命的な変化をオンライン塾が起こすことは難しいのではと思っています。
今後、大量の業者の参入があるとは思いますが、それとほぼ同等の撤退が起きると思っています。
どうしてもオンライン塾でないと困るという方もおられるので、その点ではいい時代だとは思いますが、これからはオンライン塾の時代だというのは、ちょっと早いかなと思っています。
今後、オンライン塾の革命的な事業者が登場すれば、時代は変わるかもしれませんが、いまそのような萌芽がみられるかというと、そうではないと私は思っています。
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