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詩を書いて自分の内面と向き合う:知っている人の風景

画面の中で
五平餅が ひっくり返される

焦げ目は きれいだ
でも
ここまでは ただの色

香ばしさは
まだ 立ち上がらない

 

川は 光っている
透明で
静かだ

それでも
水は 冷たくない
音も 濡れていない

 

はざかけの列が
夕方の中に 並んでいる

穂は 揺れているけれど
まだ
さらさら 鳴らない

太陽の匂いは
画面の外に 置き忘れられている

 

山は 緑だ
正しい緑

でも
ざわめきは 聞こえない
鳥は まだ飛ばない

土の味も
ここには ない

 

それでも

五平餅を
かじったことのある人は
もう 鼻が忙しい

川に
手を入れたことのある人は
指先を 少し引っ込める

稲刈りのあとを
知っている人は
夕方の匂いを 先に嗅ぐ

山を
歩いたことのある人は
画面の奥で
葉が 揺れ始める

 

映像は
なにも 与えていない

ただ
思い出す順番を
少し 間違えただけだ

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