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「ここ。」は、売ってない家でした。【もう一つの我が家。 #2】

※初めてこられた方は1話からどうぞ


妻は、

Googleアースで

本当に家を探していました。



海が好きなんです。

でも、

海のすぐそばではありません。

「津波怖いやん。」

だから、

少しだけ高台。



ある日。

妻の指が止まりました。



「ここ。」


画面に映っていたのは、

木々に囲まれた一軒の古民家でした。



「ここなん?」

「ここ。」

「海ないやん。」

「歩いていける。」

「歩くん?」

「歩ける。」


私には、

どう見ても

キャンプ場でした。



数日後。

妻は一人で、

現地へ向かいました。


大きな道から、

一本入るだけ。


急に景色が変わります。


木。

木。

川。

木。


でも、

道はちゃんと整備されています。

コンビニも、

車ならすぐ。


不便ではないのに、

空気だけが別世界でした。



その日の夜。


「行ってきた。」

「どうやった?」

「家はあった。」

「持ち主は?」

「分からんかった。」

「そらそうやろ。」



……



「でも。」

「紹介してもらった。」

「誰に?」

「大家さん。」

「どうやって?」

「企業秘密。」


笑うだけで、

それ以上は教えてくれませんでした。



「ほんで?」

「週末。

大家さんのところ、

行く。」



「……決まったん?」



「うん。」

……

……

早っっ。


次の土曜日。

私たちは、

まだ知らない大家さん宅へ向かうことになりました。


3話へつづく。


1話はこちら


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