見出し画像

体験設計を軸にしたフルファネルマーケティングとは?認知・購入・ファン化まで、コアアイデアでつながる。|フルファネルラボ

フルファネルマーケティングとは、顧客がブランドを認知し、購入し、その後リピートするまでの一連のプロセスをシームレスに最適化する手法のこと。これにより、顧客体験の断絶を防ぎ、長期的な関係を構築します。

地域、中堅・中小企業(SMB)に特化してフルファネルマーケティングの研究・実践を行なう「フルファネルラボ」が活動を開始して1年ほどが経ち、「ソウルドアウトが考えるフルファネルマーケティング」を型としてまとめました。

本インタビューでは、企業がフルファネルマーケティングを実践する際のポイントを、ラボ主席研究員の亀ノ上 忠昭かめのうえ ただあき中村 太一なかむら たいちに聞きました!

🔔本記事は、無料で資料閲覧が可能です!(詳細は記事の最下部へ)🔔


ソウルドアウトが考えるフルファネルマーケティング

4つの視点で、顧客体験全体を構造で捉える


──── 研究・実践を通してできあがったフルファネルマーケティングの「型」について概要を教えてください!

中村「体験設計」を起点に、生活者の体験を「点」ではなく「構造」で捉えていることがポイントです。

生活者の購買行動が複雑化する今日では、企業は、商品・サービスを買ってもらって終わりではなく、その後の再購入や推奨、ファン化までの循環が切れ目なくつながるようなマーケティングの設計が重要です。

また、価値観の変化によって、広告コミュニケーションは商品・サービスの機能訴求が中心だったところから、体験型のコミュニケーションに変化しています。

亀ノ上:どの企業でもフルファネルマーケティングを実践できるよう、シンプルに4つの視点に分解して整理しました。

まず「コアアイディア」があって、「認知」「購入」「ファン化」が連鎖していく。断片ではなく、構造で捉えます。

中村従来フルファネルマーケティングは、「認知」と「ファン化」という2極構造で語られることが一般的です。しかし、それだけでは、企業の売上に直結する「購入」が曖昧になり、実行施策の重心が偏ってしまうという課題がありました。

そこで、私たちはソウルドアウトの強みでもある「購入」の最適化を中心に据え、両端の「認知」「ファン化」とバランスの取れた構造に再設計しています。


認知・購入・ファン化と全体を貫くコアアイデア

「コアアイデア」でつながるフルファネルの体験設計


──── 「コアアイデア」はあまり聞きなれない言葉です…詳しく教えてください!

亀ノ上「コアアイデア」は「人の心を動かす考え方​やメッセージ」と私たちは定義しています。

かつては企業から生活者への一方通行だったコミュニケーションですが、今日ではSNSを中心とした双方向のコミュニケーションが前提となっています。また、購買行動は複雑化し、SNS以外にも、動画、検索、店舗など、タッチポイントが分散化。人の心を簡単には動かすことができない時代になっています。

だからこそ、どのタッチポイントでも一貫したメッセージを伝えれば、人の心に残ることができる。「コアアイディア」は、フルファネルマーケティングの成功の鍵であり、ぶれない軸があるかどうかで成果は大きく変わってきます。


──── 具体的に、世の中の事例を教えてください。

亀ノ上:たとえば、株式会社ビビッドガーデンの産直通販サイト「食べチョク」というサービスです。

「生産者と直接つながるEC」を「コアアイデア」にしてサービスを展開されています。Web記事やテレビCMで一貫したメッセージを伝えて認知を広げ、ECサイトで生産者の顔が見えるようにして購入を促す。購入後も生産者との交流ができるような仕組みを構築し、ファンを増やす取り組みをされています。

結果、2019年のサービス開始から2024年2月時点で会員数100万人を突破しています。


──── 似た意味をもつ言葉として「タグライン」や「ブランドメッセージ」があると思います。どのような違いがあるのでしょうか?

亀ノ上:タグラインは、広告やロゴに添える短いフレーズで、ブランドメッセージは、生活者や社会に向けて伝えたい想いをまとめたもので、例えばミッションステートメントがそれに当たります。どちらも目に触れやすく、ブランドの意図をストレートに届ける役割を担います。

一方で「コアアイデア」は、表立って言葉として掲げないケースも多いのですが、タグラインやブランドメッセージに加え、企業ロゴやビジュアル、動画などあらゆるクリエイティブの背骨になる考え方です。

私たちソウルドアウトの場合、タグラインは「ともに覚悟する、ともに挑む。」で、ブランドメッセージは「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ。」です。そしてその根底にある「コアアイデア」は、「企業の成長に寄り添う」ということ。生活者の心を動かし、私たちの進むべき方向を示す指針となります。

主席研究員
Gデジタルマーケットデザイン本部 本部長
亀ノ上 忠昭


購入につながる「認知」を設計する


──── それでは、生活者が最初に商品・サービスを知る「認知」ファネルでのポイントを教えてください!

中村:多様なチャネルのなかから「選ばれるための認知」を見極め、比較検討フェーズへと橋渡しする体験を描くことが重要です。

生活者のメディア接触時間の比率は、過去15年間でテレビとデジタルデバイスが逆転し、2025年にはテレビが28%、デジタルデバイスが62%となりました。また、年代別に比率には異なる傾向がみられます。

さらに、今や全世代で使われているSNSメディアは、LINE、X、Instagramなど、利用用途が複雑化し、そのコンテンツも、テキストから画像、動画へと多様化しています。

こうした変化を踏まえ、認知施策では、全員に対して同じ手法でアプローチするのではなく、「誰に・どこで・何を・どう届けるのか」を意図して設計する必要があるのです。

(参考:メディア接触時間 | メディア環境研究所|博報堂


──── なるほど…たしかに今日では、日常のあらゆるシーンで様々な情報に接触できるようになりました。たくさんの情報に埋もれることなく生活者に認知してもらうためには、どのように情報発信のチャネルを選ぶとよいのでしょうか?

中村:3つの視点で整理することをおすすめします。

まずは、ターゲットが普段どのようなチャネルで情報に触れているかという点。

たとえば、検索エンジンで能動的に調べる人もいれば、SNSで自然に流れてくる情報を見る人もいます。テレビやYouTubeが中心という人もいるでしょう。相手の行動に合わせることが、無理なく認知される第一歩だと考えています。

次に、商材の「伝えたい魅力」がチャネルの特性とマッチしているかという視点。

視覚で訴求したい商材なら、InstagramやTikTokなどのビジュアル重視型が向いています。一方で、比較や検討が重要な商品は、検索広告やレビュー記事のように深く理解してもらえるチャネルの方が効果的です。

最後に、単に「知ってもらう」だけではなく、そのあとにどのような行動をしてもらいたいかを意識することです。

たとえば、広告で興味をもたせ、詳細記事を読んでもらい、購入ページやクチコミに誘導する、といった体験の流れをつくれるか。チャネルが検討フェーズまで橋渡しできる設計になっていることがカギになります。


AIターゲティングの時代、LPがユーザー体験を最大化する


──── 次の「購入」ファネルではどのようなことが重要なのでしょうか?

中村:広告運用は、AIによる自動ターゲティングが主流になりつつあります。

どの配信面で誰にリーチするかはAIに任せる。その先のランディングページ(LP)でユーザー体験を最大化し、成果へとつなげることが肝心です。
ファーストビューで「何のページか」を一目で伝える。続いて詳細部分で必要な情報を整理し、最後のCTA(Call To Action)で起こしてほしい行動を明確に示す。この3ステップを磨くことで成功につながります。


「ファン化」には、オンラインとオフラインとで複雑な要素が絡み合う


──── では「認知」「購入」に続く「ファン化」ファネルの重要性について教えてください!

亀ノ上:人口減少や商品・サービスのコモディティ化が進むなか、新規顧客の獲得にかかるコストは年々上昇しています。だからこそ、既存顧客から得られる価値を最大化することが、持続的な成長の土台となります。

パレートの法則が示すように、売上の8割は上位2割の顧客によるものともいわれていますよね。

まずは既存顧客にブランドへの共感を抱いてもらい、継続的な接点をつくり、最後にはブランドを支えるファンへと育てる「共感↔ファン化↔共創」という好循環の設計が欠かせません。


──── なるほど…それでは「ファン化」の施策を考える際のポイントを教えてください!

亀ノ上:ここで大切なのは、顧客を「リピーター」「ロイヤルカスタマー」「ファン」 の3層で捉えることです。
リピーターがロイヤルカスタマー、さらにはファンへと段階的に移行することもありますが、すべての顧客が最終的にファンになるわけではありません。

また、ファンが最重要とも一概には言いきれません。ファンは、広告宣伝費が潤沢ではない中小企業にとっては、周囲にブランドを薦めてくれる心強い存在ですが、直接的な売上という点では、ロイヤルカスタマーのほうが貢献している可能性もあります。
それぞれの層が果たす役割を理解し、バランスよく育成・維持することが欠かせません


──── では、顧客が「ファン化」するまでには、どのようなプロセスをたどるのでしょうか?

亀ノ上:私たちの調査では、友人や家族からの「リアルな推薦」が購入のきっかけになるケースが想像以上に多いことがわかってきました。
デジタル上のUGCやレビューも参考にされますが、クチコミはかなり強力ですね。ただ、リアルな場での出来事は追跡が難しく、まだ研究途上というのが正直なところです。

一方でデジタル側の指標も無視できません。UGCの量やエンゲージメント率が高いことは「ファン化」の有力なサインですが、ファンの行動はオンラインとオフラインの双方にまたがっており、片方だけでは全体像を捉えきれないのです。

また、ブランドストーリーも重要ですが、初めて商品を購入する場合はまずは機能や価格で選ばれ、その後にストーリーが効いてくることも多いと考えています。

「購入」から「ファン化」への道筋は、まさにこれからも掘り下げていくテーマです。


フルファネルマーケティングのご支援で、地域から100億企業を創出

──── 最後に、今後のフルファネルラボの活動予定を教えてください!

亀ノ上:フルファネルラボは「研究・発信・実践」という3つを軸に活動しています。これまでは研究成果を言語化し、発信することに注力してきました。
今後は、得た知見をもとに「実践」フェーズへとシフトします。研究して実践し、また研究へ還すという循環を回し、成果を実効性のある資産に育てていきます。

中村:本資料が社内外の共通言語となり、ラボの進化を導くナビゲーションマップとなることを期待しています。ソウルドアウトならではの強みをさらに広げ、持続的なビジネス成長を生み出す礎にしたいです。

この1年、フルファネルラボは自由度の高い研究スタイルでメンバーの視野を大きく広げる一方、「フルファネルとは何か」という基本的な認識にはばらつきがあったんですよね。同じ言葉を使っていても、見ている世界が少しずつ違う。そんな課題が明らかになりました。

今回ラボの思想を「ソウルドアウトが考えるフルファネルマーケティング」として言語化し、共通基盤をつくりました。これを足がかりとして、ラボ内で議論を深めていきたいです。

主席研究員
Gデジタルマーケットデザイン本部 Gストラテジックプランニンググループ スペシャリスト
中村 太一

亀ノ上:これまで、顧客やパートナーに本質や意図が十分伝わらず、施策の価値が正しく評価されにくい場面もありました。こうした課題を解決し、フルファネルラボ・ソウルドアウト・顧客をつなぐ共通基盤をつくる出発点に立つことができたと思います。

フルファネルマーケティングは、「アッパー施策だけ」でも「矢印どおりに一直線に進むもの」でもありません。「コアアイデア」「認知」「購入」「ファン化」の要素を有機的に結びつけ、全体最適を図る考え方です。

ラボで培った知見を武器に、地域から年商100億円に成長する企業を生み出していきたいです。


今後フルファネルラボでは、「コアアイデア」「認知」「購入」「ファン化」の4領域の専門家との対談をお届けしてまいります!

編集後記
フルファネルマーケティングでは、点在する施策を寄せ集めるのではなく全体を貫く一本の軸を描くことで、生活者の心を動かす力になります。この記事が皆さんのマーケティング設計に新しい視点やきっかけをもたらすことができればうれしいです。

【執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】


フルファネルラボ

👇フルファネルラボメンバーへのインタビューです。

👇 対談・インタビューはこちらのマガジンにまとめています!


資料はこちらから!

👇 資料の閲覧は、下記フォームからお申込みください


ソウルドアウト公式noteでは、週に1~2回ほど、デジタルマーケティングに関する情報をお届けしています!
ぜひ、フォローをお願いします🔥



デジタルマーケティングに関するご相談・お問い合わせはこちらからお願いします🔥