ジャック・ローズ
BARのオープンと同時に扉が開いた。
「相川さん、お久しぶりです!覚えてます?」
「ん?、、、おおーっ!久しぶりやな!」
12年ぶりぐらいか。
コウヘー君が外人さんの女の子と入って来た。
元々、コウヘー君のお父さんが常連さんでお母さんも叔父さんも良く知ってて、家族ぐるみで可愛がってもらってた。
12年振りなのは、彼が長いことミャンマーに居たからだ。
久々だけど、久々な感じがしない。
近況を軽く聞いて、彼が彼女を紹介する。
フランス人の女の子でノルマンディー地方の出身の仲良い友達で、今回、フランスから日本に旅行に来たと。
コウヘー君が、「僕、相川さんにジャックローズ教えてもらってから、ずっとジャック・ローズばっかり飲んでたんですよ」って言ってふと気付いた。
彼女はノルマンディー出身、、、カルヴァドスやん!
ジャック・ローズのベースはカルヴァドスだ。
彼女に是非飲んでほしいと、コウヘイ君が勧めてジャック・ローズを作った。
とても気に入ってくれたみたいで、3杯飲んでくれた。
音楽はジェーン・バーキン。
なんか、、、とても楽しい時間が流れる。
人と音楽とお酒。
全てが揃った時にしか流れない時間。
最高だ。
帰り際、彼女は投げキッスをして帰って行った。
どうして外人さんがするとこんなに絵になるんだろ?
おまけにスタイルも良いし美人だから、柄にも無く照れる笑
ノルマンディー出身の子がカウンターでジャック・ローズを飲んでる。
そして、俺が出したジャック・ローズをずっと気に入って飲み続けてたコウヘー君。
バーテンダー冥利に尽きる。
幸せで心があたたかい。
ほんまにこの仕事は最高やわ。
辞めれるはずがない。
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