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「真正性」って聞いたことありますか?

お久しぶりです、ソニー広報部のSTです。突然ですが皆さん、「真正性(しんせいせい)」って聞いたことがありますか?日常生活ではあまり聞きなれない言葉ですよね。

私たちは日々、WEBサイトやSNSなどの膨大なデジタルコンテンツに触れています。このデジタル環境の進化とともに、生成AIによる写真作成や加工技術も急速に発展しています。生成AIはクリエイティブな表現の幅を広げる一方で、見分けがつかないほど高精度なフェイク画像が拡散するケースもあり、情報の信頼性やプライバシーに関する懸念も生まれています。このような状況において、特に報道機関では、政治や経済のニュース、事件・事故、スポーツイベントなど、正確で信頼できる情報を提供することがこれまで以上に重要となっています。

ソニーはこの世界共通の課題に向き合い、画像コンテンツの「真正性(=真実で正しいこと。本物であること。偽りでないこと。)」を検証する真正性カメラソリューションを報道機関向けに提供しています。そして本日6/26、真正性カメラソリューションの新機能として、画像の真正性情報を専用URLで外部共有できる「Camera Verify(カメラ ベリファイ(ベータ版)の提供開始を発表しました!

この記事では、ソニーがこれまで取り組んできた「真正性技術」の歩みをご紹介したいと思います!


真正性技術の開発、2022年からは国際標準化団体C2PAへの参画

ソニーは報道向けのカメラ機器や放送・編集などの映像ソリューションを展開するメーカーとして、クリエイターのコンテンツの真実性を守りその価値を高めるため、撮影データの「真正性(Authenticity)」を検証するカメラ技術の開発を進めてきました。一方、2021年に設立された業界団体Coalition for Content Provenance and Authenticity(以下、C2PA)は、情報源の信ぴょう性を証明する技術規格の開発を、設立の目的としています。C2PAはメディアコンテンツの出所や経緯を認証することで、偽情報や誤情報の拡散に対処し、デジタルコンテンツの信頼確立を目指しています。2022年1月には、デジタル来歴に関する世界初の業界標準仕様が発表されました。

ソニーはC2PAの趣旨に賛同し、2022年3月、運営委員会(Steering Committee Members)への参画を発表しました。映像制作や報道向けのカメラ機器、放送・編集などの映像ソリューションを幅広く展開している技術的知見を活かし、業界標準の策定と普及に貢献しています。また、偽情報対策とコンテンツ真正性の確立という共通課題に向けて、他の参加企業と連携しながら国際的な技術協力の一翼を担っています。

2023年 AP通信との実証実験へ

2023年には、AP通信と共同で、報道ワークフローにおける画像の真正性を証明する技術の実証実験を実施したことを発表しました。この技術は、カメラ内のハードウェアチップセットで撮影時に画像にデジタル署名を付与するもので、<カメラで撮影したことの証明>と<撮影時点から画像が改ざんされたことの検知>が可能になります。

2024年3月より、C2PA規格に対応した「真正性カメラソリューション」を一部報道機関向けに提供開始

2024年3月からはいよいよ、画像の真正性を検証する真正性カメラソリューションを一部報道機関に向けて提供開始しました。その後、対応機種の拡大や機能改善を積み重ね、2025年1月にはイメージ検証サイトおよび電子署名ライセンスの有償サービスを国内報道機関向けに提供開始し着実にサービスの幅を広げています。

対応機種、サービス拡張へ

現在の対応機種は、ミラーレス一眼カメラα™ (Alpha™)のフラッグシップモデル『α1 II』をはじめ『α1』『α9 III』『α7S III』『α7 IV』です。これらのカメラで撮影した画像には、来歴情報、カメラで撮影されたことの真正性情報、3D深度情報を含むメタデータがカメラ内デジタル署名としてリアルタイムに埋め込まれます。この電子署名によって、その画像がカメラで撮影されたものであることを検証できます(※)。対応機種は、今後も順次拡大していく予定です。

ソニーの真正性技術は、電子署名だけでなく、カメラのレンズとイメージセンサーから取得した3D深度情報を活用し、実在する被写体を撮影したのか、モニターなどに映った画像を撮影したのかを高精度に判別できるのが大きな特長です。これは、同一光軸上の同一センサーで画像と3D深度情報を同時取得する独自技術により実現しました。また、撮影者が変更できないサーバー取得の撮影日時情報も付与されるため、いつ撮影されたかの検証も可能です。一度付与されたデジタル署名は改ざんが極めて困難なので、後から「この画像は本物か?」を検証する際の決定的な証拠となります。

さらに、C2PA対応のアプリまたはソフトウェアを使用すれば、カメラ内で付与した電子署名を保持しつつ撮影後の編集情報の来歴(どこで、誰が、どのように作成・編集したか)も残すことで、画像の真正性を高いレベルで検証することができるのです。

※カメラ機能には有償の電子署名ライセンスが必要です。また、ライセンスの購入は一部の報道機関のお客様からの提供開始しています。

各国・地域で進む法制化の動き

AI開発に関しては、世界各国・地域で法制化の動きが進んでいます。欧州連合(EU)では2024年にAI規制法が発効され、域内で生成AIを提供する企業に対してAIで生成されたコンテンツであることを明確に開示させるなど透明性の義務を課しています。米国でも、カリフォルニア、フロリダ、テキサス、ニューヨークなど州単位でコンテンツの出所を明確にするための法案の議論が活発に進行​しているほか、中国、韓国などでもAIが生成したコンテンツを明示させる動きが広がっています。
日本では、2025年5月に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(通称AI推進法)」が国会で可決・成立しました。その基本理念の中で、AI関連技術に関する産業の国際競争力向上などを掲げると同時に、不正な目的又は不適切な方法で行われた場合のリスクに鑑みて、透明性の確保やその他の必要な施策が必要だと述べられています。

『見たものを信じられる』ために

デジタル時代において『見たものを信じられる』という基本的な信頼感は、新しく、大切な価値となりつつあります。ソニーの真正性技術は、クリエイターの表現の自由を尊重しながら、デジタルコンテンツの信頼性を高めるとても重要な取り組みです。これからのソニーの真正性カメラソリューションの進化にぜひご期待ください。

広報で初めて担当したのは“サイバーショット”でした。
今もRX100VIIを愛用しています。

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