次世代クリエイターが「空間コンテンツ制作」使ってみた…滋慶学園グループ企業プロジェクト
ソニー広報部のMTです。
今回は、ソニーの空間コンテンツ制作技術と、キャリアの入り口に立つ若いクリエイターのコラボレーションの様子をお届けします。
ソニーは年頭に米国・ラスベガスで開催されたCES 2025にて、空間コンテンツ制作を支援するソフトとハードが統合されたソリューション「XYN」(ジン)を発表しました。
「空間コンテンツ制作」と聞くと、バーチャル空間で体験するメタバースやVRゲーム、バーチャルSNS等を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし実は、映画やアニメといった2Dで楽しむコンテンツであっても、制作の現場では3DCGの活用が進んでいます。
たとえばソニーのモバイルモーションキャプチャ― mocopi®は、ソニーグループのアニメ制作会社 A-1 Picturesに活用いただいています。
また、インカメラVFX技術(カメラの撮影情報と連動した映像をLEDディスプレイに表示しその前で演者が演技を行う撮影手法)を用いたバーチャルプロダクションは、映画やテレビドラマ、ミュージックビデオ等の撮影で活用されています。
滋慶学園グループの企業プロジェクトに参加
このようにトッププロの制作現場で活用が進む空間コンテンツですが、ソニーでは、次世代のクリエイターに空間コンテンツ制作に積極的に触れてもらうべく、取り組みを行っています。
その一つとして、全国で80の専門学校を運営する滋慶学園グループと共同で、様々なバックグラウンドを持つ9つのチームが参加する企業プロジェクトを開催しました。このプログラムは滋慶学園グループがより実践的な教育を目的として、様々な企業の実際の製品開発や広告・パッケージデザイン、プロモーションなど多岐に渡る分野で企業と共同で実施しています。
今回ソニーが出したお題は、実在感のある高精細な立体映像(3DCG)を裸眼で見られる空間再現ディスプレイ(SRD)を使って、クリエイターのための新しい制作手法や、新しいサイネージ手法を提案すること。参加した学生の皆さんは、アニメ制作やeスポーツ、デザインやテクノロジー専攻など、様々なバックグラウンドを持っています。
キックオフから3か月でアプリ実装まで…最終審査の結果は
昨年10月にキックオフをしてから、中間審査を経て、1月中旬の最終審査まで約3か月。企画だけでもエントリーはできるのですが、最終審査に参加した9チーム中、なんと8チームがアプリの実装まで完了しており、この時点で既にレベルの高さを感じます。
品川のソニー本社で開催された最終審査では、各チームからのプレゼンの後にアプリのデモが行われました。

白熱したプレゼンテーションと厳正なる審査の結果、最優秀賞に選ばれたのは札幌デザイン&テクノロジー専門学校のチームが提案した「VTuberコンセプトカフェ」。なんと全員が1年生で構成されたチームです。
ゴーグルをつけずに、長時間快適に実在感ある立体映像を楽しめるSRDディスプレイの特長を活かし、推しのVTuberと対面している感覚を味わうことができるサービスです。


「推し活」経済を背景にした収益性や、具体的な検証を重ねた技術の裏付け、VTuberが自宅から勤務できるオペレーションやセキュリティ面に至るまで、あらゆる面でとてもレベルの高い提案でした。

審査員を務めた、ソニーのインキュベーションセンター副センター長 兼 XR事業開発部門 部門長の鈴木敏之さんは、「VTuberとコンセプトカフェを組み合わせたアイデアが秀逸で、企画面、技術面ともに内容がよく検討されており、ビジネスとして実際にトライアルできるレベルの内容になっていました。とくに企画面では、裸眼立体視ができるSRDという製品の特長をよく生かして、SRDを使う必然性がよく考えられていた。技術面では、SRDを2つ縦に連結するという最新の使用方法や、SRDとmocopiと組み合わせてVTuberの体の動きや表情を表現するという、技術的に高度な連携までチャレンジされていました」と評価のポイントを説明します。
今回の審査の様子や、最優秀賞に輝いた学生の皆さんのインタビューは、こちらのビデオからご覧いただけます。
また、優れた技術の提案に贈られるテクノロジー賞には、京都デザイン&テクノロジー専門学校のチームが輝きました。その提案は、3DCG技術や生成AIといった最先端の技術を活用して、コーディングや3Dモデル制作の専門知識がない人でも、3Dデータの生成やSRDを用いた展示を簡単に行えるようにするアプリです。
開発メンバーは「SRDと最新の技術を組み合わせてアプリを制作したので、アプリ自体のバグや、単体では動いても技術を組み合わせると動かないなどたくさんの問題にぶつかりました。アプリを提供できてほっとしています」と話してくれました。


テクノロジー賞のプレゼンターを務めたインキュベーションセンター・XR事業開発部門・ソフトウェア企画担当の内海 直人さんは「生成AIやクラウドとの接続など、技術的に一番尖った内容で、システムアーキテクチャからよく検討された提案でした。また、専門知識がなくても簡単に空間コンテンツを作って展示できるアイデアが素晴らしかったです。専門知識がなくても使える、というのはソニーでも同様に課題と感じており、そこにアプローチするプラットフォームを考えた点に非常に共感が持てました」と感心しきりでした。
そして、ビジネス面で優れた提案に贈られるビジネス賞は、名古屋デザイン&テクノロジー専門学校のチームが受賞しました。SRDの優れた空間表現を活かして、初めて名古屋を訪れる観光客向けのサイネージとして活用する提案です。例えば飲食店のメニューを立体表示することで、料理をより魅力的に見せたり、メニュー表では伝わりずらい料理のサイズを実寸で見せることができます。

審査を務めたSRD ビジネスデベロップメントマネージャーの時 雪さんは、「現在のインバウンド需要などをよく理解したうえで、外国人観光客をターゲットにビジネス化するアイディアが良かったです。採算モデルも盛り込まれていましたし、何よりSRDアプリの完成度が高く、直感的で納得性が上がり、素晴らしかったです」と評価していました。
空間コンテンツ制作テクノロジーで目指す世界…その一端に触れる機会
ソニーが目指すのは、空間コンテンツの制作ワークフローを変えて、より多くのクリエイターが効率的にアイディアを形にし、新しいエンタテインメントを生み出していく世界です。
優勝チームのメンバーが、「もともとアニメーションやゲーム制作に興味がありましたが、今回のプログラムを通して、バーチャルコンテンツの制作にも興味が湧いてきました」と熱く語ってくれたように、テクノロジーがクリエイターのクリエイティビティを刺激する様子を目の前で見ることができました。

冒頭にご紹介した通り、空間コンテンツをコンテンツ制作に取り入れる動きは、すでに様々な領域で広がりつつあります。しかしその技術やソリューションはまだまだ大きく発展の余地があり、ソニーはそこに注力しています。新しい技術とクリエイターが触発しあって未来のエンタテインメントを作りだす様子を、今後もご紹介していきたいと思います。ぜひご注目ください。
関連情報
ソニーの空間コンテンツ制作ソリューション、「XYN™」(ジン)の公式Xアカウント:Sony l XYN
ソニーの空間コンテンツ制作ソリューション、「XYN™」(ジン)の公式YouTubeアカウント:Sony l XYN

