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【たいけん(Se-Ni)型の親の子育て】親子の「見えている世界」を心理機能で翻訳する

親だからといって、すべての子どもの見ている世界が自然にわかるわけではない。

愛しているし、大切に思っている。
だからこそ、

「とりあえずやってみたら?」
「考えているだけじゃわからないよ」
「今できることからやればいいんじゃない?」

そうやって、子どもが実際に動き出せるように背中を押すことも、親として自然なことだと思います。

それなのに、

「やる前からあれこれ考えて、全然動かない」
「そんな先のことまで心配しなくてもいいのに」
「前はこうだったって言うけど、今は今じゃない?」

そんなすれ違いが起こることがあります。

それは愛情の問題ではなく、親と子で「世界の情報を受け取るときのスタート地点」が違うからかもしれません。

このシリーズでは、そんな親子の「わからない」を、MBTIの心理機能を使って少しだけ翻訳してみます。

今回は、Se-Niを使う「たいけん型」の親について考えます。

※実際の親子関係には、年齢、発達、環境、経験などさまざまな要因があります。ここではあくまで、心理機能という一つの視点から考えてみます。


4つの「感覚タイプ」について

このシリーズでは、Ni-Se、Se-Ni、Ne-Si、Si-Neという4つの知覚機能の組み合わせに、わかりやすいよう私なりの名前をつけています。

どれが正しい、優れているという話ではありません。

世界を見るとき、最初に注目する場所が違う。

今回は、たいけん型の親から、それぞれの子どもがどう見えるのかを考えてみます。


「たいけん型」の親の特徴

たいけん型(Se-Ni):ESTP・ESFP・ISTP・ISFP

たいけん型の親は、子どもが何かに困っているとき、

「今、何が起きている?」
「実際にやってみたらどうなる?」
「まずできることからやってみよう」

と、目の前の現実へ意識が向きやすい親です。

子どもが何かをやりたがっているなら、まず試してみる。
うまくいかなければ、そのとき考える。

子どもが困っているなら、まだ起きていない未来を心配するより、「じゃあ今、何ができる?」と考える。

つまり、「今起きていることを見る」→「実際に動いて確かめる」という形で、子どもを理解しようとしやすい親です。

(1)強み――子どもに「実際に生きる経験」を渡しやすい

たいけん型の親の大きな強みは、子どもが自分で経験する機会を大切にしやすいことです。

たとえば、「やってみたい!」と子どもが言ったとき、

「失敗したらどうするの?」
「もう少し考えてからにしたら?」と止めるより、

「いいじゃん、やってみたら?」と背中を押しやすい。

そして失敗しても、「じゃあ次どうする?」
と、そこからまた考えることができます。

転んだこと。
失敗したこと。
思っていたより楽しかったこと。
思っていたのと違ったこと。

そうした実際の経験そのものを、子どもの学びとして受け止めやすい親です。

子どもにとって、「自分でやって、自分で確かめていい」と思える環境をつくりやすいことは、たいけん型の親の大きな強みだと思います。

(2)弱み――「まだ起きていないこと」を軽く見やすい

一方で、この強みはそのまま弱みにもなります。

子どもが、

「もし失敗したらどうしよう」
「この先こうなったら困る」
「前に嫌なことがあったから、また同じことになりそう」

と話していると、

「まだ起きてないじゃん」
「やってみないとわからないよ」
「そんなに考えすぎなくても大丈夫」

と言いたくなることがあります。

親としては、現実に起きていないことで苦しまなくてもいいと思っているだけです。

でも子どもによっては、動き出す前に、

未来を考えること。
いろいろな可能性を想像すること。
これまでの経験を振り返ること。

が必要です。

たいけん型の親にとって大切なのは、
「まだ起きていないことを考える時間も、その子にとっては現実に向き合うための準備なのかもしれない」
と考えてみることなのだと思います。

(3)こんな言葉を使いやすい

たいけん型の親が自然に使いやすいのは、

「とりあえずやってみよう」
「やってみないとわからないよ」
「今どうなってるの?」
「じゃあ今できることは?」
「そのとき考えればいいよ」

といった言葉です。

これで、「そうだね!やってみる!」となる子もいます。
一方で、「だから、やる前に考えたいんだって!」となる子もいます。


① たいけん型の親 × みとおし型の子

みとおし型(Ni-Se):INFJ・INTJ・ENFJ・ENTJ

みとおし型の子は、目の前の出来事を見ながら、
「この先どうなる?」「これは何につながっている?」
と、その先にある意味や流れを考えます。

たいけん型の親が今ここを見ているとき、みとおし型の子はその先を見ています。

(1)理解しやすいこと――考えたことを現実で試せる

みとおし型の子が、

子「こうしたら、たぶんうまくいくと思う」
親「じゃあやってみよう」
子「うん」

となれば、とても強い組み合わせです。

子どもが方向を考え、
親が現実に動かす。

子どもの頭の中にあるものを、「じゃあ実際に試してみよう」と現実へつなげてあげることができます。

考えるだけで動けなくなっている子にとって、たいけん型の親の行動力は大きな助けになることがあります。

(2)すれ違いやすいこと――「考えすぎ」に見える

一方で、みとおし型の子が、

子「でも、これをやったらあとでこうなるかもしれない」
親「まだわからないでしょ?」
子「でもたぶん……」
親「やってみてから考えたら?」

となることがあります。

親からすると、「まだ何も起きていないのに、どうしてそんなに考えるんだろう」と見える。

でも子どもにとっては、先を考えること自体が、行動するための準備です。
頭の中である程度道筋が見えないと、動きにくいことがあります。

(3)対応のポイント――少しだけ「この先」を一緒に見る

すぐに「やってみよう」と言う前に、
「あなたは、この先どうなると思ってる?」
と聞いてみる。

そして、

「なるほど。そこが心配なんだね」
「じゃあ、それが起きたらどうする?」

と少しだけ未来を一緒に考える。

全部の不安をなくす必要はありません。

見通しを少し持てたところで、「じゃあここまでやってみようか」と現実へ戻してあげる。
たいけん型の親の強みが、みとおし型の子を現実へ連れ出す力になります。


② たいけん型の親 × たいけん型の子

たいけん型(Se-Ni):ESTP・ESFP・ISTP・ISFP

同じたいけん型の親子は、「まずやってみよう」が通じやすい組み合わせです。

(1)理解しやすいこと――「やってみたい!」を共有しやすい

子「これやってみたい!」
親「いいね、やってみよう」
子「今から?」
親「今から!」

というように(笑)、話が早い。

一緒に出かける。
作ってみる。
触ってみる。
試してみる。

経験を共有することそのものが、親子のコミュニケーションになりやすい組み合わせです。

また、失敗しても、「まあ、やってみたからわかったね」と切り替えやすいでしょう。

(2)すれ違いやすいこと――親子そろって「あとで考える」

一方で、親子ともに今の勢いで動きすぎることがあります。

子「これ欲しい!」
親「いいじゃん!」
子「買おう!」
親「買っちゃうか!」

――あとから、「これ、どこに置く?」となる(笑)。

楽しいことや目の前の出来事に強いぶん、

準備。
長期的な計画。
あとで起こる問題。

が後回しになることがあります。

また、子どもが「大丈夫」と言えば、親も「大丈夫そうだな」と判断し、小さな変化の積み重ねを見逃してしまうこともあります。

(3)対応のポイント――動く前に「一個だけ先を見る」

たいけん型同士に、長い計画は必要ありません。

むしろ、「このあと何が起こりそう?」を一つだけ考える。

「これ買ったらどこに置く?」
「明日の朝、困らない?」
「これを続けたらどうなりそう?」

くらいで十分です。

今を楽しむ力を失わず、ほんの少しだけ未来を見る。

それだけでも、たいけん型親子の行動力はかなり安定します。


③ たいけん型の親 × ひらめき型の子

ひらめき型(Ne-Si):ENFP・ENTP・INFP・INTP

ひらめき型の子は、一つのことから、
「こんなのもあるかも」「じゃあこれは?」「ほかには?」
と、可能性をどんどん広げます。

たいけん型の親も新しいものには比較的反応しやすいので、一緒に楽しめる部分もあります。

ただし、
たいけん型は「実際にやる」へ向かいやすく、ひらめき型は「考えること自体」を楽しみやすい。
ここが大きな違いです。

(1)理解しやすいこと――新しいものを一緒に楽しめる

子「こんなの思いついた!」
親「面白そう!」
子「じゃあ、こういうのもできるかも」
親「やってみる?」

というように、子どもの新しい発想を面白がりやすい。

ひらめき型の子が考えたことを、たいけん型の親が、「じゃあ試してみよう」と現実にしてあげることもできます。

アイデアと行動がうまく組み合わされば、とても楽しい親子です。

(2)すれ違いやすいこと――「で、やるの?やらないの?」

問題は、ひらめき型の子が別に実行したいわけではないことがあることです。

子「こんなお店作ったら面白そう」
親「じゃあ何か作って売ってみる?」
子「いや、別にそこまでは……」
親「え、やらないの?」

親からすると、「そんなに楽しそうに話してたのに?」となります。

でも子どもは、ただ可能性を考えて楽しんでいただけかもしれません。

また、

「これやりたい!」
「やっぱりこっち!」
「いや、これも!」

と次々変わる子どもに、「結局何がしたいの?」とイライラすることもあります。

(3)対応のポイント――「話したい」と「やりたい」を分ける

子どもがアイデアを話しているとき、
「それ、やってみたい話? それとも考えるのが楽しい話?」
くらいに分けてみる。

実行したいなら、たいけん型の親の出番です。
でも、考えているだけなら、少しその世界に付き合ってみる。

すべてのアイデアを現実にしなくてもいい。

ひらめき型の子にとっては、可能性を広げること自体が、大切な「世界の見方」だからです。


④ たいけん型の親 × けいけん型の子

けいけん型(Si-Ne):ISTJ・ISFJ・ESTJ・ESFJ

けいけん型の子は、「前はどうだった?」「いつもはどうしている?」と、自分の経験や慣れたやり方を土台に世界を捉えます。

たいけん型の親が今ここを見ているとき、けいけん型の子はこれまでの積み重ねを見ています。

(1)理解しやすいこと――具体的な現実を共有しやすい

どちらも、抽象的な話だけで考えるより、
実際に起きたこと、具体的な出来事を大切にします。

子「昨日これで失敗した」
親「じゃあ今日はこうしてみる?」
子「前はこっちならできた」
親「じゃあそれでやろう」

というように、子どもの経験をもとに、親が今できることを考える。

「実際にどうだった?」という話が通じやすい組み合わせです。

(2)すれ違いやすいこと――「今変えればいいじゃん」が通じない

たいけん型の親は、「今の状況なら、こっちのほうがよさそう」と思えば、その場でやり方を変えることがあります。

でも、けいけん型の子は、

「いつもこれなのに」
「昨日までこうだった」
「急に変えたくない」

と感じることがあります。

親からすると、「今こっちのほうがいいんだから、変えればいいじゃん」となる。

でも子どもにとって、慣れたやり方は単なるこだわりではなく、「これなら大丈夫」という安心の土台でもあります。

(3)対応のポイント――変える前に「いつも」を確認する

すぐに新しい方法へ移る前に、「今まではどうしてた?」と聞いてみる。

そのうえで、

「そこは今までと同じ」
「ここだけ変えてみよう」
「嫌だったら戻してもいいよ」

と伝える。

たいけん型の親にとっては小さな変更でも、子どもにとっては大きな変更かもしれません。

子どもの「これまで」を確認してから、「今」に連れてくる。
それだけで、かなり安心して動けるようになります。


「まずやってみよう」が自然な親だからこそ

たいけん型の親にとって、
目の前の現実に触れ、自分で経験してみることは、とても自然な学び方なのだと思います。

だからこそ、

先のことをずっと考えている子。
アイデアばかり広げて動かない子。
いつものやり方からなかなか離れない子。

そんな子どもを見ると、「考えてないで、とりあえずやってみたらいいのに」と言いたくなる。

でも、

みとおし型は、まず「この先は?」
たいけん型は、まず「今は?」
ひらめき型は、まず「ほかには?」
けいけん型は、まず「前は?」

から世界を見ます。

だから、子どもがすぐに動いてくれないとき、

「この子は行動力がない」のではなく、「動く前に、私とは違う情報を集めているのかもしれない」

と考えてみる。
そして、

「私は、この子の『この先』『可能性』『これまで』を飛ばして、今ここへ連れてこようとしていないだろうか?」

と考えてみる。

たいけん型の親の「まず経験させてあげたい」は、大きな強みです。

それを捨てる必要はありません。
ただ、子どもによっては、

少し先を見通してから。
いろいろな可能性を広げてから。
これまでの経験を確認してから。

ようやく、親と同じ「今ここ」へやって来られることがあります。

心理機能は、子どもを「育てやすい・育てにくい」と分類するためではなく、親からは見えにくい、子どもの世界の見え方を翻訳するために使う。

「なんでやってみないの?」が、「ああ、この子はいま、動く前に私とは違う場所を見ているのか」に変われば、

たいけん型の親の行動力は、子どもを無理に動かすものではなく、子どもが自分のタイミングで一歩踏み出すとき、その経験を一緒に楽しめる力になっていくのではないかと思います。


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