見出し画像

【ESTPの作品かも】~まず生きる。答えはそのあとについてくる~

これまで、いろいろなMBTIタイプについて、「作品にも、作者が使いやすい心理機能の癖が現れるのでは?」という仮説で考えてきました。

今回は、ESTPっぽい作品について考えてみます。

もちろん、作者本人のMBTIを断定するものではありません。

あくまで、「作品には、作者が普段使っている心理機能の癖が現れるのではないか?」という私なりの仮説から、作品を眺めてみるシリーズです。

私の今の仮説は、こんな感じです。

第1機能=作品全体に流れる、表のテーマ
作者が自然に見てしまう世界。作品全体の価値観として現れる。

第2機能=物語を支える機能
第1機能で描かれた世界に、理由や構造を与える。

第3機能=物語の帰結。あるいは裏のテーマ
物語を通して主人公が最終的にたどり着く、大切なもの。

第4機能=物語が行き詰まったとき、意識して使われる機能
主人公にとって簡単には扱えず、だからこそ葛藤や成長として描かれやすい。

ESTPの心理機能は、

Se(外向的感覚)
Ti(内向的思考)
Fe(外向的感情)
Ni(内向的直感)

です。

この4つを物語に当てはめてみると、ESTPらしい一つの流れが見えてきます。




第1機能:表のテーマSe――「まず、現実に飛び込んでみる」

ESTPの主機能は、Se(外向的感覚)です。
Seが見ているのは、「今、ここで実際に何が起きているのか」
頭の中で未来を予測し続けるよりも、

「やってみればわかる」
「行ってみよう」
「とりあえず動こう」

と、現実そのものに触れにいきます。
そのためESTPっぽい作品では、主人公がとにかくよく動きます。

事件が起きる。
追いかける。
逃げる。
戦う。
誰かに会う。
面白そうなものを見つける。

そして、動いた先で新しい情報を手に入れ、さらに次の行動を決めていく。

未来から逆算して現在を決めるというより、
「今こうなっている。じゃあ、次はこうしよう」の連続です。

人生の意味を考えてから生き始めるのではなく、

先に生きる。

その結果として、物語がどんどん動いていく。
これがESTP作品の大きな特徴なのではないかと思います。


第2機能:物語を支えるTi――「この状況、どうやったら突破できる?」

とはいえ、ESTPは単なる勢い任せではありません。
Seで現実を捉えたあと、その状況をTi(内向的思考)で整理します。

「相手は何を狙っている?」「このルール、本当に守る必要ある?」
「ここを使えば突破できるんじゃない?」
「それなら、こうすればいいじゃん」

ESTPの面白さは、

現場で情報を拾いながら、その場で攻略法を組み立てていくこと

にあります。

最初に完璧な計画を作り、その通りに進めるわけではありません。
状況が変われば、やり方も変える。
予定外のことが起きても、

「じゃあ、こっちでいこう」

と、その場で組み替える。
しかもTiなので、「一般的にはこうするべき」より、

「いや、今の状況ならこっちの方が筋が通ってない?」

という判断をしやすい。

だからESTP作品では、主人公の機転や駆け引き、現場対応力そのものが、物語の面白さになりやすいのではないかと思います。


第3機能:物語の帰結Fe――「結局、人がいるから面白い」

そしてESTPの第3機能は、Fe(外向的感情)です。
ここが、ESTP作品の面白いところだと思います。

最初は、

「面白そうだから」
「やってみたいから」
「勝ちたいから」
「楽しそうだから」

と動いていたはずなのに、
物語が進んでいくと、いつの間にかそこに人との関係ができています。

仲間。
ライバル。
家族。
相棒。
恋人。
その場で出会った人たち。

最初から「人との絆こそ人生で最も大切だ」と掲げているわけではありません。
むしろ本人は自由に動き回っている。
なのに、気づけば誰かを助けている。

誰かのために危険な場所へ戻っている。
一人で逃げればいいのに、仲間を置いていけない。

つまり、

現実に飛び込んだ結果、人と出会う。

そして、

その人たちとの関係が、いつの間にか人生の大切なものになっている。

これがESTP作品の裏テーマになりやすいのではないでしょうか。


第4機能:葛藤するNi――「今だけでは、どうにもならない」

そしてESTPの第4機能が、Ni(内向的直感)です。
Niは、今目の前にある現実ではなく、

「この先どうなるのか」
「これはどこへ向かっているのか」
「自分は何のためにこれをしているのか」

と、物事の先にある意味や未来を見ようとします。

ESTPは、「今」に対してとても強い。
目の前で問題が起これば、その場で何とかすることができます。
だからこそESTP作品の葛藤は、

「今を何とかするだけでは解決できない問題」

として現れやすいのではないでしょうか。

今日助ければ終わりではない。
今日勝てば終わりでもない。
今までと同じ生き方を、この先も続けられるとは限らない。
大切な人ができれば、自分の行動はその人の未来にも影響する。

そこで初めて、

「この先どうする?」

という問いが生まれる。

面白いのは、ESTPが未来を考えるきっかけには、Feが関わることが多いのではないか、ということです。

自分一人なら、今日を楽しんでいればいい。
でも、大切な人ができた。
守りたい人ができた。
自分より若い世代ができた。

そのとき初めて、

「この人の明日はどうなる?」

を考えなければならなくなる。

つまりESTP作品では、

人と関わることで、「今」だけではなく「未来」を見る必要が生まれる。

そんな成長が描かれやすいのかもしれません。


作品紹介①:『ルパン三世』

ESTPっぽい作品として、まず思い浮かぶのが『ルパン三世』です。

ルパンは、とにかくSe的。

面白そうなお宝がある。
盗みに行く。
罠にかかる。
逃げる。
追われる。
また何かを思いつく。

物語は常に、現実の状況変化によって動いていきます。

そして、それを支えているのがTi。
ルパンは力押しで突破するだけではありません。
相手の仕組みを読み、裏をかき、変装し、道具を使い、その場その場で作戦を変えていく。

Seで現場を読み、Tiで攻略する。

かなりESTPらしい動きです。
ところが、そんなルパンは完全な一匹狼ではありません。

次元がいる。
五ェ門がいる。
不二子がいる。
そして、追い続ける銭形がいる。

本人は誰より自由に生きているように見えるのに、その人生はずっと人との関係の中で成立しています。

誰にも縛られたくない。
でも、誰とも関わらずに生きたいわけでもない。
自由に走り回りながら、結局いつもの人たちのところへ帰ってくる。

ここには、第3機能Fe的な世界があるように思います。

そしてルパンのNiは、少し特殊です。
彼はそもそも、未来を固定しようとしません

「この仕事を最後に引退しよう」
「この先はこう生きよう」
「最終的にここへ辿り着こう」

そんな人生設計とは、かなり遠いところにいる。
だからこそ、

「この生き方を、いつまで続けるのか?」

という問いそのものが、ルパンにとってNi的なのかもしれません。

いつか終わるかもしれない。
仲間と別れる日が来るかもしれない。
今の自分ではいられなくなるかもしれない。

それでもルパンは、未来を決めることで安心しようとはしない。
結局また、次のお宝を追いかけて走り出す。

未来を固定するのではなく、今を生き続けることで未来を作る。

これもまた、一つのESTP的な答えなのではないでしょうか。


作品紹介②:『GTO』

『GTO』の鬼塚英吉も、かなりESTP的な主人公に見えます。
そもそも鬼塚は、立派な教育理念を掲げて教師になるわけではありません。
動機からして、かなり俗っぽい…。

でも実際に学校へ入り、生徒と関わり始めると、
鬼塚はとにかく現場へ飛び込んでいきます。

生徒に問題が起きた。
本人のところへ行く。
話す。
一緒に行動する。
必要なら無茶をする。
教師として正しい方法を会議室で考えるより、

「目の前のこいつを、今どうにかする」

というSe的な動きが先にあります。

そして、その解決方法を支えているのがTiです。
学校には、

「教師とはこうあるべき」
「生徒にはこう指導するべき」
「組織としてこう対応するべき」

というルールがあります。

でも鬼塚は、それだけでは動きません。
目の前の状況を見て、

「いや、それおかしくね?」

と、自分なりに筋を通そうとする。
その結果、解決方法はめちゃくちゃだったりします(笑)。
でも、

Seで現実を見て、Tiでその場の突破口を作る。

この流れは非常にESTP的です。

そしてGTOで特に面白いのが、Feです。
鬼塚は最初から、

「子どもたちの未来のために、人生を教育に捧げます」

という人物ではありません。
ところが実際に生徒と関わると、

放っておけなくなる。

困っている。
傷ついている。
誰にも助けてもらえない。
だったら自分が行く。

そうやって一人ひとりと関わるうちに、ただ「教師になりたかった男」が、

人との関係の中で、本当に教師になっていく。

ここに第3機能Feがよく現れているように思います。

そして、人を大切にするようになったからこそ、Niの問題も出てきます。
今日、生徒を助ければ終わりではありません。

その子には明日がある。
卒業後もある。
人生が続いていく。

「今この瞬間を助けるだけで、本当にこの子を救ったことになるのか?」

という問題に、いつかぶつかる。

鬼塚自身は、未来について延々と思索するタイプではありません。

それでも、

「こいつがこの先ちゃんと生きていけるように、今俺に何ができる?」

とは考える。つまり、

人と本気で関わった結果、その人の未来まで考えざるを得なくなる。

GTOは、ESTPのFeからNiへの流れが、とてもわかりやすい作品なのではないかと思います。


作品紹介③:『トップガン マーヴェリック』

そしてESTPの心理機能の流れが特にきれいに見えると思うのが、『トップガン マーヴェリック』です。

マーヴェリックは、圧倒的に「現場」の人です。

実際に飛ぶ。
自分で確かめる。
限界まで機体を操る。
理論上できるかどうかではなく、

「俺がやってみせる」

ことで証明してしまう。

Seの強さが、そのまま主人公の能力になっています。
そして飛行中には、刻々と変化する状況を読みながら瞬時に判断する。
ここをTiが支えています。

ところが今作のマーヴェリックは、若い頃のようにただ「今」を生きているだけではいられません。

年齢を重ねています。
過去があります。
そして、自分より若い世代がいます。

いつまで自分は飛び続けるのか。
自分の技術をどう残すのか。
次の世代をどう生かすのか。

物語そのものが、

Seで「今」を生きてきた人間に、Ni的な「この先」を突きつける構造

になっています。

そして彼が未来について考えざるを得なくなる最大の理由も、やはり「人」です。

ルースター。
かつての仲間。
次世代のパイロットたち。

自分一人なら、今まで通り好きに飛んでいればいい。
でも、大切な人の未来まで背負うようになったとき、それでは済まなくなる。

誰かを大切にするからこそ、自分の先のことも考えなければならなくなる。

FeがNiを引っ張り出す。
そんなESTPの成長物語として、とてもきれいな形なのではないでしょうか。


まとめ…ESTP作品は「考えてから生きる」のではなく、「生きながら答えを見つける」

3作品を並べてみると、ESTP作品には共通する流れがあるように思います。

現実に飛び込む。――Se

その場で状況を読み、突破口を見つける。――Ti

そこで人と出会い、大切な関係ができる。――Fe

そして人を大切にするようになったからこそ、

「この先どうする?」という問いにぶつかる。――Ni

でも、ESTPは最初から人生の答えを持っているわけではありません。

むしろ、答えがわからなくても、とりあえず生きてみる。

動く。失敗する。勝つ。負ける。
遊ぶ。誰かと出会う。誰かを好きになる。
誰かを助ける。

そうやって現実を生きているうちに、

あとから「大切なもの」ができてくる。

そして大切なものができたから、初めて未来を考える。

だからESTP作品を一言で表すなら、

「まず生きる。答えはそのあとについてくる。」

なのかもしれません。
人生の意味を見つけてから、生き始めるのではない。

生きた軌跡そのものが、あとから人生の意味になっていく。

そんな物語が、ESTPらしいのではないでしょうか。

いいなと思ったら応援しよう!