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50代、初めてのハローワーク。30年ぶりの履歴書を書いたら仕事が決まった

30年働いた仕事を退職して約半年。

私が仕事を探し始めたきっかけは、自分の将来を考えたからでも、そろそろ外で働きたくなったからでもありません。

娘の留年危機でした。

「もし留年するなら、その分の学費は自分で払いなさい」

そう言って、まず娘に学費がいくらかかるのか計算させました。

実際に金額を出してみると、当然ですが、アルバイトをしてすぐに貯められるような額ではありません。

自分で払いなさいと言ったものの、これはなかなか大変だぞ。

そう思っているうちに、なぜか私まで焦ってきました。

「私も働いた方がいいのかも?」

退職してからはブログを書いたり、今までできなかったことをやったりしていて、すぐに次の仕事をするつもりはありませんでした。

それなのに、娘の学費を計算したことをきっかけに、急に「働く」という選択肢が現実味を帯びてきました。

そこで、人生で初めて仕事を探すためにハローワークへ行ってみることにしました。

50代の事務職、思っていたより厳しいらしい

私は30年間、同じ仕事を続けてきたので、転職活動をしたことがありません。

当然、今の仕事探しの事情もよく分かっていません。

正社員ではなくパートだし、週に何日か、家から通いやすいところで事務の仕事が見つかったらいいな。

最初はそのくらいに考えていました。

ところがハローワークで話を聞いてみると、どうやらそんなに簡単でもないらしい。

年齢的にも厳しいこと、事務職は人気があること。さらに私が希望している時間帯は、同じような働き方を希望する人が多く、取り合いになりやすいと言われました。

一つ応募して結果を待つというより、ある程度は応募する数も必要になるそうです。

「決まらなくても落ち込まなくていいですからね。すぐ次にいきましょう」

そんなことまで言われました。

え、そんなに厳しいの?

30年間ずっと同じ仕事をしてきたので、50代の自分が今の求人市場でどのくらいなのか、考えたこともありませんでした。

何かしら見つかるだろうと思っていたけれど、どうやらそう簡単ではないみたいです。

30年ぶりの履歴書で手が止まる

それでも求人を見ていると、応募してみたいと思える事務の仕事が見つかりました。

そこで次に待っていたのが履歴書です。

最後に履歴書を書いたのは20代のころなので、ほぼ30年ぶり。

氏名、住所、学歴、職歴。このあたりまでは何とかなります。

でも、志望動機で手が止まりました。

何て書けばいいんだっけ?

さらに「アピールポイント」「職務要約」「活かせる経験・スキル」と、次々に分からないものが出てきます。

職務要約と職務経歴って何が違うの?

アピールポイントと活かせる経験は同じじゃないの?

そもそもパートの応募に職務経歴書まで必要なの?

30年間、履歴書を書く必要がなかったということは、それだけ長く働けたということなのでありがたいのですが、その代わり、私の就職活動の知識は30年前で止まっていました。

完全に浦島太郎です。

30年働いてきたのに、「私、何ができるんだ?」

今回探していたのは事務の仕事です。

でも、私はこれまで事務職として働いたことがありません。

求人票を見ると、会計ソフト、社会保険、雇用保険、簿記など、今までの仕事ではあまり関わることのなかった言葉が並んでいます。

30年も働いてきたのに、違う職種の求人を前にした途端、

「私、何ができるんだ?」

となりました。

そこで、分からないことはチャッピーに聞きながら、これまで自分がやってきたことを一つずつ出してみることにしました。

WordやExcelへの入力、書類作成、文章の確認や推敲、人のシフトや休暇の管理、電話や来客対応、外部機関との連絡や調整。

こうやって一つずつ並べてみると、事務の仕事にも使えそうな経験が意外とありました。

自分では、それを「事務経験」と考えたことがありませんでした。

ずっと同じ仕事をしていると、必要だからやる、それが自分の仕事だからやる、というだけで、一つひとつを「これは私のスキル」と考えることなんてなかったんです。

「期限を守る」もアピールポイントになるの?

チャッピーと履歴書を作っていて意外だったのが、「期限を守って仕事をしてきたこともアピールになる」と言われたことでした。

いや、期限は守るでしょ。仕事なんだから。

最初はそう思いました。

でも考えてみれば、私は期限についてはかなり気にして仕事をしていました。提出日が決まっているものはそこから逆算して準備するし、人のシフトや休暇を調整するときは、一つ間違えるとその人の予定にも影響するので何度も確認していました。

自分にとっては当たり前だったことでも、それを長く続けてきたのであれば、経験の一つとして書いていいらしい。

履歴書を書くというのは、自分をよく見せるための文章を書くことだと思っていました。

でも実際にやってみると、30年間の中で「当たり前すぎて数えていなかったもの」を拾い直す作業なのかもしれません。

「落ちても落ち込まない。次、次」と思っていたら

なんとか履歴書と職務経歴書を完成させて、まず1社応募しました。

ハローワークで言われたことを思い出します。

年齢的にも厳しい。事務職は人気。希望する時間帯も応募が多い。

だから、最初から決まるなんて思わない方がいい。もしダメでも落ち込まず、次にいこう。

そのくらいの気持ちで面接に行きました。

ところが、

決まってしまいました。

1回目の面接で。

しかも、勤務日数も勤務時間も通いやすさも、すべて私が希望していた条件です。

何社くらい受けることになるんだろうと思っていたので、自分でもびっくりしました。

もちろん、「50代でも簡単に仕事が見つかる」ということではなく、たまたま求人が出たタイミングと、先方の条件と、私の希望がうまく重なったのだと思います。

でも、30年ぶりに書いた履歴書を持って行った最初の面接で決まるとは思っていませんでした。

決まったら決まったで、今度は不安

仕事が決まってホッとしたはずなのですが、まだ初出勤していません。

今度は別の不安が出てきました。

これまで30年間やってきた仕事とは、まったく違う分野です。

知らない言葉もあるし、やったことのない仕事もあります。

ちゃんと覚えられるかな。迷惑をかけないかな。久しぶりに働く生活に戻れるかな。

50代になって、こんなに「初めて」が続くとは思っていませんでした。

初めて仕事を探しに行ったハローワーク。

30年ぶりの履歴書。

初めての職種への応募。

そして、これから初出勤です。

まだ働いてもいないので、この先どうなるのかは全然分かりません。

今は楽しみというより、ちょっとドキドキしています。

そして、そもそものきっかけだった娘は……

無事、留年を回避しました。

よかった。本当によかった。

……ん?

私、働かなくてもよかったんじゃない?

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