秋の気配と、焚き火と言葉のいらない夜
秋の風が少しずつ混じり始めると、心のどこかで「そろそろだな」とスイッチが入る。
慌ただしい日常を少しだけ離れて、ただ焚き火の爆ぜる音に耳を傾ける。あの時間が恋しくなる季節が、今年もやってきた。
秋という、最高のシーズン
キャンプの楽しみ方は人それぞれだけど、私にとって譲れないのは「気候」だ。
夏の勢いのあるキャンプも悪くはないけれど、汗だくになるほどの暑さだけはどうしても厳しい。しとしととテントを叩く雨の音を聞きながら過ごす静かなキャンプも乙なものだが、やっぱり澄んだ空気と少し肌寒いくらいの秋が一番しっくりくる。
長袖を一枚羽織るくらいの涼しさが、火の暖かさをより一層愛おしくさせてくれるのだから。
言葉のいらない、夜の自由
現地に着いたら、お気に入りのツマミをゆっくりと準備する。
グラスにお酒を注ぎ、火を起こす。揺れる炎を眺めながら、ゆっくりと酒を口に含む。普段はまったく吸わない煙草に火をつけてみるのも、この場所だけの特別な儀式だ。紫煙が秋の冷えた空気に溶けていくのを、ただぼんやりと眺める。

陳腐な言い方かもしれないけれど、ここには本当に「言葉」がいらない。何をするでもなく、ただそこにいて火を育てる。それだけで胸の奥がじんわりと満たされていく。
行く前も、帰った後も
思えば、キャンプの楽しみは現地にいる時間だけじゃない。
「何を仕込んで持っていこうか」「どのギアを選ぼうか」と道具を揃える出発前の高揚感。そして、家に無事帰ってきてから、薪の匂いが染み付いたギアを一つひとつ手入れする片付けの時間。
そのすべてを含めて、僕にとっての「キャンプ」なんだと思う。
季節は巡り、いよいよ絶好の季節がやってくる。
さて、次の休みの天気予報はどうだろう。そろそろ、パッキングを始めようかな。
