技術士・総監対策|BCPとデータ駆動型判断を学ぶ【又三部長 第47話】
この話で学べる技術士・総監テーマ
今回のテーマは「データ駆動型BCP」です。
総合技術監理で重要となる、災害・事故発生時の事業継続、限られた資源の優先配分、リアルタイム情報を活用した意思決定について、又三部長と大谷課長のストーリーを通して整理します。
経験や勘だけに頼らず、データを使って状況変化を捉え、復旧の優先順位を判断する考え方を学びたい方におすすめです。
前話では「サイバーレジリエンス」を扱っています。
あわせて読むと理解がつながります。👇
第1章:マニュアルを破り捨てる大谷課長
大規模な防災訓練の真っ最中。
又三部長が、分厚い紙のBCPマニュアルを開いた。
🥸 又三部長
まずは経験上、A路線の復旧を優先や!
号令をかけようとした、その瞬間。
大谷課長が猛ダッシュで飛び込んできた。
そして、又三部長の手からマニュアルを奪い取る。
代わりにデスクの上へドンッと置いたのは、
リアルタイムで赤く明滅する
AI被害予測ダッシュボードだった。
🤪 大谷課長
ストップ、ストップです!
部長、過去の経験則だけで
復旧の優先順位を決めるのは、今すぐやめてください!
資源工学の現場なら、
落盤している坑道に
目隠しで突撃するようなものです!
紙のマニュアルだけを見るのではなく、
今この瞬間に何が起きているのかを見てください。
災害時の状況は、刻一刻と変化します。
🥸 又三部長
これ、大谷!
お前、わてが30年の現場経験で叩き込んだ
BCPマニュアルをなんちゅうことすんのや!
災害時っちゅうのはな、
通信も途絶えるかもしれんのやぞ!
画面なんか見てる暇があったら、
長年の勘と度胸で、
とにかく一番デカい道路から直していくんが
現場の鉄則やろが!
🤪 大谷課長
その勘と度胸が、
今回は逆に危険かもしれないんです!
🥸 又三部長
なんやと!
第2章:昭和の経験則と、動的評価
又三部長はダッシュボードを押し退け、
壁に貼られたアナログな地図を指差した。
🥸 又三部長
見てみい!
A路線は主要幹線や。
ここを開ければ、復旧効果も大きい。
わての30年の経験が、そう言うとる!
🤪 大谷課長
でも、部長。
今は、その30年前とは
災害の条件そのものが違います。
気候変動によって災害が激甚化し、
過去に経験したことのない被害が発生する可能性もある。
だからこそ、
過去の経験をそのまま未来に当てはめるだけではなく、
その時点で得られる情報を使って
状況を動的に分析・評価する必要があるんです。
🥸 又三部長
動的やと!?
そんなAIの計算をちんたら待っとったら、
助かる命も助からんわ!
限られた人員と重機なんやから、
トップが気合いで、ここや!と決めて、
一気に突撃させるんが
強いリーダーシップやろが!
🤪 大谷課長
客観的データに基づかない突撃は、
ただの無謀なギャンブルです!
🥸 又三部長
なんやて!
🤪 大谷課長
部長、
ここで大事なのは、
AIに判断を丸投げすることではありません。
今ある情報から、
どこを優先すれば
人命の安全確保や重要インフラの機能維持に
最も効果があるのか。
それを比較して、
最後に意思決定するのは人間です。
🥸 又三部長
……。
第3章:サトシの深いため息と、恐怖の二択
背後から、
一切の感情を排した
絶対零度の圧力をまとって、
サトシが現れる。
画面を指差す大谷課長と、
過去の勘にすがる又三部長を見比べる。
そして、
地の底から響くような
深い深いため息。
👔 サトシ
……はぁ。
🥸 又三部長
サトシちゃん!
またこんな緊迫した防災訓練の最中に現れて、
なんやその世の終わりみたいな溜息は!
👔 サトシ
……。
又三部長。
大谷さんが言っていることは、
マニュアルを捨てろ、
過去の経験を全部捨てろ、
という話ではありません。
🥸 又三部長
……なんやて?
👔 サトシ
BCPで変えてはいけないものと、
変えなければならないものを
分けて考えてください。
🥸 又三部長
変えてはいけないもの……?
👔 サトシ
人命の安全確保。
二次災害の防止。
重要インフラの機能維持。
これらの目的は、災害の状況が変わっても
簡単に変えてはいけません。
一方で、
その目的を達成するための手段まで
昔のまま固定していいのでしょうか。
又三部長は黙った。
👔 サトシ
過去の経験は、重要です。
マニュアルも重要です。
しかし、
災害の状況が変化しているのに、
判断方法だけを過去に固定してしまえば、
それは経験ではなく、思考停止になります。
🥸 又三部長
……。
👔 サトシ
総監技術士を捨てますか?
それとも、
R08総監リテラシーをリノベーションしますか。
又三部長は、
壁の古い地図と、
リアルタイムで更新されるAI画面を見比べた。
30年の経験。
そして、
今この瞬間に変化している現場。
どちらか一方を選ぶ必要があるのだろうか。
この先では、今回のテーマを実務と試験対策に結び付けます
ここから先では、物語の展開だけでなく、今回のテーマを技術士・総監の視点から整理します。
「データ駆動型BCP」を、実際の試験で使える考え方として理解したい方は、このまま続きをご覧ください。
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