【歯医者のホンネ】NONIO クリアハーブミント ~効果、向いている人など~
みなさんはどんな歯磨き粉を使っていますか?
歯磨き粉の成分は知っていますか?
今回、紹介する歯磨き粉は『NONIO クリアハーブミント』。
(約350円:2026年2月)
ドラッグストアに良くおいてあるNONIO クリアハーブミント。
CMの効果もあって、NONIOの名前の認知は広まっているのではないでしょうか?
そのなかでも定番と言われる、クリアハーブミントテイストになります。
マツキヨをはじめ、この商品のパッケージとして書いてあるのは、
「口臭にトリプルアクション!」
という文言になります。
大々的に打ち出されています。
どうやら、これは単なる“香りでごまかす爽快感”ではなく、
3 つの段階で口臭原因にアプローチするという意味です。
はたして、そのような成分は入っているのでしょうか?
成分を詳しくみていきましょう。
NONIO クリアハーブミントの成分について
■ フッ化ナトリウム(フッ素)
虫歯予防の中核成分。
作用は大きく3つ。
①脱灰の抑制
→虫歯によって、歯の表面が崩れていくことを防ぐ。
②再石灰化の促進
→虫歯によって、ダメージを受けた歯の表面をコーティングしてくれる。
③耐酸性の向上(フルオロアパタイト形成)
→虫歯によって出される酸でダメージを受けにくいように、歯の表面に耐酸性の層を作る。
とにかく虫歯に対しての効果ですね。
このフッ素は、日本に流通している歯磨き粉にはほとんど入っているので、
特別、NONIO クリアハーブミントの特徴とはいえないでしょうね。
■ LSS(ラウロイルサルコシンNa)
アミノ酸系の殺菌成分。
細菌の細胞膜に作用し、菌体の構造を破壊します。
特徴は、揮発性硫黄化合物(VSC)の産生菌に対する抑制作用。
このVSCというのは、メチルメルカプタンや硫化水素など、
よくある温泉などで感じる卵が腐ったようなにおい。
口臭の主因は実はそれなんです。
LSSはその発生源にアプローチします。
ということは、LSSによって、NONIO クリアハーブミントは口臭にアプローチするといえますね。
■ CPC(塩化セチルピリジニウム)
第四級アンモニウム塩系の殺菌成分。
プラーク表層に吸着し、一定時間作用が持続します。
もちろん、アンモニウムというように口臭の原因になるものなので、
それを殺菌するとなると口臭予防になりますね。
ちなみに、 第四級アンモニウム塩系など、
このあたりの成分は歯周病菌がかかわっています。
つまり、口臭予防である前に歯周病予防になります。
歯周病予防として、歯磨き粉を選んでいる方もこの成分は要チェックですね。
ちなみに、LSSとの違いは、持続性と吸着性。
それぞれに吸着しやすいものがちがうので、
持続力も変わってきます。
つまりNONIOは “即効性+持続性” の両方を狙った設計です。
■ ポリリン酸Na
着色除去の成分です。
でも単なる着色除去ではありません。
ポリリン酸はカルシウムと結合しやすい性質を持ち、
歯面に付着する色素の再付着を抑制する働きもあります。
つまり、
“落とす”だけでなく、“付きにくくする”設計。
すばらしいですね。
だれでも、歯は白い方が良いですもんね。
ただ色々調べたところ、
このポリリン酸は多くの歯磨き粉に入っています。
あなたが使っている歯磨き粉には入っていますか?
■ 炭酸水素Na(重曹)
弱アルカリ性の成分になります。
口腔内は食後に酸性へ傾きます。
歯はカルシウムで基本できているので、この環境では脱灰が進行します。
(歯の表面がぼろぼろになり、虫歯にチャンスができる。)
重曹はpHを緩やかに中和方向へ戻す補助的役割。
口の中をできるだけ中性に戻し、虫歯のやりたい放題にはさせません。
ただし、重曹単体で虫歯予防ができるわけではありません。
あくまで補助。
■ 清掃剤(シリカ)
粒子の硬さ・形状・配合量で性質が変わります。
NONIOは“強研磨型”ではなく、日常清掃レベル。
過度なエナメル質摩耗リスクは低い設計です。
まあこれは、磨き粉なだけなので、
とくに薬の成分などがあるわけではありませんね。
成分バランスから見る本質
この歯磨き粉は、
✔ 虫歯特化型ではない
✔ 歯周病特化型でもない
✔ ホワイトニング特化型でもない
では何か。
“口臭原因菌コントロールを軸にした日常ケア型”
これが本質です。
歯科医師としての評価
日常的なセルフケアとしては十分。
「口臭にトリプルアクション!」というのも、
なんとなくうなづける成分たちでした。
においをさわやかに消していく方向と、
においを出す原因を除去する方向。
このに方向で口臭をブロックしています。
正直、めちゃくちゃ専門的で、
オリジナリティがあるわけではありません。
なので、LSSもCPCも他にあるの歯磨き粉に入っていることもあります。
『唯一無二の口臭予防歯磨き粉』とは言いにくそうですね。
ただ、約350円という価格を考えると、
十分な効果を得ることができそうです。
よくある成分が入っているので、専門性のある悩みに対しての歯磨き粉ではなさそうです。
・重度歯周病
・知覚過敏
・高リスクう蝕患者
このあたりの悩みをお持ちの方には、より特化型の選択が望ましい。
つまり、
『万人向けだが、ハイリスク向けではない。
ただし、口臭予防の成分はある程度入っている。』
という歯磨き粉というのが総評ですね。
この歯磨き粉が向いている人
✔ 朝の口臭が気になる
✔ 人と話す機会が多い
✔ ステインを軽く落としたい
✔ 虫歯予防も一応カバーしたい
つまり、
「口臭ケアをメインにしつつ、基本も押さえたい人」
に向いています。
逆に、こういう人には物足りないかも…
・知覚過敏が強い人
・歯周病治療中の人
・本格的なホワイトニングを期待している人
特化型ではなく、“バランス型”です。
効果を高める使い方
歯磨き粉は“使い方”で効果が変わります。
● 量は1〜2cm程度
● 磨いたあとは軽く1回すすぐ程度
● 就寝前は特に丁寧に
フッ素は、残してあげることで効果が出ます。
口臭予防としてあげた、LSSとCPCもすこし余韻を残した方がいいです。
泡でスッキリすることより、成分を活かすことが大切です。
