春分の韓国高敞(ゴチャン/コチャン)コインドルツアーの体験記
第1話|石が語る、宇宙の記憶——世界最古の暦のひみつ
韓国からお届けしてます、創和羅(そわら)です。
春分の日に、全羅北道の高敞(고창: ゴチャン/コチャン)というところへ行ってきました。
高敞は韓国南西部の全羅北道(전라북도: チョルラブクト)に位置し、ソウルから高速バスで3時間ほど南に下ったところにあります。
目的はコインドルのツアー。
2026年3月20日の春分に合わせて高敞にあるコインドルを見に行きました。

コインドル(고인돌)とは韓国語なのですが、ドルメンと呼ばれる巨石遺跡のことです。
日本にも同じ巨石文化の遺跡が残っていますよね。
あの大きな石たちです。
韓国の高敞には、世界遺産に登録されているほど膨大な数のコインドルが存在していまして、
今回はそのコインドル研究の第一人者、通称「コインドル博士」の先生がガイドしてくださいました。
今まで3000基以上のコインドルをご自身の足で踏査してきた方で、
去年は本も出して韓国でベストセラーになっています。

コインドルの説明をされる時に眼をキラキラと輝かせていらっしゃるんです。
その姿を見ていると、こちらまで生き生きしてきます^^
高敞ゴチャンには韓国でも一番多くコインドルがあるそうで、
約2,000基以上が分布していると言われています。
その中でも特に保存価値が高く、ユネスコ世界文化遺産に登録された高敞支石墓遺跡(竹林里・道山里一帯)には、447基のコインドルが集中しています。
博士はコチャンで育ち、幼い時から自然とコインドルが周りにあり側で遊んでいたそうです。
大学では地理学を専攻されていたこともあって、特にコインドルの向きと位置関係に着目されました。
コインドルといえばお墓というイメージを持っていらっしゃる方も多いと思うのですが、実際に遺体が埋葬されていたものはそれほど多くないそす。

では、なぜわざわざこんなに重い石を並べたのか?
よく調べてみると、北極星(北)を向いているもの、冬至の日の出の方向を示すもの、春分・秋分の方向を指すもの、特定の星座を刻んだもの……と、
それぞれに天体との対応関係があることがわかってきたんです。
つまりコインドルは、天体を観測するための装置だったということ。
農作物の種まきのタイミングを間違えたら、3年は飢えを覚悟しなければならない時代。
だからこそ人々は必死に、季節と天体の動きを読み解こうとした。
何トンもある石を動かしてまで、星の動きを記録し続けたんですね。
石の表面には「星穴(ソンヒョル)」と呼ばれる小さな丸い窪みが無数に刻まれていて、それは天の川だったり、夜空の星座をそのまま写したものだったりするそうです。
コインドルは、世界最古の暦だった。
この言葉が、ずっと胸の中に残っています。
その日の締めくくりは、夕日を見にある場所へ移動すること。

コインドルの石柱と石柱の間に沈む夕陽——その隙間は「別の次元へと通じるゲート」とも呼ばれていまして。
日本の神社の鳥居が天と地を人がつなぐ形であるのと、同じ原理だと感じました。
その門を潜り抜けるたびに、なにかがリセットされていくような感覚があって。
古代の人々が宇宙とつながろうとしたこの場所で、私も少しだけ、宇宙に触れた気がしました。
<コインドル博士奥様えみこさんのブログ>
