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焚き火をしたら、「へぇー」がいっぱいあった。──薪の違いから、マシュマロのおいしい焼き方まで

先日、20年以上ぶりに参加したキャンプ。
久しぶりに焚き火を囲み、炎を眺めたり、薪をくべたり、マシュマロを焼いたり。
ただ「火を燃やす」というシンプルなことなのに、実際にやってみると、意外と知らないことがたくさんありました。

薪にも、燃えやすいものと長く燃えるものがある。
弱くなった火も、酸素を送ると再び勢いを取り戻す。
そして、マシュマロは大きな炎で一気に焼くよりも、炎のない赤くなった炭の近くで、じっくり焼いた方がおいしい。

知っている人にとっては当たり前のことかもしれませんが、久しぶりに火を扱った私には、小さな「へぇー」の連続でした。

昨日はキャンプ全体を通して感じたことを書きましたが、今日はその中から「焚き火」に少し寄り道。

実際に見て、やって、子どもたちと一緒にマシュマロを焼きながら知った、火の面白さについて残してみようと思います。

薪なら、どれでも同じ……ではなかった

焚き火をするとき、最初に「へぇー」と思ったのが薪の違いでした。
薪なんて、乾いていればどれも同じように燃えるものだと思っていたのですが、実は木の種類によって燃え方が違います。

大きく分けると、針葉樹と広葉樹。
スギやマツなどの針葉樹は、比較的密度が低く、火がつきやすくて燃えるのも速い。そのため、焚き火の最初に火を起こしたり、炎を大きくしたりするときに向いています。

一方、ナラやカシなどの広葉樹は、密度が高いものが多く、火がつくまでには少し時間がかかりますが、一度燃え始めるとゆっくり長く燃えてくれる。

つまり、「火をつけやすい木」と「火を長く保ってくれる木」がある。

最初は燃えやすい薪で火を育て、安定してきたら長く燃える薪へ。
ただ木を入れて燃やしているように見えた焚き火にも、ちゃんと順番と役割がありました。

そして、薪を入れればそれだけで燃え続けてくれるわけでもありません。
火が少し弱くなってきたとき、次に知ったのが「酸素」の役割でした。

消えそうな火が、酸素で息を吹き返す

薪の種類だけでなく、もうひとつ改めて「なるほど」と思ったのが、酸素の力でした。
焚き火を続けていると、だんだん炎が小さくなって、消えてしまいそうになることがあります。
そんなとき、薪を追加するだけではなく、火の根元に空気を送り込む。
すると、赤く残っていた炭がパッと明るくなり、そこからまた炎が立ち上がってくる。

目の前で見ると、これがなかなか面白い。
そもそも火が燃え続けるためには、「燃えるもの(燃料)」「熱」「酸素」の3つが必要です。これは「燃焼の3要素」と呼ばれ、どれかひとつが欠けると燃焼は続きません。

焚き火の場合、薪が十分に残っていて、熱もある。それなのに炎が弱くなっているとしたら、酸素がうまく届いていないことがあります。
そこで空気を送り込むと、燃焼が再び活発になる。
「火が弱くなった=薪が足りない」とは限らない。
知識として聞けば当たり前のようですが、赤くなった炭に空気を送り、そこから炎が復活していく様子を実際に見ると、「本当に火は酸素を使って燃えているんだ」と、急に実感を伴って理解できます。

焚き火を眺めるだけでも楽しいけれど、自分で少し火を扱ってみると、学校で習ったようなことが目の前の現象としてつながっていく。
これも、久しぶりのキャンプで面白かったことのひとつでした。

マシュマロを焼いて、気づけば「スモア職人」に

焚き火といえば、やってみたかったのがマシュマロ焼き。
今回は参加していた子どもたちと一緒に、串に刺したマシュマロを焚き火で焼いて、「スモア」をつくりました。

スモア(s'more)は、焼いたマシュマロとチョコレートをグラハムクラッカーで挟んだ、アメリカのキャンプでは定番のお菓子。
名前の由来もかわいくて、「some more(もう少し、もっとちょうだい)」を縮めたものだといわれています。

おいしくて「Give me some more!(もっとちょうだい!)」と言いたくなるところから、s'more。

1927年には、アメリカのガールスカウトのハンドブックに「Some More」という名前でレシピが掲載されており、少なくとも100年近く前からキャンプで親しまれてきたお菓子です。

今回使ったのは、グラハムクラッカーと板チョコではなく、アルフォート
チョコレートとビスケットが最初から一体になっているので、そこに焼いたマシュマロを挟めば完成。考えてみれば、スモアづくりにはとても便利なお菓子です。

アルフォートのアレンジレシピはこちらに詳しくあります。

実は私は以前にもスモアをつくったことがありました。
周りで「これ、どうやってつくるの?」となっている中、「私、つくったことあります!」と、ここぞとばかりに率先して作成。

マシュマロを焼いて、アルフォートに挟んで、また焼いて、挟んで……。
自分でもひとつ食べてみたのですが、甘い! 私は1個で十分(笑)。
ということで、そこからは自分が食べるより、せっせとつくって皆さんに配る側へ。

気づけば、焚き火の前でひたすらマシュマロを焼く「スモア職人」になっていました(笑)。

でも、子どもたちと一緒にマシュマロを焼いていると、ここでもまたひとつ面白い発見がありました。
みんな、どうしてもマシュマロを大きな炎のところへ持っていきたくなるのです。早く焼こうと思えば、それが一番よさそうに見えます。ところが、実際にはそうでもありませんでした。

大きな炎ほど、よく焼けるわけではない

子どもたちとマシュマロを焼いていて面白かったのが、みんな自然と一番大きく燃えている炎のところへマシュマロを持っていくことでした。

確かに、炎が大きいほど熱そうだし、早く焼けそうです。
ところが、大きな炎に直接近づけると、表面はあっという間に茶色くなり、ときには火がついて真っ黒に。
見た目は「焼けた!」となるのですが、中はまだ意外としっかりしています。

そこで、「炎の中じゃなくて、赤くなっているところで、ゆっくり回しながら焼いてみて」と子どもたちに伝えました。
この、炎がほとんど見えなくなって、薪や炭が赤く光っている状態を「熾火(おきび)」といいます。

実はマシュマロをじっくり焼くなら、この熾火がなかなか優秀です。
炎からは熱い空気による対流熱などが伝わりますが、赤くなった熾火からは安定した放射熱(輻射熱)が出ています。

炎は揺れ動くので、近づけすぎると表面だけが急激に熱くなりやすい。
一方、熾火の近くで少し距離をとり、マシュマロをくるくる回しながらじっくり熱すると、表面を焦がしすぎず、中まで温める時間をつくることができます。

すると、外はこんがり。中は、とろ〜り。

同じ焚き火なのに、「どこで焼くか」で仕上がりが全然違う。
子どもたちにもそんな火の話を少ししながら、一緒に焼いていました。
大きく燃えている炎の方が強そうなのに、おいしいマシュマロをつくるなら、むしろ静かに赤く光っている熾火を使う。
これも今回、焚き火を実際にやったからこそ面白く感じた発見でした。

知ると、焚き火の見え方が少し変わる

こうして振り返ってみると、焚き火はただ薪に火をつけて、燃えている炎を眺めるだけのものではありませんでした。
燃えやすい針葉樹と、長く燃える広葉樹。
火を燃やし続けるために必要な酸素。
大きな炎ではなく、赤く残った熾火から伝わる熱。
そして、その熱を使ってじっくり焼くマシュマロ。
それぞれは、知っている人にとっては当たり前のことかもしれません。

でも実際に火を前にして、
「ちょっと弱くなってきた」
「ここに空気を送ってみよう」
「マシュマロは炎から少し離した方がいい」

と手を動かしてみると、ひとつひとつの知識が目の前の現象とつながっていきます。
特に面白かったのは、子どもたちと一緒にマシュマロを焼いたこと。
大きな炎に近づけたくなるのも自然だし、焦げたら焦げたで、それもひとつの経験。
「こっちの赤いところで、ゆっくり焼いてみて」
そんな話をしながら一緒に火を囲んでいると、焚き火そのものがちょっとした実験のようにも思えてきました。
調べてみると、マシュマロ焼きは子どもたちが科学に触れる身近な題材として紹介されることもあるそうです。

20年以上ぶりのキャンプで、まさかこんなに「火」について考えるとは思っていませんでした。
でも、知らなかったことを実際にやってみて、「ああ、だからこうなるのか」とわかる瞬間は、やっぱり面白い。

焚き火から拾った、小さな「へぇー」たち。
これも今回のキャンプから持ち帰ったもののひとつです。


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