短歌連作「背骨には百合」

それぞれのペースで進むセルフレジ許されていることを思った
クーポンはほとんどいつも期限切れ百円引きの世界線には
結婚も離婚もよくあることでしょう それより子どもの頃を話して
諸説ある。ことですべてを片付けてサーティワンならなに味が好き
ブラウスのボタンをひとつ多く開け夏とあなたの間にすわる
笑うとき目が細くなることが好き いいねと言った 主語は省いて
乳白のひとりの朝を知っていてそれでも夜を長くしている
優しさには力がいると分かるまでの果肉入りジュースストロー円周
約束はしないで歩くそれぞれのループの重なる日の目配せを
すこし触れた腕をそのまま引き寄せて背骨に百合をさしてさよなら
【1F第3号発行!!】
— 1F (@1f_rensaku) September 1, 2026
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1F第3号に寄せた連作です。
わたしが知りたいのは、あなたの子どもの頃の話だと思った。会議や窓口での発話よりずっと、面白い声色を持っているあなたの手から分けられた肉まんみたいにうれしい。終電をわざと逃した公園での、そんな話。
