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プロテイン単体だと、実はパフォーマンス全体には効果なしだった

プロテイン、飲めば何でも向上すると思っていませんか。実は28件の研究をまとめたメタ解析で、意外な結果が出ています。

どんな研究か

2024年、Frontiers in Nutrition 誌に掲載された系統的レビュー・メタ解析です(Zhao et al., 2024)。PubMed・Scopus・Web of Science・EBSCO・Ovidのデータベースを検索し、タンパク質摂取がアスリートのパフォーマンスに与える影響を調べたランダム化比較試験(RCT)を対象に、28件の研究・373名のアスリートのデータを統合しています。食品バー、ホエイプロテイン、植物性プロテインなど、様々な形態のタンパク質摂取が対象に含まれています。

わかったこと

全体としては、統計的に有意な改善は見られなかった

タンパク質摂取は、全体として見ると、運動パフォーマンスを統計的に有意には改善しませんでした(標準化平均差[SMD]=0.12、95%信頼区間:-0.01〜0.25)。

サブグループで見ると、持久系パフォーマンスには効果があった

しかし、サブグループ解析では、タンパク質摂取群は持久系パフォーマンスにおいて、統計的に有意な改善を示しました(終値ベースの解析でSMD=0.17、95%信頼区間0.02〜0.32)。

さらに細かく見ると、以下のような違いがありました。

タンパク質+炭水化物の組み合わせが、持久系パフォーマンスに与えた効果:有意(SMD=0.36、95%信頼区間0.11〜0.61、p=0.005)

高タンパク質摂取単体が、持久系パフォーマンスに与えた効果:有意ではなかった(SMD=0.18、95%信頼区間-0.01〜0.37、p=0.07)

高タンパク質摂取単体が、筋力に与えた効果:有意ではなかった(SMD=-0.08、95%信頼区間-0.37〜0.2、p=0.56)

つまり、単純に「タンパク質を多く摂る」だけでは、統計的に明確な効果は確認されず、炭水化物と組み合わせた場合に、初めて持久系パフォーマンスへの有意な効果が見られた、というのがこの研究の重要なポイントです。

別の観点:筋トレと組み合わせた場合の、筋力・筋量への効果

これは今回のメタ解析とは別の研究ですが、Morton et al. (2018, British Journal of Sports Medicine)による49件の研究・1863名を対象にしたメタ解析では、レジスタンストレーニング(筋トレ)と組み合わせた場合、タンパク質サプリメントは1RM(+2.49kg)、除脂肪量(+0.30kg)、筋線維の断面積(+310μm²)を、いずれも有意に増加させたことが示されています。ただしこの効果は、主にレジスタンストレーニングそのものによって引き起こされたものであり、タンパク質摂取が、その効果をさらに底上げする形で働いていると考えられます。

この情報の限界

Zhao et al. (2024)の対象は373名と、決して大きなサンプルサイズではありません

タンパク質の摂取量・種類・タイミングは、研究間でばらつきがあり、これらの違いが結果に影響している可能性があります

陸上競技の短距離選手に限定した研究ではなく、様々な競技のアスリートを対象にしています

まとめ

タンパク質摂取は、運動パフォーマンス全体を見ると、統計的に有意な改善を示さなかった

ただし、持久系パフォーマンス全体としては有意な改善が見られ、特にタンパク質と炭水化物を組み合わせた場合に、より明確な効果が確認された

タンパク質単体を多く摂取しただけでは、持久系パフォーマンスにも筋力にも、統計的に有意な効果は見られなかった

別の研究では、レジスタンストレーニングと組み合わせた場合に、タンパク質が筋力・筋量の増加を後押しすることが示されている

「プロテインを飲むだけで何でも上がる」というわけではなく、何と組み合わせるか(炭水化物、あるいは筋力トレーニング)が重要かもしれない、というのが今回のデータでした。

参考文献

Zhao, S., Zhang, H., Xu, Y., Li, J., Du, S., & Ning, Z. (2024). The effect of protein intake on athletic performance: a systematic review and meta-analysis. Frontiers in Nutrition, 11, 1455728.

https://doi.org/10.3389/fnut.2024.1455728

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