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最初から立派な志を語れる起業家なんて、どこにもいない

私はこれまで、いくつもの起業をしてきました。

うまくいったものもあれば、そうでもなかったものもあります。自分で起業するだけではなく、これまでたくさんの起業家とも関わってきました。

これから起業しようとしている人もいれば、始めたばかりの人もいる。何年も事業を続けている人もいます。

そんな人たちを見てきて思うことがあります。

最初から、立派な志をきれいに語れる起業家なんて、いません。

起業家というと、

「社会を変えたい」
「この課題を解決したい」
「こんな未来をつくりたい」

と、最初から明確なビジョンを持っている人を想像するかもしれません。

もちろん、そういう人もいます。

でも、そういった人であっても、最初から美しくてコンパクトに語れるようなものではなかったはずです。

  • 会社にいてもやりたいことができなかった。

  • この人たちと仕事をしたかった。

  • 自分ならもう少し違うやり方ができると思った。

  • たまたま仕事を頼まれた。

  • 何となく始めてみたら、仕事になってしまった。

  • 今の働き方をずっと続けるのは違う気がした。

そんな理由から始まる起業もたくさんあります。

もっと言えば、最初は「起業しよう」とすら思っていなかった人もいます。

  • 気づいたら仕事になっていた。

  • 頼まれることが増えてきた。

  • やっているうちに、形になっていった。

私が最初に創業したときも、起業という言葉すら知りませんでした。

私は、そのほうがよっぽど普通だと思うのです。

志は、育てていくもの

長く事業をしている起業家の話を聞くと、一本筋が通っているように聞こえることがあります。

「私はこの問題を解決するために起業しました」

と聞けば、最初からその思いを持って始めたように感じます。

でも、必ずしもそうではなく、始めた頃は、もっと曖昧だったりします。

やってみて、失敗して、人に喜ばれて、誰かに怒られて、思ってもいなかった仕事が増えて。

そうやって何年か経つうちに、

「ああ、自分はこれがやりたかったんだな」

と、気づく。いや、気づかされる。

いろいろな人に聞かれ、それに答え・・・それを何度も繰り返しているうちに、言葉を絞り出し、少しずつ形になっていく。

自分の記憶の奥底にあった原体験を見つけたり、忘れていた感情を思い出したり。たくさんの問いのおかげで、自分自身をふり返る回数が増え、そのことによって、自分のことを深く知る機会が増えます。

志というのは、最初から持っているものだけではなく、育てていくもの、いや、みんなに育ててもらうものかもしれません。

最初は、自分の感情から始めよう

最初から、立派な志を探す必要なんてありません。

もっと手前にある、自分の感情から始めることのほうが大切です。

  • 違和感がある

  • 気になってしまう

  • 放っておけない

  • くやしい

  • こうなったらいいのに

  • なんとかしたい

そんな、自分の心が動いたときが、起業のきっかけとなるサインです。

感情と向き合っていくと、自分が何を大切にしているのか、少しずつ価値観が見えてきます。

そして、「なぜ自分はここで心が動いたのか」「この感情にはどんな意味があるのか」と考えていくと、その価値観をもとに、自分ならどう解決したいのか、どんな状態をつくりたいのかという、自分なりの方法や理想像が見えてきます。

まず、ここが起業の原点であり、出発点です。

ところが、この部分を通り越して、いきなりビジネスモデルを考えたり、SNSを始めたり、資格を取ったり、誰かの成功パターンを真似したりする人も少なくありません。

一見すると、起業に向けて前に進んでいるように見えます。

でも、自分の価値観や想いとつながっていないので、どこかで噛み合わなくなる。

そんな起業家を、私はこれまで無数に見てきました。

だから、方法から始めるのではなく、自分から始める。

感情が、自分の大切にしているものに、気づかせてくれます。

自分の感情に向き合い、その意味を見つけながら、少しずつ想いを育てていく。

それがやがて、自分なりの事業になり、いつか「志」と呼ばれるものに変わっていくのだと思います。

あなたの違和感や、あなたの心が動くことから始める。

その想いを一緒に育てていきたい。


いまを生きる一人ひとりが、自分の想いに沿って生き、その想いを叶える起業が、もっとたくさん生まれていく。

つまり、

誰もが、起業という選択肢を持って生きていく。

そうなれば、社会を変えることを大企業やスタートアップだけに任せなくていい。ユニコーンなんて、本当は、いらない。

一人ひとりの想いが事業になり、誰かの役に立っていく。
その積み重ねが、社会そのものを変えていくような循環を生みたい。

私は、そんな起業が当たり前に生まれる社会になれば、きっと今よりもっと素敵な未来をつくれると思っています。


さあ、一緒に未来をつくろう。