子どもたちと絵本を作る生配信をしました
毎月、子どもたちに絵本を読み聞かせする『おやすみえほん』という生配信に出演しています。
自作の絵本を読み聞かせして、子どもたちがうれしそうにしてくれると、頭から足の先まで貫くようなよろこびを感じます。読み聞かせを終えて、「たのしかった?」と聞くと、絵本をじっと見つめていた子どもたちが感想を大きな声で言ったり、すごいはやさで拍手をしてくれたり、両手の親指を立ててくれたりするのです。「ああ、よかった」と、これまで生きてきたことをすべて肯定されたような気にさえなります。
先日、マセキ芸能社の先輩のおべんとばこさんと二人で出演する機会をいただきました。せっかく二人も芸人がいることですし、生配信で新たな絵本を完成させる企画を立案しました。芸人の強みはコミュニケーション力と即興性です。子どもたちと会話しながら、アイデアを拾い、絵本に落とし込むという試みを実現できると思ったのです。

子どもたちからアイデアを貰うにはどうすればよいか。重要なのは質問の形だと考えました。子どもたちはきっと好きなもののことなら熱を持って話してくれるはず。そこで「好きなお菓子」をテーマに絵本を作ることにしました。

子どもたちの「好きなお菓子」を聞いて、その場で描き入れる絵本にしよう。「好きなお菓子」が大活躍する話だったら子どもたちによろこんでもらえるはず。じゃあ「好きなお菓子」で誰かを助ける話にしよう。こんな風に考えを進めて出来たのが『カッシー ティーパーティーにいく』です。

絵本の主人公はお菓子の妖精カッシー。どんなお菓子でも生み出す力があります。そんなカッシーがティーパーティーに呼ばれて出発するも、道中で様々な困難に見舞われる。そこでみんなの「好きなお菓子」を集めて、カッシーを助けるというお話です。

雨が降ったら傘を作り、崖があったら橋を架け、不機嫌なクマに遭遇したらとっておきのお菓子で笑顔になってもらう。「好きなお菓子」が幸せに変わる物語を作りました。

お菓子を描くスペースを空けた絵本を用意し、その場で描き入れていきました。なので完成した絵本には幸せなページしかありません。困難を乗り越えるという絵本の物語はそのとき集まった子どもたちだけのものなのです。

お菓子を描くだけでなく、ちょっとした仕掛けも考えました。不機嫌なクマの表情をいくつかの線を足すことで笑顔にしたのです。子どもたちはもしかしたら気づいてないかもしれませんが、少しの魔法が世界の見え方をガラッと変えてしまうことは、いくつもの仕掛け絵本がすでに証明しています。

生配信は大成功でした。子どもたちが口々に「好きなお菓子」について教えてくれて、甘いお菓子からしょっぱいお菓子、コンビニで売ってるお菓子から伊勢丹で売ってるお菓子まで、いろんなお菓子を絵本に登場させることができました。そして最後に、大きな拍手と両手のグッドと「たのしかった」の声。世界で一つだけの物語が生まれた瞬間でした。

絵本の作家として見たら僕たちはまだまだでしょう。それでも絵本が好きな芸人だからこそできることが一つ見つかったような気がします。コミュニケーション力と即興性、鍵はこの二つです。いろんなところで、たくさんのみんなと絵本を作れたらと思っています。もし僕たちを呼んでもいいと思う方がいたら、気軽に声をかけてみてください。僕たちはすっ飛んで行きます。芸人はフットワークの軽さも強みなのです。

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