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病院を出たあとも、人生は続いていく

子供の頃から何度か救急車で運ばれたことがあり、医師の姿を目にしてきた。

「人を救うってかっこいいな。私も医者になりたい。」

そう思って医学部に入った。

人の命を救う仕事。病気を治す仕事。
そんな漠然としたイメージを胸に、医学を学び始めた。

けれど、病院で実習をするようになって少しずつその考えが変わっていった。

特に印象に残ったのが、回復期のリハビリテーションだった。

病気を治すための治療だけではなく、患者さんがもう一度、自分の生活を取り戻すための時間が流れていた。

歩く。
食べる。
着替える。
ベッドから起き上がる。

一つひとつは、私たちにとって当たり前の動作かもしれない。

でも、その「当たり前」を取り戻すことが、その人にとっては大きな目標になる。

そこで初めて気がついた。

私は今まで、「病気が治れば医療は終わる」と、どこかで思っていたのかもしれない。

けれど、病院を出たあとも、その人の人生は続いていく。

退院した先には、家がある。
家族がいる。
仕事がある。
好きなことがある。

そして、その人にしかない未来がある。

病院は、その人生のすべてではない。

むしろ、長い人生の中のほんの一部分なのだ。

そう考えると、医師が向き合うべきものは「病気」だけではないのかもしれない。

病気を抱えたまま、その先を生きていく一人の人間。

その人がどんな場所に帰り、どんな生活を送り、どんな未来を望んでいるのか。

そこまで想像することも、医療なのだと思う。

医学部に入った頃の私は、ただ「医者になりたい」と思っていた。

今もその気持ちは変わらない。

でも、少しだけ意味が変わった。

私は、病気を治すだけの医師ではなくなりたい。

患者さんが病院を出たあと、その人自身の人生をもう一度歩いていけるように、その未来まで考えられる医師になりたい。

今の私にできることは、まだ医学を学ぶことくらいだ。

それでも、目の前にいる人の「病気」だけではなく、その先にある「人生」を想像することはできる。

病院の中で終わらない人生を、医療の中でも途切れさせないために。

私の医師への道は、病気を治すことだけではなく、その人の未来を見つめることから始まっている。

#未来のためにできること

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