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ノウハウを読んだ雪うさぎ

 目を真っ赤にしながら雪うさぎは雪原へダイブした。ふわふわのモコモコがサクッと雪の中へと消えた。「あなたは真っ白なかわいい雪うさぎ」と、母の声が頭の中に響いた。

 しかし、周りの雪うさぎはクスクスと彼を笑った。なぜ、笑われているのだろうか。お尻が見えているのかと体をくねらせ深く潜ってみた。笑い声は止まなかった。

「今日はここまでにしよう」

 先生ウサギの声がした。チャイムが鳴り、その日のカモフラ授業が終わった。雪うさぎは大人になるまで隠れる練習をする。上手に隠れないと、食べられてしまう。ふわふわなのに、食べられてしまう。上手く隠れられない雪うさぎは、いつも下を向いて歩くしかできなかった。

 雪うさぎはスマホを取り出した。SNSに、カリスマうさぎの隠れている写真が流れてきた。タップすると、隠れ方の指南書が人参五本で販売されていた。これだ、これが正解だ。雪うさぎはさっそく人参を振り込んで、指南書を読んだ。なんだか、できそうな気がしてきた。

 次の日から雪うさぎは猛練習をした。次の日からだったが始めたのだ。ジャンプのタイミング。ダイブの角度。潜り込む深さ。何度も何度も練習した。上達の実感があった。自信に満ちた目で前を向いて歩けるようになった。

 ところが、笑い声が止むことはなかった。先生ウサギは苦笑いを浮かべている。なぜだろう。努力しても無駄なのだ。才能がないのだろう。生まれたが場所も悪かった。忘れらた置き配のように生きていくしかないのだろう。

 雪うさぎはコンビニへ向かった。期間限定スイーツが食べたかったのだが、入口のガラスに映る自分の姿を見て足が止まった。雪うさぎのお尻は灰色がかっていた。真っ赤な目が見開かれた。そうか、僕は。

 雪うさぎはダイブした。建物の影になっている雪の中へ。もう誰も雪うさぎを見つけることはできなかった。雪原はキラキラと陽光を反射していた。


(了)


このお話の教訓はなんでしょうね。正解発表はしないけど、よかったら考えてみてください。

こちらの企画に参加させていただきました。

#せりふ三題噺 #置き配コンビニ雪うさぎ

■セリフ
「今日はここまでにしよう」
■三題
・置き配
・コンビニ
・雪うさぎ

#ショートショート #小説 #短編小説 #読書好きな人と繋がりたい #眠れない夜に

https://note.com/embed/notes/nb9b8dee3a0a3

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