【経理のもう一押し】外部士業との "手続きのツナギ目" を理解していますか?
こんにちは、きくちきよみと申します。
元・舞台照明家→事業会社経理(いろいろ)→会計事務所・税理士法人(いろいろ)→税理士法人代表です。
この【経理のもう一押し】シリーズでは、「もっと早く知りたかった」と中小企業の経営者・経理担当者が感じることが多い部分について書いています。
今日は「外部士業との "手続きのツナギ目" を意識すると、仕事がスムースに進みやすくなるかも」ということについて書きます。
↓↓↓ 前回の【経理のもう一押し】
どのタイミングから着手するか?の違い。
これは「経験が多いから or 少ないから」「士業だから or 社内従業員だから」などは全く関係ない話なのですが、「どのタイミングから自分のターンの手続きを始めるか?」というのは、人によって違います。
税理士変更を検討されているお客様に話を伺うと、現在の顧問税理士さんへの不満として、次のようなものが出てくることがあります。
資料依頼リストにまとめて欲しいのに、依頼が五月雨式にやってくる。簡単に事前想定できるレベルの内容なのに、まとめて連絡が来ない。
気づいた順に聞いて欲しいのに、最後にまとめて確認事項が来る。まとめて送ってこられても、すぐには回答できるものじゃないのに。
年度決算のとき「五月雨式で構わないので、できた順に送って欲しい」と毎回言われる。資料間の整合性を確認したいので、そんな送り方は絶対にしたくない。
会社から試算表を送ったのは9月7日なのに、顧問税理士が税務申告書作成に着手したのは9月20日だった。理由を聞いたら「最後の資料をもらったのが9月19日だったので」と言われた。そんなの信じられない。
ざっくり類型をまとめると、1番と3番は「資料をまとめて提供するまでがそれぞれの役割」と考える方、2番と4番は「資料を五月雨式に送っていけば、相手は順に処理してくれるはず」と考える方の意見だと思います。(細かい点をつきつめると、別の細かい事情があったりもしますが、ここではざっくりまとめています。)
会社さん側も税理士側も考え方はいろいろなので、どちらが正しいかということではありません。ただ、この考え方が一致しないと、片方または両方がストレスを抱え続けるという不幸が起こります。
「どういう手順でお互いが手続きを進めるか」ということを外部士業の方とすり合わせておくと、無駄な軋轢を生むことなく業務が進みやすくなりますので、これは知っておいて良いことだと思います。
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その方針は性格だけの問題ではなく…
今、自分が税理士として法人税・消費税などの税務申告書の作成の手続きを始めるのは、基本的には「お客様に準備頂いた資料が全部そろってから」です。
すべての資料がそろってから見直すと整合性の一致が確認しやすく、ミスにも気づきやすいからです。(結果的に作業工数が少なくなるので、お客様に請求する報酬も抑えることができる、という事情ももちろんあります。)バラバラに処理をして後から整合しないことに気づくと、結局関係者すべてに迷惑をかけてしまうこともあります。どちらかと言えば「資料をまとめて提供するまでがそれぞれの役割」と考えやすいタイプだと思います。
ただ、事業会社経理時代には「五月雨式に資料を送ってください」という顧問税理士さんに対応しなければならないことが多く、かなりストレスが大きかったです。当時はこれが「人によって違う」ということを知らず、「税理士とはそういう生きものなのだ」と思い込んでしまっていました。
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ところがその後、いろいろなケースを見たり、税理士としていろいろな会社さんに関わる中では、人によって全然違うことに気づきます。そしてさらに、A社には「五月雨式に送ってください」と言う税理士さんも、B社には「全部の資料がそろってから手続きを始めるので」と事前に説明していたりもします。
自分自身、お客様には「全部そろってから」と事前にお願いするタイプであるものの、時と場合によっては対応が変わります。毎回、同じように同じスケジュールで進むとは限らないからです。
たとえば「どうしても〇〇円(←その会社にとっては少なくない金額)の売上計上時期が確定しない」という状況で、納税期限ギリギリまで迫っているとします。それなのに「全部の資料がそろわなければ進められない」ということをやっていると、本当に間に合いません。とりあえずもらった順に処理をして、何か疑問が起きたら都度確認して、という手順で進めざるを得なくなります。
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今思い返すと、事業会社経理時代に「五月雨式に資料を送ってください」という税理士さんに多く当たったのは「そういうタイプの税理士さんだった」ということだけではなかったかもしれません。これは想像の範囲を超えるものではありませんが、「そういう対応でなくては終わらなかったという事情だった」ということもあったのかも、という気がしています。
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お互いの "手続きのツナギ目" を見る。
歴史も背景も違う人間が一緒に仕事を進めるのは、お互いの理解が必要です。もちろん、合うタイプの人と仕事ができるのがいちばんですが、完全に同じタイプの人に出会うのは難しいでしょう。
外部士業と仕事をするにあたっては、「自分の仕事の進め方」を相手に伝えるとともに、「相手の仕事の進め方」を知っておくと、スムースに進むことも増えると思います。
もし、お互いの仕事の進め方を知らない外部士業の方がいらっしゃいましたら、その理解から進めてみるのも良いのではないでしょうか。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
