日本一低い山は、標高3メートルです
僕にとって小さな山といえば、実家からわりと近くにあった、標高800メートル弱の山です。かつて武田信玄の家臣が使った狼煙台の跡でもあり、天気のよい日には浅間山がくっきり見えます。ただ、長野県は2000メートル級の山々に囲まれているので、昔は「このくらいなら丘では?」などと子ども心に思ったものです。それでも、見晴らしのよさを考えれば、狼煙台が置かれたのも納得。さすが武田信玄(の家臣)。
では日本一低い山はどれくらいか調べてみると、宮城県の日和山で、標高わずか3メートル。3メートルでも山と呼ぶことに、まず驚きます。しかも日和山は人工的に築かれた山で、もとは6メートルほどありました。3メートルの高さを削ったのは、2011年の東日本大震災の津波。日本一低い裏に、自然の恐ろしさまで刻まれている山です。
それ以前に日本一低い山として知られていたのは、大阪の天保山で、標高4.53メートル。こちらも人工の山で、天保年間に川底をさらった土砂を積み上げてできたそうです。
となると、気になるのは自然にできた山で最も低いものはどれか。それは、徳島県の弁天山で、標高6.1メートル。自然の山でも10メートルに満たないものがあるとは、やはり意外でした。
そもそも山と丘を分ける決まった基準はなく、最後はその土地の人々がどう呼んできたかによるようです。考えてみれば、山と丘を厳密に区別しなければ困る場面は、あまりないのでしょう。その土地で昔から山と呼ばれてきたのなら、3メートルでも6メートルでも山は山。むしろそこをなぜ「山」と呼んできたのかに目を向け、その歴史を紐解いてみると、新しい発見があるかもしれません。低い小さな山も捨てたもんじゃない、という話でした。
