見出し画像

クワッ! 花の名は。Vol.26

「コクワの実また採ってね」という歌詞がイヤホンから聴こえ、ふと疑問に思いました。コクワ、小桑。はて、クワのことでよいのか? 調べたら違ったのです。コクワとは、サルナシの別名でした。

サルナシ、マタタビ科のつる性樹木。日本に自生あり。果実は楕円球形で夏は緑、秋に熟すと薄黄色。切り口はキウイフルーツににて、食味も似ているため、ベビーキウイとも呼ばれます。以前、食べたことがありました。生食では酸っぱいので、ジャムにするとよさそうです。キウイフルーツは中国原産の近縁種が改良されてメジャーな果樹になったもの。なぜかオセアニアが大産地。温帯産ですから所謂トロピカルフルーツではありません。キウイはご存知、飛べない鳥、ニュージーランドの国鳥です。

ところでマタタビ科。猫にマタタビ。そう、マタタビラクトンという麻薬的な成分です。これ、キウイフルーツにも含まれています。実際にキウイフルーツの苗を置いてある倉庫に、野猫が侵入してきたシーンを目撃しております。そこにマタタビはありませんでした。未確認ですが、サルナシにも含まれていそうです。マタタビも日本に自生。果実はサルナシに似ますが細長くて、生食ではほとんど甘みがありません。薬効があり果実酒にされます。

ただしアレルギー持ちは要注意です。キウイフルーツもたまに、アレルギーな方を見受けます。このあたりアレルゲンが共通かもしれません。

それにしても、あの歌で主人公が母親にまた採ってねとねだる「コクワの実」がサルナシだったとは。宮沢賢治作の詩に「やまなし」があります。クラムボンです。クラムボンは作者が作った言葉です。あのヤマナシはサルナシのことであると教わった記憶があるんですが。東北地方にミチノクナシ(別名イワテヤマナシ)という自生種があって、これは果樹のナシをうんと小さくした果実です。生食では硬くて渋くて酸っぱいけれど、香りがとてもよいんだとか。マタタビ同様、果実酒にされるようです。

詩の終盤で川底が熟した「やまなし」の香りに包まれます。ヤマナシ(ミチノクナシ)なのか、サルナシ(コクワ)なのか。謎は深まります。クラムボンが何者なのか? に匹敵する謎。

桑の話をしましょう。クワについてクワしく。クワクワ。じゃなくて。私が冒頭の疑問をもったのは、クワの実も食べれるからです。生でも甘くて美味しいのです。子どもの頃、家のすぐ近くの空き地に、桑の木がありました。1本だけですが、そこそこの古木らしく、夏はよく茂って、ブドウをギューッと小さくしたような実がなります。赤いうちは酸っぱく、黒くなると甘い。地主さんもおおらかで、取り放題、食べ放題でした。

クワはクワ科の落葉樹。ヤマナシとは縁遠いです。日本にもヤマグワが自生。かつて養蚕において餌として盛んに栽培。蚕が食う葉、転じてクワ、という由来説があります。果実を大きく食用向けに改良されたクワがマルベリー。収穫後、傷みやすいためか、めったに売られていません。

こんな写真しかなくてごめんなさい。真ん中がキウイフルーツ、下は今回まったく関係がないイチジクです。

いいなと思ったら応援しよう!

新井裕之(StudioA) 応援いただけると嬉しいです。収益は私からのチップ、有料記事購入に充てます。経済循環!