3月のライオン18感想
3月のライオン18巻ネタバレあり注意!!
ハチクロの最終巻を読み終えて、ふらりと本屋に行って3月のライオンの表紙を見つけて、「あ!!羽海野チカ先生の最新作じゃん!!!」と思って即購入してから、実に17年もの年月が流れた。そのとき零くんより年下だった自分も、今や社会人。次巻でラストだなんて本当に感慨深い。
最初は、「将棋分からないけど楽しめるかな」と思っていた。しかし、さすがは羽海野チカ作品。登場人物たちそれぞれの人生が毎話ぎっしり描かれて、私もその人生をともに生きていると感じるくらいにどの話にものめり込んでしまった。
ひとりぼっちだった零くんが、周りの人たちに助けられて、怒ったり泣いたり戦いながら成長していく。自分以外の人間が(当たり前だけど)、死や別れ、病気、我慢、戻れない過去、投げ出した選択、いろいろなものを背負って生きているんだなあ、と人生を擬似体験して、視野が随分と広がったような気がしている。最初はなんか苦手だな、と思えるキャラも、漫画で出てくるたびにチャーミングな部分が見えて憎めなかったり、好きになったり、人間って愛しいなあと思わせられた。あと食べ物がとにかく美味しそうすぎる。
将棋のことはいまだに分からないけど、そのキャラクターの心象風景とともに将棋が展開されるから飽きない。一緒に苦しんだり焼け野原にいたりあずさ2号に乗ったりジャックラッセルになったり、負けた時にはしばらく漫画を閉じて動けなくなったりした。もうこれは漫画というか文学、人生そのものだと思わせられる。
そういえば聖地巡礼をしたのはライオンが初めての漫画だったかも。アニメ主題歌はこちらも私が中学校の時から生涯かけて大好きなYUKIちゃんの「さよならバイスタンダー」「フラッグを立てろ」。どちらも映像が神がかっていてこれはもう現地に行くしかない!!とあわてて東京に向かった記憶。YUKIちゃんものちに、歌詞で思い描いた風景がアニメの映像と全く同じでびっくりした、と語っていたけれど、大好きなものと大好きなものがかけ合わさるとほんと奇跡が起きるなと感動する。中学校の時、人生を大転換させる偉大なひとたちや作品に出会えたことには神に感謝というか、運命を感じる。ちなみに、主題歌「さよならバイスタンダー」のカップリング曲「You can stay right here」は川本家、特にあかりさんのことが描かれているので、ぜひライオンファンのみなさんには聴いていただきたい。ここにいてもいいよ、ってもうその言葉だけでも涙が出てきてしまう、、、ううう
18巻はもうとにかく絶対に幸せになってほしい島田の兄貴と弟子の零くんとの戦い。島田さんはお人よしで面倒見が良くて、でも将棋は一切妥協しない。圧倒的な厳しさや自己犠牲の中で、全てを投げ打って将棋に賭けてきた人なのではないかと思う。その苦しさが島田さんにとって生きている、ということなのだけど。
4巻で宗谷さんとの獅子王戦でも雪の描写、今回の零くんとの戦いでも雪が降っていたのは偶然ではないと思う。あのときの宗谷さんの「君は僕を信用しすぎだ」には痺れたけど、あの時も零くん(と宗谷さん)だけは島田さんの勝ち筋が見えていたのだよなーー。今回も零くんが「指運」で買ったと表現したところ、島田さんには気付けない、努力では手に入れられない「才能」みたいなものの比喩なのかと思うとなんだか、、、でも、プロの世界ってこういうものなのかもしれない。ハチクロの森田さんとはぐちゃんもそうだけど、生まれた時からどうしようもなく背負ってしまった人とそうでない人がいる、というのは羽海野先生のテーマなのかな、と後書を見て思った。
19巻、最後なのは寂しいけど、どんなふうに完結するのか楽しみ。
