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第1話 あのときの私は、自分を大切にする方法が分からなかった

今から15年前、私は遠距離恋愛をしていた彼の近くに行きたくて、東京に上京しました。
けれど心のどこかでは、彼ではない別の人に惹かれていたのも事実でした。

自分の気持ちを整理できないまま、心の隙間を埋めるようにいくつかの出会いに流されてしまい、結果として大切な人を失うことになりました。

自分でも「何をしているんだろう」と思うことが何度もありました。
あの頃の私は、誰かに必要とされたい一心で、無理をしてばかり。

恋人と別れた後も私は東京に残りました。忘れたい気持ちと、心の奥にまだ残る想いとで揺れていたからです。

あるとき街で声をかけられ、断ってもついてこられて仕方なくカフェに行きました。
その後オフ会にも参加し、別の男性とまた会うことに。

初めは楽しかったはずなのに、ある日その人が「家を見てみたい」と言ってきて、軽い気持ちで家に招いてしまいました。
でも、その時ふと、「また同じようなことを繰り返すのでは」と怖くなりました。

勇気を出して、「私は、付き合っている人とじゃないと、そういうことはしたくない」と伝えました。
すると彼は何も言わずに帰っていきました。

その後、母から何度も着信がありました。心配していたようで、
電話をすると「こっちはずっとあんたのこと心配して動いてたのに」と言われて、涙が出そうになりました。

あの頃の私は、自分のことを大切にする方法が分からず、誰かに必要とされることで、ようやく存在価値を感じていたのだと思います。

今でも時々、あの頃の自分を思い出しては胸が痛くなるけれど、
あの迷いや後悔があったからこそ、「もう一度やり直したい」という気持ちが生まれました。

それが、再上京までのはじまりでした。

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