【幻想帖】雪兎の森 ― 駆ける息のぬくもり

森の空気が、すっかり冬のにおいになりました。
白い息が、ふわっとひろがって消えていきます。
足もとでは、さらさらの雪が
新しいページみたいに、まっしろ。
そこに、ちいさな足あとが、
ひとつ、ふたつ──森の奥へとのびていました。

足あとをたどっていくと、
光のつぶが、雪の上でぴょんっ。
ぱっとあらわれたのは、
もこもこの「ひかりの雪うさぎ」。
耳までふわふわ光っていて、
歩くたびに、あとが星くずみたいにきらり。
少女がそっと手を伸ばすと、
うさぎたちはくるりと背中を向けて、
「つかまえてごらん?」
そんな声が聞こえた気がして、
追いかけっこがはじまりました。

雪うさぎたちは、すばしっこくて、
右へ、左へ、ぴょんぴょんぴょん。
少女も負けじと、くるくる回りながら走ります。
裾がふわりと舞うたびに、
光の粉が夜空へ飛んでいって、
森の小道は、まるで星の川みたい。
「まって、まってー!」
笑い声だけが、白い夜に弾んでいきました。

たくさん走って、息が白く弾むころ。
少女は、雪のじゅうたんにどさっと座りこみます。
ひかりの雪うさぎたちは、
そのまわりを、ぐるりと円を描くようにとびまわって──
やがて、ひとり、またひとりと
ひざの上や両手のなかにおさまりました。
「つかまえた……と思ったら、
いつのまにか、つかまえられてたね」
少女がそうつぶやくと、
うさぎたちの光は、子守歌みたいにやわらかくなっていきます。
冬の森のまんなかに、
ひと晩だけの「ひかりのうさぎ小屋」ができあがりました。
― スイより、森の扉を開いたみなさんへ🌙
雪ってふるときはきれいだけど……
現実世界だと「明日、道すべらないかな…」って、まず足元の心配しちゃいませんか?😂
スイは、ちいさい頃から
「雪だ!外いこ!」というほど冬が大好きです!
ゆきんこ育ちは転んだ傷跡が
成人した今でも膝に残っているのは当たり前。笑
雪の下の隠れた氷は鋭いですからね〜。
膝に傷がある子は大抵「雪の上で転んだ」といいます。
あと、描きながらずっと考えていたのが、
「こんな短い靴で雪遊びをするなんて御法度
気合いが足りんな……」
という、とても夢のない心配でした。
(可愛さ重視のイラストになりました)
本気の冬は、まだ先だと思いますが
みなさんも転ばない程度に、足元だけは気をつけていきましょうねっ❄️🐇
こちらは【幻想帖】マガジンに収録しています🌱
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