矯正治療中の歯科衛生士が、患者になって気づいたこと
今、私はワイヤー矯正治療を受けています。
矯正も扱う歯科医院で歯科衛生士として働きながら、月に一度、自分自身も患者として診てもらっています。
以前このnoteでもお話ししましたが、私自身、これまで歯にまつわる治療をいくつか経験してきました。
今回はその中でも、今まさに進行中の「矯正治療」で気づいたことを書いてみたいと思います🦷
ワイヤーを調整されている間、正直、口の中で何が起きているのか私にもよく分かりません。
今どこを触られているのか。
次に何をされるのか。
先生の手元は見えないので、歯科衛生士としての知識があっても、チェアに座った瞬間、私はただの患者になります。
矯正は、治療する範囲が広い
虫歯の治療なら、意識は「その1本の歯」に集中できます。
でも矯正は少し違います。
ワイヤーを通して、ブラケットを調整して、口の中のあちこちを次々と触っていきます。
施術する側としても作業はかなり細かく、一つひとつの手順に集中していると、声をかけるタイミングをつい逃してしまうことがあります。
ただ、今こうして患者としてチェアに座ってみると、口の中を次々と触られていく感覚は、少し忙しなくて。
何をされているのか分からないまま処置が進んでいくことに、ちょっとした心細さを感じることがあります。
「触られている」のと「何をされているか分かる」のは、全然違う
先日、自分の調整のとき、先生が
「ここのワイヤーを少し締めますね」
「次はこちら側を調整します」
と、動作の前に一言ずつ声をかけてくれたことがありました。
処置の内容自体は、いつもと変わらなかったはずです。
それでも、次に何が起きるか分かっているだけで、体の力の入り方が全然違いました。
「触られている」のと、
「何をされるか分かった上で触られている」のは、
同じ処置でも、受け手にとってはまったく別のものなんだと、患者側になって初めて実感しました。
細かい手順ほど、声かけが置き去りになりやすい
これは自戒でもあります。
手技が細かくなるほど、施術する側の意識は「手元の正確さ」に集中して、声かけは後回しになりがちです。
悪気があるわけではなく、むしろ丁寧にやろうとするほど、そうなってしまうこともあります。
だからこそ、
「風をかけますね」
「少し押される感じがあります」
「次はこちらを触りますね」
そんな一言を、慣れた処置ほど意識して挟むことが大切なのかもしれません。
正直に言うと、私自身、普段の処置で毎回そこまで丁寧に声をかけられているかというと、自信はありません。
手元に集中していると、つい説明を後回しにしてしまうこともあります。
でも今回、自分が患者としてチェアに座ってみて、その「言わなかった一言」が患者さんにとって意外と大きいことに気づきました。
患者として椅子に座ってみて初めて、施術者として見えていなかったものがありました。
知識として「声かけは大切」と分かっていることと、自分が患者としてその安心感を経験することは、やっぱり少し違います。
私もこれから、手技に集中しているときほど、患者さんを置いていかないように。
患者さんへの小さな一言やコミュニケーションを大切にしたいです🕊️
