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新譜新曲ゲーム音楽紹介:スタレ、Marathon、インフィニティニキ、学マス、Arcaea、Rotaeno、ニディガ、NIKKEほか【2026年3月~4月編】

こんにちは、ゲーム音楽DJ/キュレーターのすいそです。

2026年の3月と4月にデジタルリリースされたゲーム音楽のなかからビビッときたものを紹介していくnoteです。いつの間にか夏になってしまいました。時差を噛み締めつつやっていきます。


愚か者が語る夢 / Sleep1st, TSAR【崩壊:スターレイル】2026.3.3

BPM135。『崩壊:スターレイル』2026年3月3日のアップデートVer.4.0後半にて登場した火花のキャラクターPVテーマ。ヴァースからタンボルザォンのリズムパターンを張り巡らせ、ドロップ前のブリッジで正体を現すとともに歪んだ重低音となって脳神経を直撃してくるエナドリ系ファンキマンデラオ。イントロからビットクラッシュされつつ引用されているモチーフは、2024年2月29日のVer.2.0後半にて登場した花火のPVテーマ「独り芝居」のフレーズで、これがキャラ設定をにおわす演出に留まらない音楽的メタ構造としても意味をなしている。原曲にある頭蓋をかち割るような金物系の音をはじめ、トラップスタイルのビートやダークでアングラな雰囲気は極めてフォンク的で、そのDNAを組み込んでいるという時点で2022年頃にバイラル化したファンキとフォンクの融合を暗に再現しているともいえる。さらにリリックこそ英語で綴られているものの、甘さと毒が混濁した味付けはジャパニーズファンキにも通底する中毒性。このトレンドをハックするようなアプローチは、完全にミームのサイクルから逸脱した領域へと至っており、もはやホヨバースファンキとでも呼ぶべき新境地。


United by Fate / Anamanaguchi【Scott Pilgrim EX】2026.3.3

BPM168。グラフィックノベル『Scott Pilgrim』のゲームシリーズ最新作より。2010年の『Scott Pilgrim vs. The World: The Game』、2023年のNetflixアニメ『Scott Pilgrim Takes Off』の流れを汲む形で、今回もAnamanaguchi(アナマナグチ)がサウンドトラック全編を担当。Anamanaguchiはニューヨークを拠点とするチップチューン・ロックバンドで、8ビットサウンドとパンクロック、スラッシュメタル、パワーポップといった音楽性を融合させたスタイルが特徴。今作においてもメロコア(「One More Summer」)、グラウンドビート(「High Fashion」)、アーバンポップ(「Downtown T.O.」)、アトモスフェリックブレイクコア(「Ice Age」)、ベルジャンテクノ(「Underground Robot Lab」)など、多彩な音楽ジャンルを取り入れた作風を打ち出している。ゲームのビルドを定期的に触りながらサウンドディレクションに直接関与する形で制作が進められ、OSTとして実にディスク4枚相当、71曲もの一大プロジェクトとなった。そこにはレトロゲームへの愛あるオマージュが散りばめられているだけでなく、バンドとしての原点回帰と進化を同時に遂げた新生Anamanaguchiの魂が込められている。2013年の2ndアルバム「Endless Fantasy」の成功後、燃え尽きとも言える自己探求期間に入っていた彼らを激しい共鳴とともに奮い立たせたのは、2015年に登場した『UNDERTALE』の存在だった。同じアメリカ人のToby Foxが、日本のゲームやその音楽から強い影響を受けながらも、単なるパロディを越えた強烈な個性を結実させた姿には何か共鳴するものがあったのではないだろうか。実はToby自身もまた『UNDERTALE』の「Hopes and Dreams」の着想源としてAnamanaguchiの名を挙げており、この互いにインスピレーションを与え合う関係性を象徴する楽曲が、『Scott Pilgrim EX』の終盤にて流れる「United by Fate」である。この曲は『UNDERTALE』の「Hopes and Dreams」および「SAVE the World」へと捧げられた楽曲であることが公式に語られている。パルス波のリフにバンドサウンドが乗っかって一気に厚みを増していく展開は、アナログ且つ肉体的な制作手法を試みた2025年の4thアルバム「Anyway」からの連続性も感じさせる。明るく強かなメロディはリスペクト元のフレーズを想起させつつも、楽曲の構成や音色としては原曲よりむしろAnamanaguchiのライブでも度々披露されるバンドカバー版に近く、それは紛れもない彼ら自身の音といえるだろう。デジタルとノスタルジーを血肉に変え、アイデンティティを高らかに奏でる決意のラブレター。


Code Race (Brendan Angelides Remix) / Ryan Lott, Brendan Angelides【Marathon】2026.3.6

BPM143。『Halo』や『Destiny』で知られるスタジオ・Bungieが開発した脱出シューター『Marathon』のサウンドトラックより。「Vol. I: Somewhere in the Heavens」と「Vol. II: They Are Waiting」の2枚同時リリースとなった本OSTを担当したのは、実験音楽集団・Son Luxの創設メンバーであり、エクスペリメンタルヒップホップユニット・Sisyphusでの活動歴も持つ作曲家のRyan Lott。ディスコグラフィには映画スコアが多いが、ゲーム仕事では2020年にミステリーADV『Tell Me Why』のサウンドトラックも制作している。本作においては、タウ・セティ第4惑星を舞台としたゲームの世界観を未来的で退廃的と解釈し、キャラクター心情ではなく環境と歴史に寄り添う脱シネマティックな作曲プロセスが用いられた。プリペアドピアノの不完全な打鍵音や細切れの人声サンプルをフィジカルなノイズと捉えたRyanは、それらをMPE(手弾きに近い細かな情報をパラメータ化できるMIDIキーボード規格)に割り当てて楽曲を構築、微細なニュアンスと揺らぎを孕んだ特異なエレクトロニカ、インダストリアル、アンビエントとして完成させた。その機械的且つ肉体的なイメージは、プレイヤーのギアであるランナーシェルともリンクする。OSTの1曲目を飾り、メインテーマ的役割を担う楽曲「Code Race」においても、青ざめたウィスパーボイスと蠕動音のようなテクスチャが不気味な魅力と存在感を放っている。さらに『Assassin's Creed Mirage』などで知られる音楽プロデューサーのBrendan Angelidesによるリミックスでは、呻くようなサブベースやクリーキングノイズのカットアップが加わり、タイトなビートで疾走するフューチャーガラージへと変貌。おぞましくも美しい音使いによって底なしの死線と深淵が体現されている。


幻夢へ歩むスカルゴン城 / FoldEcho, 杨文昭 (Yang Wenzhao), Iris Xiao【インフィニティニキ】2026.3.20

BPM88。Infold Gamesが開発するオープンワールド着せ替えアドベンチャー『インフィニティニキ』のサウンドトラックより。2025年11月26日、1周年のタイミングとなった大型バージョンアップ「大地の祷律」(Ver.2.0)にて登場したスカルゴン城エリアで流れる楽曲。インハウス音楽制作チーム・FoldEcho所属のクリエイター陣が手掛け、OSTとしてはVer.2.3時期にリリースされた「冠なき私の心」に収録された。「幻夢へ歩むスカルゴン城」ほか「Kuna!アイドル登場!」、「誰もいないステージ」、「色彩が綻ぶステップ」などの一連楽曲では、中南米やカリブ海沿岸部に由来するデンボウのリズムを軸としたレゲトンやムーンバートンのフレームワークを全面的に採用。シンコペーションの効いたパーカッションによって跳ねるようなグルーヴがもたらされている。これは同タイミングで実装された新スキル・鉤爪によるワイヤーアクションや、カタツムリに似た原生生物・スカルゴに乗っての壁登り移動など、独特の浮遊感や緩急のある身体感覚とシンクロし、フィールド探索中の高揚感までもを拡張するキメのリズムとなっている。伸びやかな金管を中心としたウワモノのオケも幻想的な景色を照らすようで、ラグジュアリーな夢心地体験を彩っている。


Wildest Flower / 花海咲季, Giga【学園アイドルマスター】2026.3.20

BPM165。『学園アイドルマスター』3月19日のアップデートにて実装された花海咲季のSTEP3楽曲。作編曲・Giga、作詞・HIROMIというデビュー曲「Fighting My Way」と同タッグによって制作され、圧倒的な強者としてのオーラを見せつけた前曲に対し、もがきあがく姿をもってして魅せる解答編となった。一度折れながらも、その前傾姿勢のまま駆けていく足取りは、楽曲のビートと呼応しドラマティックに展開していく。イントロからAメロにかけては、フィルターがかったコードとサブベースに、鋭いパーカッションと高速ハイハットがトラップビートの層を形成。最初の肝となるのはその抑圧が解放されるサビ前のビルドアップで、ピークで鳴る低音沈み込みからの付点8分のタム、そしてごく短いビープ音のカットインが、一瞬時間を止めたかのような効果を与え、その後のサビでの爆発的な加速を生み出している。ブリッジでのブレイクビーツ感を残したまま続く2番では、ゾーン突入寸前の脳内を駆け巡る電気信号のような、テッキーなシンセのオブリが追加。そこからまさかのサビお預けという展開も革命的で、今度は時間を引き延ばし、急に回想パートに入ったかのような演出に。一度離散し脱力したトラックに少しずつビートが重なっていく流れの中、呼吸を整え現在地点を見つめ直す。その結実はラスサビで重なるスキャットに象徴され、乖離していた自己を取り戻し再びコントロールする全能感となって過去も現在も凌駕していく。葛藤と不屈、屈み込みと全力疾走、ハーフタイムとフルタイムのリズム構造が交錯する、強メンタル超フィジカル系ベースミュージック。


Romeo / Luby Sparks【ROMEO IS A DEAD MAN】2026.3.27

BPM152。須田剛一率いるグラスホッパー・マニファクチュア開発のアクションADV『ロミオ・イズ・ア・デッドマン』エンディングテーマ。オープニング曲「Liar」(2月13日配信)、劇中曲「nothing left, we don't know why」(3月6日配信)に続く第3弾シングルとして3月27日にデジタルリリースされ、その後4月17日に「nothing left, we don't know why (Distorted Version)」を加えた4曲入りEPとしてまとめられた。作品を象徴するこれらの楽曲を手掛けたLuby Sparksは、デビューアルバムのプロデュースに関わったYuckをはじめ、Cocteau TwinのRobin Guthrie、Winter、Say Sue Meなど海外アーティストとの接点も多く持つ日本のオルタナティヴ・ロックバンド。ゲームとの関連としては、2019年に「Somewhere」が『SEVEN's CODE』に収録された経歴がある。インダストリアルなアプローチの「Liar」、ドリーミーなインディポップの「nothing left, we don't know why」と比較して、随一の悲壮感と抒情を纏うグランジゲイズとなった「Romeo」だが、ディストーションギターとノイズのフィードバックに重なるシンセのレイヤーからは、どこかレトロフューチャーな質感も感じる。さらに興味深い音色としては、ギタリストのSunao Hiwatariが奏者にクレジットされているシェイカーで、恐らくイントロからAメロ、サビ直前の1小節などでハイハット的に使われているものの正体がこれ。過去にEP「Songs of The Hazy Memories」収録楽曲などでタンバリンやウィンドチャイムをアレンジに組み込んできた手法をここでも用いていると思われる。また、間奏の入りで1拍だけ削り取られてつんのめる箇所があり、My Bloody Valentineの初期曲「You Made Me Realise」や「Nothing Much to Lose」を思い起こすような倒錯感をもたらす。シューゲイズという様式を内側から食い破り、異端ながらも美学を宿したサウンドメイクには平伏するほかない。暴力と甘美な音楽というのは古くから組み合わされてきたが、ウルトラ・バイオレンスをジャンルに冠する本作で鳴らされるこの前衛性を持った音にいたってはウルトラ・シューゲイズとでも呼ぶべきか。


羽化する亜球体 / 窓辺リカ【Arcaea】2026.4.11

BPM120。lowiroの音ゲー『Arcaea』2025年12月31日のアップデートVer.6.11.6にてMemory Archiveに追加され、2026年4月11日にデジタルでリリースされた楽曲。窓辺リカはVirgin Babylon Recordsに所属するトラックメーカーで、アノニマスなペルソナを纏いながら、作詞、作曲、編曲、ボーカル、プログラミング、アートワークの設計にいたる全工程を手掛けるマルチクリエイター。Warp Records直系のIDMとMaltine Records周辺の国内ダンスミュージック、そしてレーベルの主宰であるworld's end girlfriendが繰り広げる壮大で叙情的なエレクトロニクスといったルーツに由来するサウンドパレットを持ち、本作においてもカオティックな電子音響による過剰で多彩な情景を描いている。BPMはゲーム内でも120と表記があるものの実質体感としては240がメインで、マイクロサンプリングによるグリッチ音と歪んだキックを巻き込む高速ブレイクビーツがあの手この手で打ち鳴らされ続けるポストハイパーポップ・ブレイクコア。ここまでの密度と攻撃性は彼女のディスコグラフィ的にも随一で、音ゲーならではの手数を重視した収斂にも感じられる。一方でボーカルプロダクションでは自身のウィスパーボイスが用いられ、空間系エフェクトと緻密なモジュレーションによって融解しつつもギリギリの実在性を保ちながら並走している。これまでのイメージを越えてくる狂気を引き出したという点においても、コアにあるパーソナリティをしっかり提示したいう点においても、窓辺リカが『Arcaea』に楽曲を提供したという意義は大きく、音ゲープラットフォームとしての尖ったキュレーション力を感じた。


献花 / 瀬名水紀【Rotaeno】2026.4.12

BPM74。香港のDream Engine Gamesが開発したスマホ回す系音ゲー『Rotaeno』にて、2025年3月19日からの期間限定イベントで追加され、1年越しにデジタルリリースされた楽曲。瀬名水紀はDream Monster所属経歴もある音楽プロデューサーで、楽曲制作のみならずイラストやデザインも手掛けるマルチアーティスト。音ゲーではこれまで『SOUND VOLTEX EXCEED GEAR』(「プリュネシエル」)、『CHUNITHM X-VERSE』(「恋伯色」)、『Arcaea』(「Factorder」)にも楽曲が収録されている。また『ウマ娘 プリティーダービー』、『BanG Dream! Our Notes』などにも楽曲提供を行っており、エレクトロサウンドからバンドスタイルまで幅広い作風での歌モノを得意とする。本作では、ピアノとストリングスに加え、フォーリーで瑞々しいテクスチャや逆再生FXなどをレイヤーしたボタニカ系アプローチを見せており、浮世離れした仙境のようなサウンドスケープを展開。そして流れるような6分の8から4分の4への転拍子によって鮮やかな景色を切り開く。ここからの展開も圧巻で、フューチャーベース/カラーベース的ドロップをグラニュラーシンセで構築するという大技。粒子の波が五感を覆い心地よい溺水へと誘うような、めくるめく桃源郷フォークトロニカ。


れびてーしょん / キタニタツヤ【NEEDY GIRL OVERDOSE】2026.4.12

BPM132。『NEEDY GIRL OVERDOSE』TVアニメ版エンディングテーマ。Aiobahn +81によるオープニングテーマ「INTERNET ANGEL」が配信中の高揚や欲求をドライブするためのユーロサウンドだとしたら、キタニタツヤの「れびてーしょん」は配信を切ったあとの真夜中の部屋に漂う、虚脱感を包むエレクトロポップといったところだろうか。籠った四つ打ちと輪郭の薄いシンセパッドで淡々と歩き始め、ギターのプラックとともにバックトラックは厚みを増すが、肥大化する感情も自意識もどこにも辿り着くことなく空に落ちていく。2番ではキックが立ち消え、まばらなベースにのって再浮上するも、これが無力な執着であることを自覚しているかのような叫びへと変わっていく。間を置いて呟かれる接続助詞は抵抗としての浮遊(れびてーしょん)だったのかもしれない。が、ノンダイアトニックトーンからの安定音というのは、あまりにもやり場のない着地ではないだろうか。最後にはらららと歌い、フェードアウトではなく、ひとつひとつ照明を落とすように音を止めてのクロージング。形のないものがなくなっていくことに対し、誰かが別れを告げなければいけなかった。そのための4分間と4年間。2022年からリアルもリアリティも巻き込んで境界線を滲ませていった『NEEDY GIRL OVERDOSE』のエンディングに、この歌があって本当によかったと思う。


Cuisinartist / Marskye【Dosa Divas】2026.4.14

BPM80。南アジア系や中東系をはじめとする多様なバックグラウンドを持つクリエイターが集うインディースタジオ・Outerloop Gamesが手掛けた料理とロボのターン制RPG『Dosa Divas』のサウンドトラックより。ゲームは開発メンバーのさまざまな文化的背景を反映した作風となっているが、その精神性は音楽にも継承されている。本作の全37曲に及ぶスコアを作曲・プロデュースしたMarskyeことRamsey Kharroubiは、ニューヨークを拠点に活動する作曲家で、アラブ系ディアスポラとしてのアイデンティティをルーツに、多様な文化とジャンルを横断するアプローチを得意としている。過去には、80年代日本のシティポップや欧米のダンスミュージックをモダンなシンセファンクとして洗練させた『Boyfriend Dungeon』、バングラビートを用いて南アジアのストリートカルチャーを描いた『Thirsty Suitors』などを手掛けている。今作でもそのミクスチャー感覚を引き継ぎ、南インドのカルナータカ音楽を軸にヒップホップやベースミュージックなどを掛け合わせたサウンドを展開。シタールとバンスリのローファイヒップホップ「Village Groove」、サロードのストロークからタブラやドーラクによる躍動的なビートが展開する「Lazy Meals」、ヒンドゥースケールをざらついたシンセ音色で奏で疾走するドラムンベース「Battle Beneath The Crust」、ティンシャやターラム(マンジーラ)を思わせる金属系テクスチャの冥想チルホップ「Cuisinartist」など注目曲多数。


Be My Star / T.T. STAR, Cosmograph, Corbin, Xuxhiz【勝利の女神:NIKKE】2026.4.23

BPM133。『勝利の女神:NIKKE』3.5周年記念イベント「STAR ANIS」に連動してリリースされたEPの表題曲。作中では、3人組アイドルユニット・T.T. STAR(アニス、ミント、プリカ)のカムバックライブのフィナーレにて披露された。ビットクラッシュ気味なローズピアノのイントロで始まり、スパソとギターのカッティングから、ファンキーなベースのスラッピングへと接続。さらにフューチャーベース的ハーフタイムに、ジャージークラブの五つ打ちキックと、ワンコーラスだけでK-POP第5世代から第3世代のシグネチャーを次々繋ぎ変える離れ業を炸裂させる。2番では3・2クラーベにシンセウェイヴ/シンセポップ的質感も加わり、ますますの縦横無尽っぷり。過去のインタビューにて、韓国語による歌モノをとっておきにしていると発言していたCosmographだったが、この圧倒的な現代K-POPに対する解体感覚の発現は、温めてきた切り札としてこれ以上ない回答といえるだろう。ほかの収録曲も、プラグビートが小気味いいフューチャージャージー「All Eyes On Me」、洒脱でバウンシーなツーステップ「Accelerate」、重量ゼロのスワイプ感覚ジャンプアップ「Clickbait」とトレンド横断力が光るラインナップ。いずれもイチオシ。


VEIL / 秦谷美鈴, GUCCHO, Dubscribe【学園アイドルマスター】2026.4.30

BPM150。『学園アイドルマスター』4月29日のアップデートにて実装された秦谷美鈴のSTEP3楽曲。ロックとエレクトロの融合を得意とするギタリスト・GUCCHO(KNOXX)と、日本を代表するダブステッププロデューサー・Dubscribeのタッグによって制作された。EDMスタイルのアイドル楽曲といえば、サビとドロップ同時型、またはサビ後ドロップ型が主流と思われるが、こと秦谷美鈴の「VEIL」においてはドロップ先行型という特異な構成が採用されている。それどころか、1stドロップでは終わりにワンフレーズを歌うのみで、むしろサビ抜きドロップ置き換え型とでも称すべき形態。実はこれはデビュー曲「ツキノカメ」と同様の構成となっており、続く美鈴ダブステシリーズ「Superlative」や「ヨルニテ」では見られなかった作りである。そういった意味で、やはりSTEP3楽曲は1stシングルのリプライズと捉えられるが、この楽曲が提示する進化と深化は構成だけでなく当然出音にもはっきりと現れている。最初に姿を見せるのは、ディストーションギターがうなるビルドアップを経てのドロップイン。耳小骨を切り刻んで側頭葉へとめり込んでくるようなサステインベースによる大脳解体ショーが開始され、ただ呆然と身を委ねるしかない時間が訪れる。しかもそこへ「おいで」と招いた当の本人はその間「ふふふ」と笑うのみという手に負えなさ。これでアイドルとして成立しているということがまず前代未聞で、爆風の中ひとり微笑を湛えながら佇んでいるかの如く圧倒的な強者感を見せつけている。ここでの台詞はレコーディング当日の収録現場で生まれた案だったらしいが、あまりにも説得力がありすぎてその場にいた全員が実際にそうする秦谷美鈴を目にしたが故の描写に思えてくるほど。後半はローリングベースによりトランシーな展開を見せ、さらなる深淵へと引き込んでいく。今度はどんな音で突き放してくれるのかと思いきや、一転しユーフォリックなドロップが報酬系回路を包容。そこへ溶け込む歌声がすべてを救済していく。向こうのペースに終始狂わされっぱなしの、ティアアウト・メロディック・ゲインロス効果ダブステップ。


以上12曲でした。

活動報告。

https://x.com/dai2_716/status/2050545869859266606

5月23日、音ゲー中心DJミックスイベント「Beat Radio Mix Vol.22」に参加しました。事前ミックス提出型だったので、当日自分はBitSummit帰りの新幹線の中でTwitchを見ていたのですが、疲労と高揚が入り交じる状態かつ踊りたくても踊れない状況というなかなか貴重な体験になりました。

https://x.com/suisostage/status/2058898692229501111

こんな感じのゲーム音楽クラブジャズをやりました。しかもフルがけロングミックス寄りという逆張りスタイル。なかなか普段はできないことをさせてもらえたので感謝です。それにしてもジャズってずっと楽しいですね。

「Ready To Rockit Blues (meanness mix)」からの「Harmony and Lovely -contemporary chamber mix-」は、きっとどこかで誰かがやってるとは思うのですが個人的には発見でした。ちょうど中盤あたり、よかったら聞いてみてください。

告知。

https://x.com/Tec_hnoBreaker/status/2090272910154088612

9月5日、町田カプセルにて友達のIKさんとDJインテリジェンスさんの生誕祭パーティーでDJやります。普段、ゲーム音楽×音楽ジャンルを自分のDJスタイルにしているのですが、今回の音楽ジャンルはずばり「お祝いハウス」です。もちろんゲーム音楽100%です。お祝いって、いい音楽なんですよ。みんなでお祝いしましょう。

https://x.com/DECABARZ/status/2090421769215820142

9月10日、新宿のDECABAR超で開催の「デカゲー」にDJで出演します。すんごいところに呼んでいただいてしまいました。こちらではがっつりダンスミュージック系のゲーム音楽DJをやる予定です。気軽に遊びにくださいまし。

https://x.com/ram_party/status/2090408713945518364

9月12日、自分がレギュラーで参加している音ゲー&ゲーム音楽中心クラブイベント「SHOXXXX」のオンライン拡張版配信があります。音楽が好きすぎるゲーマーが集うイベントで、年2くらいでリアル開催しているのですが、今年は試験的にメタバースプラットフォームclusterでもミニ版を開催しています。今回自分の出番はないのですが、そのへんうろうろゆらゆらしていると思います。VRデバイスなしですぐ入れるのでぜひ。多分「すいそさんのnote見て来ました」ってチャットするとメンバーがよろこぶと思います。

https://x.com/suisostage/status/2048044129285022201

ちなみに自分は前回こんな感じのセットでした。ドラムンベースでしたね。

うーん夏が終わっていく。TGS時期に差し掛かり、本業が凄まじく慌ただしいのですが、なんとかゲージギリギリで日々生きています。ただどんなに忙しくてもゲーム音楽の新曲チェックだけは毎日楽しく続けられているので、また折を見てnoteも書いていこうと思います。

今回ようやく重い腰を上げられたのも、実は友人経由で自分のnoteを読んでくださっている人がいるというのを聞いたり、Xで「全部読みました」と感想くださった方がいたりしたお陰でして、本当に本当にありがたい限りです。

2か月分から「この曲だけは絶対語りたい」というのを選んでいった結果、過去イチ長い本文になってしまいました。何か少しでも新しい出会いや発見があったならば末広がりです。よかったら「この曲好き!」とか教えてください。

ではまた。9月のイベントか、次回noteで。


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