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ちいかわにハマる

わが家は今、ちいかわブームだ。

キャラクターとしてのちいかわは以前から知っていて、子どもたちはメモ帳やシールも持っている。

だけど、ストーリーを読んだり観たりしたことはなかった。

見てみよう、と思ったきっかけは、旅先で乗ったタクシーの運転手さんとの出会いだった。

そのタクシーには、車内のあちこちにたくさんのちいかわグッズが飾ってあった。

「僕の個人的な趣味なんです」

そう言った運転手さんは、30代くらいの、メガネをかけた物腰の柔らかい男性だった。

「もともとは妻が好きで、僕も見始めたんですけど、すごく深いんですよ」

と言う。

次の日がお休みで、ちいかわの映画を観に行くともおっしゃっていた。

うちの子たちもちいかわの映画に行きたがっていたので、「いいないいなー!」の大合唱。

「それでは、ネタバレしない程度にお話ししてもいいですか」

そう言って、運転手さんはちいかわのキャラクターや設定について教えてくれた。

ハチワレは喋るけれど、ちいかわやうさぎは喋らないこと。

そんなことも知らないレベルで、私たちは映画に行こうとしていた。

労働をして、報酬を得て、欲しいものを買ったりしていること。

ルール側の人間(?)がいて、本当は仲良くしてはいけないのに、仲良くしてしまっていること。

セリフには倒置法が使われていて、大人にしかわからないような絶妙なセリフ回しがあること。

もちろん、運転手さんの見解だし、これが正解なのかはわからない。

だけど、なんだかとてもちいかわを見てみたくなった。

宿に着いたあと、私と夫は、

「あの運転手さん、きっと乗るお客さんたちにちいかわを広めまくっているに違いない」

「ちいかわの説明がうますぎる。見たくなりすぎる」

と、しばらく運転手さんの話題で持ちきりだった。

家に帰ってから、Netflixでちいかわを見始めた。

キャラクターの可愛さはもちろん魅力的だ。

でも、それだけじゃない。

「チャルメラ」とか、「(ニ)郎ラーメン」とか、「赤福餅」とか。

私たちの世界と同じようなものが出てくるのもおもしろい。

可愛いだけじゃない、なかなかの曲者のキャラクターもいたりする。

そうして私たち家族は、どんどんちいかわ沼にハマっていった。

私は今や、くりまんじゅうと飲みに行きたい!と思うくらいに、ちいかわに夢中だ。

そして今日、夫の母に会うと、

「ちいかわの映画に行こうと思ってる」

と言う。

なんと。

ちいかわの波は、思っていたより身近なところにまでたどり着いていた。

もしかしたら、あの運転手さんが、どこかでまた誰かにちいかわの魅力を語っているのかもしれない。

あさってから9月。

9月中には、映画に行きたい。

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