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愛しているからこそ、手放さなければならないことがある――あなたにはできますか?【ラブロマンス派のあなたへ】

16歳の少女は、なぜ最愛の人を未来へ送り返したのか

愛しているからこそ、手放さなければならないことがある

16歳の少女が、最も大切な人との別れを決める。
自分を育ててくれた人。
守ってくれた人。
世界のすべてを教えてくれた人。

その人を、自分のそばから永遠に失うかもしれない。
なぜ壹與(いよ)は、壹真(いっしん)を未来へ送り返したのでしょうか。

歴史小説『Lost light 失われた光』の第11話で、最大のクライマックス、そのラストシーンをネタバレを避けつつ、物語の琴線に触れて行きます。


壹與は、壹真が自分のために残っていることを知っていた

壹真は、壹與を守るために古代で生き続けます。
彼女が成長し、自分の道を歩けるようになるまで。
壹與にとって、壹真にとっも、それは愛の証です。

けれど同時に、壹真が自分のために本来の人生を失っていることでもあります。
成長した壹與は、その事実に気づいていたはずです。

壹真の優しさに甘え続けることは、彼の未来を奪い続けることになる。
だから壹與は、手放すことを選びます。


本当は、行かないでほしかった

壹與は女王として決断します。

けれど、心は16歳の少女です。
父と呼びたい人。
そばにいてほしい人。

母の日向姫(ひむかひめ=卑弥呼)とは生み別れになってしまった娘。
その自分を一人にしないでほしい。
そう願っていたでしょう。

強い決断の中に、幼いころから変わらない寂しさが残っています。
壹與が壹真を未来へ送り返したのは、別れたかったからではありません。
自分の願いより、壹真の人生を優先したからです。


愛することは、相手の自由を返すことでもある

壹真は壹與の成長を見守りました。
次は壹與が、壹真の未来を守る番です。

父に恩返しをするためではありません。
壹真が現代に戻って、壹真自身の人生へ戻れるようにするためです。

壹與は、自分を守ってくれた人を、自分のために縛りつけない。
その選択によって、彼女は守られる少女から、誰かを守る女性へ変わります。


別れを決めた瞬間、壹與は女王になった

女王になるとは、冠をかぶることではありません。

自分の願いより、守るべき人の未来を優先すること。
誰にも代わってもらえない決断を引き受けること。

壹與が壹真を未来へ送り返した瞬間、彼女は日向姫の後継者としてだけでなく、自分自身の意志を持つ女王になります。


この感情を聴くなら――「Shift – Time Fugue

Shift – Time Fugue」は、別々の時間へ進む二人の旋律です。

壹與は過去に残る。
壹真は未来へ帰る。

二人はもう同じ時間を生きられません。
けれど、一方が止まったから別れるのではない。

互いの時間を生かすために、違う方向へ進むのです。


本編へ

壹與が別れを決めた場面では、女王としての言葉と、少女としての表情を分けて見てください。

口にした言葉は強くても、心まで強いわけではありません。
16歳の少女が最愛の人を未来へ送り返す。

その決断の裏にある寂しさを感じたとき、壹與の物語はさらに深く見えてきます。
そして、これまで一度も口にしたことのなかった言葉「父様…」と初めて壹真に伝えたのでした。



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The music and lyrics are registered with JASRAC based on the creator’s human creative contribution.



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