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好きな人のことなら、何でも知りたい。――その人の過去を、どこまで受け入れられますか?【ラブロマンス派のあなたへ】

好きな人が、自分の知らない人生を生きていたら

――その人の過去を、どこまで受け入れられますか

好きな人のことなら、何でも知りたい。

何を考えているのか。
誰を好きだったのか。
どんな時間を生きてきたのか。

けれど、もしその人が、自分の知らない場所で、自分の知らない人生を生きていたら。
しかも、その人生の中に、自分より深く愛した人がいたとしたら。

あなたは、その人を以前と同じように愛せるでしょうか。


小春の知らない壹真がいる

高校生の小春は同級生、壹真(かずま=いっしん)を小さい頃から知っています。

癖も、表情も、話し方も知っている。
だから、自分は壹真をよく理解していると思っていたかもしれません。

しかし、帰ってきた壹真の中には、小春の知らない世界がありました。

小春が見たことのない表情。
彼女に話したことのない記憶。
そして、誰かに向けられた“悲痛”なほどの愛。

幼なじみであるはずなのに、目の前の人が遠く感じられる。
その距離は、小春にとって大きな痛みになります。


知りたい気持ちと、知るのが怖い気持ち

小春は、壹真の過去を知りたいでしょう。
けれど、すべてを聞くことが怖くもあるはずです。

聞けば、壹真がどれほど深く誰かを愛したのかを知ってしまう。

自分の知らない幸せ。
自分の知らない別れ。
自分には入れない記憶。

知らないままでは不安になる。
知れば、さらに苦しくなる。

小春は、その矛盾の中に立たされます。


過去を受け入れることは、納得することではない

小春が壹真の過去を受け入れるとしても、すべてに納得できるわけではありません。

嫉妬してもよい。
悲しんでもよい。
「私だけを見てほしい」と願ってもよい。

受け入れるとは、自分の感情を消すことではありません。
壹真の過去を否定せず、自分の痛みも否定しないことです。

小春が強いのは、何も感じないからではありません。
苦しみながらも、壹真を知ろうとするからです。


この感情を聴くなら――「Seal」

「Seal」は、封じるという意味を持ちます。

人は、語ることのできない記憶を心の奥に封じます。
壹真もまた、現代へ戻ったあと、すべてを言葉にできるわけではありません。

小春は、その封印を無理に開けるべきなのでしょうか。
それとも、壹真が話せる日まで待つべきなのでしょうか。

愛するとは、すべてを聞き出すことではない。
言葉にならないものがあると知りながら、そのひとのそばにいることでもあります。


本編へ

『失われた光 Lost Light』では、壹真の時空転移だけでなく、残された小春の時間にも注目してください。

壹真が見たものを、小春は見ていません。
だからこそ、二人は同じ物語を共有しているようで、違う物語を生きています。

二人が本当に結ばれるためには、その違いを消すのではなく、認める必要があるのです。


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