塗り絵にストーリーをつけると、沖縄の風が吹く。
毎晩、1歳半の息子に絵本を読み聞かせる。
体力もりもりで、ベッドに連れてきてもしばらく遊び続け、
「もう1回!」攻撃をなんとかやり込めて、
寝かしつけクライマックスの"読み聞かせ"にたどり着くころの私は、もう体力ゲージ0だ。
「絵本、好きなの取ってきて。」
と伝えると、読んでほしいものを選んで持ってきてくれるのだが、
最近はもっぱら
「アンパンマンのデッカぬりえ」。
第一に、これは、絵本ではない。
ストーリーは、ない。
体力ゲージ0の、母の即興トークの腕前を試しているのだ。

まず表紙。
表紙に載っているキャラクター名をひとりずつ読み上げる。
右下の「サンスター」を読み上げ忘れると、息子が「これは?」と指を指す。
そうでした。
この物語は、サンスターの提供により、お送りしております。
「デッカぬりえ、はじまるよー!」
とりあえず、元気は出す。
主人公が元気100倍だから仕方がない。
中のページは、キャラクターの顔がタイトルの通り"デッカく"1ページずつ載っている。
メインキャラクターが続く最初のほうのページは、渾身のモノマネつきでお決まりのセリフを駆使し、なんとかストーリーっぽくできる。
後半になってくると、だんだんよく知らない人たちが出てくるのが、困る。
ぱっとキャラクターに合ったセリフを思いつくことはできない。
それができれば、私は「やなせたかし」だ。
私は、ただのママだし。
「ナガネギマンさ」
「しらたまさんさ」
名前に「さ」をつけるとなんとなくセリフっぽくなる気がする。
「かつぶしまんさ〜〜」
「エクレアさんさ〜〜」
だんだんと、「なんくるないさ〜」感が出てくるけれど、なんくるないさ。
最後のほうのページは、もう、カチャーシーくらいの大盛り上がりだ。
何周目か読んだころに、隣で寝息を立て始める息子に気づき、塗り絵を閉じる。
ふう。
息子の頭の中では、どんなふうなお話になっているんだろう。
明日は、まだ残っている白いページに色を塗って、ちがうお話にしようね。
