しかばねを越えて (1分ショートショート)
【2025年 8月】
「私を求める声が多くて、ビックリしてる。こんなこと初めてだ」
『米』が言った。
「同じく。アタシなんて、アンタよりも需要あるからね」
『水』が参戦。
「比べてみようか?」
『比』も話に入ってきた。
そばで聞いていた、『九』が言った。
「僕たち、自立してから、何だか生き生きしてるよね」
【一週間前】
40度の炎天下。
大勢のサラリーマンが行き交う、新宿のオフィス街。
オーバーツーリズムで、水は、コンビニも自販機も、すでに売り切れている。
ドサッ。
一人のサラリーマンが、前のめりに倒れた。
そして、『屎尿』を垂れ流し、『尻』から一発、大きな『屁』を放った。
「オレの『尸 (しかばね)』を…越えて…ゆけ。みんな、生き抜くん…だぞ…」
