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クレーム電話が1時間終わらない人が見落としていること

「もう1時間くらい電話している……」
クレーム対応をしていると、そんな状況になることがあります。

こちらは何度も説明している。
謝罪もしている。
相手の話も聞いている。

それでも、

「まだ納得していない」

と言われる。
そして、また最初から同じ話が始まる。

こうなると、

「相手が納得するまで電話を切ってはいけないのでは?」

と考えてしまいます。

でも、ここで一度考えてみてください。
「納得する」とは、具体的に何でしょうか?


「納得するまで」が危険な理由

クレーム対応で、

「お客様が納得するまで対応します」

という考え方があります。
一見すると、とても丁寧です。

しかし、「納得」を終了条件にしてしまうと、電話を終わらせる基準がなくなります。

例えば、

客「納得できません」

担当「どの点がご納得いただけないでしょうか?」

客「全部です」

担当「では、改めてご説明します」

客「だから、その説明では納得できない」

この繰り返しになります。

相手の納得をこちらでコントロールすることはできません。

だからこそ、担当者側で、
「何をもって対応完了とするのか」

を整理する必要があります。


まず「問題」と「感情」を分ける

例えば、

「こんな会社だとは思わなかった!」

と言われたとします。

これは相手の感情です。

一方で、

「注文した商品が届いていない」

というのは具体的な問題です。
この2つを混ぜてしまうと、いつまでも話が終わりません。

まず、
「今回、会社として対応すべき具体的な問題は何か」
を確認します。

例えば、

「今回の件について、商品が届いていないことが問題という認識でよろしいでしょうか。」

と整理する。

そこから、

  • 配送状況を確認する

  • 原因を確認する

  • 対応可能な方法を案内する

  • 必要なら担当部署へ引き継ぐ

という具体的な対応に移します。


同じ話が繰り返されたらどうする?

クレーム電話が長時間化する原因の1つが、

同じ内容の繰り返し

です。

例えば、

「前にも言ったけど!」

「先ほどもお聞きしましたが……」

「だから、その話じゃない!」

となってしまう。

ここでは、相手の話を遮るより、

一度こちらで整理して確認する

方が有効です。

例えば、

「ここまでのお話を整理させてください。今回問題となっているのは○○で、現在ご希望されているのは△△ということでよろしいでしょうか。」

と確認します。

相手が、

「そうです」

と言えば、ようやく話の土台が揃います。


「まだ納得していない」と言われたら?

ここが一番難しいところです。
対応できることをすべて説明した。
必要な対応も案内した。

それでも、

客「納得していません」

と言われる。

この場合、

「では、何がご納得いただけないでしょうか?」

と、具体化します。

例えば、

「現在ご案内した対応のどの部分について、ご納得いただけないのか確認させていただけますでしょうか。」

と聞く。

ここで具体的な問題が出てくれば、その問題に対応できます。

しかし、

「全部納得できない」

「とにかく気に入らない」

という状態であれば、話を無限に続けるのではなく、会社のルールに従って対応を整理する必要があります。


「電話を切る」のではなく「対応を完了させる」

ここは非常に重要です。

電話を終わらせることと、問題を放置することは違います。

例えば、

「本件については、○○まで確認したうえで、△△までにこちらからご連絡いたします。」

と次の対応を明確にする。

すると、
「今この電話で全部解決させる」

必要がなくなります。

電話を切る前に、

  • 何が確認できたのか

  • 何を対応するのか

  • 誰が対応するのか

  • いつまでに対応するのか

を明確にします。

これができていれば、電話を終了しても、
「逃げた」わけではありません。


電話を終えるときの言葉

例えば、

「本日の時点で確認できている内容については、以上となります。追加で確認が必要な点については、○○までにこちらからご連絡いたします。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。」

という形です。

ポイントは、
「もう切ります」
ではなく、

「現在の対応状況と次の対応を明確にする」
ことです。


それでも電話を切らせてもらえない場合

ここからは、さらに慎重な判断が必要です。

例えば、

「まだ話したいことがある」

と言われた場合。

まず、本当に新しい要求や事実があるのか確認します。

「追加で確認が必要な内容がございましたら、お聞かせいただけますでしょうか。」

そこで新しい問題が出れば対応します。

一方で、すでに回答した内容を繰り返しているだけなら、

「これまでにご案内した内容について、改めて確認いたしましたが、現時点でご案内できる内容は先ほどの回答となります。」

と、現在の回答を明確にします。

ただし、暴言・威圧・長時間拘束などへの対応は、会社のルールや上司の判断を優先してください。


「電話を長引かせない」ための5つの確認

長時間のクレーム電話になったら、頭の中で次を確認します。

① 問題は何か?

話が広がっていないか。

② 要求は何か?

相手が求めているものは明確か。

③ こちらの回答は何か?

会社として回答できる内容は決まっているか。

④ 追加で確認することはあるか?

まだ対応すべき事項が残っているか。

⑤ 次の対応は決まっているか?

誰が、いつ、何をするのか。

この5つが整理できていれば、

「まだ納得していないから、ずっと電話を続ける」

という状態から抜けやすくなります。


クレーム対応で「終了条件」を持つ

クレーム対応では、
「相手が納得したら終了」
ではなく、

「必要な確認・回答・対応を完了したら終了」と考えることが重要です。

もちろん、相手の話を聞くことは大切です。

しかし、担当者が相手の感情を完全に解消することまで背負ってしまうと、対応そのものが成立しなくなります。

クレーム対応は、
相手の感情を消す仕事ではなく、問題を整理して適切な対応につなげる仕事
でもあります。


まとめ

クレーム電話が長時間化してしまうとき、見直したいのは、

「どうやって電話を切るか」
ではありません。

まず、
「何をもって対応完了とするのか」
を決めることです。

そのために、

  1. 問題を特定する

  2. 要求を確認する

  3. 事実を確認する

  4. 対応可能な範囲を明確にする

  5. 次の対応を決める

  6. 対応内容を記録する

という流れで整理します。

「納得するまで」ではなく、
「必要な対応を完了するまで」
という視点を持つ。

これだけでも、クレーム電話との向き合い方は変わります。


次回

次は、さらに実務的なテーマです。

「できません」がクレームを悪化させる理由〜断るときに整理すべき3つのこと〜

「規定なのでできません」
「それは対応できません」
「担当部署が違います」

こうした言葉を使わざるを得ない場面は、電話対応では避けられません。

では、できない要求を、どう伝えればいいのか?

次回は「断る」を具体的な対応手順に変えていきます。


「もう1時間話しているのに、電話が終わらない……」
こうなると、精神的にもかなり消耗します。


重要なのは、電話を終わらせるための一言を覚えることではなく、そもそも長期化させないこと。

そのためには、クレーム対応を「聞く→整理する→伝える」という流れで考える必要があります。

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